- ジンバブエ共和国は、かつて南部アフリカ地域の穀物倉庫と呼ばれていましたが、近年、気候変動や経済混乱等の影響を受け、農業生産が縮小・停滞しており、特に小規模農家を中心に慢性的な食料不足に陥っています。このため、ジンバブエ政府は、小規模農家に対する種子や肥料の給付等の支援を実施していますが、食料不足の解消や農家の収入向上には結びついていない状況にあります。
- この協力は、WFPを通じて、ジンバブエの農村地域の小規模農家が、気候変動による食料生産の減少と経済の混乱に伴う家計収入減少の危機に適応できるよう、灌漑用取水源整備などの農業インフラの整備、市場分析に基づき商品作物の生産・加工等を行う市場志向型農業手法の導入及び関係政府機関間の連携強化を通じて、同国の小規模農家の持続可能な経済的自立を促すものです。
- 我が国は、2022年(令和4年)8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)において、食料危機対応・持続可能な農業生産のために取り組むことを表明しており、今回の協力はこれを具体化するものです。
11月20日(現地時間同日)、ジンバブエ共和国の首都ハラレにおいて、山中晋一駐ジンバブエ共和国日本国特命全権大使と、バーバラ・クレメンス・国連世界食糧計画(WFP)ジンバブエ事務所長(Ms. Barbara Clemens, WFP Zimbabwe Representative and Country Director)との間で、供与額7.92億円の無償資金協力「気候変動に対する強靱性向上及び持続可能な農業の導入による小規模農家のための生計支援計画(WFP連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました。
ジンバブエ共和国の面積は約38.6万平方キロメートル、人口は約1,665万人(2023年)、世界銀行)、人口1人あたり国民総所得(GNI)は約1,740ドル(2023年、世界銀行)。