日EUデジタルパートナーシップ第3回閣僚級会合を開催しました

5.13 (火) 01:56
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5月12日(月曜日)、経済産業省、デジタル庁及び総務省は、欧州委員会との間で、日EUデジタルパートナーシップ第3回閣僚級会合を開催しました。

本会合の概要

日本側は平デジタル大臣、阿達総務副大臣、竹内経済産業大臣政務官が、EU側はヘンナ・ヴィルックネン欧州委員会上級副委員長(技術主権・安全保障・民主主義担当)が共同議長を務めました。同会合において、日本側の3省庁とEUとの議論の成果として、共同声明を発表しました。

共同声明のポイントは以下のとおりです。

1.研究及びイノベーションにおける協力を進めることにより、新興技術分野での競争力、イノベーション及び強靭性を強化する

  • 半導体
    双方は、半導体製造におけるPFAS等の化学物質の安全で持続可能な代替品の発見、ヘテロジニアス・インテグレーション ※1 及びチップレット、さらにビヨンド2nmデバイス・プロセス技術に関する共同研究への関心を確認した。双方は、これらのテーマに関する共同研究の機会を近い将来に追求することにコミットする。
  • 5G、Beyond 5G/6G
    2025年4月に日EU国際共同研究プロジェクト「6G MIRAI-HARMONY」を開始した。双方は、共同研究プロジェクトの重要性を認識し、プロジェクトの進展を考慮しつつ、将来におけるBeyond 5G/6Gに関する更なる共同研究の検討について確認した。
    5Gに関し、双方は、両者におけるオープンRANの開発の進展を認識しつつ、オープンで安全なネットワーク並びに安全で多様なサプライチェーンを促進することの重要性を再確認した。
  • 量子技術
    双方は、学術及び産業分野における先端的なアルゴリズム及びプログラムコードを対象とした量子コンピューティングに関する共同研究プロジェクトのための重点型研究公募の開始を歓迎した。また、双方は、欧州連合を代表する欧州委員会と日本の内閣府との間の量子科学技術分野における協力強化の趣意書への署名を歓迎し、同分野における協力の更なる深化に向けた意欲を共有した。双方は、採択がなされた研究プロジェクト及びその協力の成果に期待を示すとともに、量子通信技術に関する意見交換を歓迎した。
※1 ヘテロジニアス・インテグレーション:異なる種類の半導体チップを、一つのパッケージに収めるための製造技術。

2.人間中心かつ価値観を基礎としたアプローチのため、グローバルなデジタル・ガバナンスの形成とイノベーションを主導する

  • 人工知能(AI)
    双方は、イノベーションの促進及び安全、安心で信頼できるAIの推進に対する共通のコミットメントを再確認するとともに、AIに関する更なる協力のための合意文書の締結に向けて取り組むことを確認した。
    双方は、広島AIプロセスの成果を更に推進し、G7を超えてそのアウトリーチを拡大すると共に、国際的なAIガバナンスの取組において情報交換を継続する必要性を再確認した。
  • デジタル・アイデンティティ/トラストサービス
    双方は、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の実装に資するべく、デジタル・アイデンティティとトラストサービスに関する協力覚書の実施を継続するとともに、具体的なユースケースに向けた進展を歓迎した。デジタル・アイデンティティとトラストサービスを通じた学修歴証明の相互運用と相互承認に向けて、技術的な実現可能性を評価するために開始するパイロットプロジェクトの基礎となるスコーピングドキュメントが策定されたことを双方は歓迎する。
  • データガバナンス
    双方は、データ共有の改善のため、共同作業部会の設置に向けた意見交換を開始した。この作業部会は、産業界等の民間部門の参加も得て、例えば自動車分野における共通の欧州データスペースと日本のデータスペースの相互運用性を含む、データ共有の改善に関する実践的な議論を促進することが予定されている。双方は、より強靭で信頼性の高いサプライチェーンの構築のための手段として、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を強化する施策を模索することを想定する。
  • 個人データ保護
    双方は、EUによる日本への十分性認定の対象範囲を学術研究分野及び公的部門に拡大するための協議が着実に進展していることを確認した。双方は、共同プレス声明において、本協議が、特に学術研究分野において大きく進展しており、迅速に妥結させることを視野に入れ、今後数箇月以内に協議を更に進展させていく決意を確認したことを歓迎した。
  • オンラインプラットフォーム
    双方は、利用者の基本的権利が保護される安全なオンライン環境を確保することへのコミットメントを改めて強調し、 効果的なオンラインプラットフォームガバナンスに関する定期的な意見交換を行った。また、双方は、総務省と欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局との間の議論における協力を深める意向を確認した。
    双方は、日本の「スマホソフトウェア競争促進法」とEUの「デジタル市場法」に関する定期的な実務的交流を通じて、公正でコンテスタブルなデジタル市場の促進に向けた緊密な協力を継続してきた。
    双方は、公正取引委員会並びに欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局及び欧州委員会競争総局の間における行政協定の締結に取り組んでいくことで、協力関係を深化・正式化する意向を確認した。

3.デジタルの重要技術における強靭性を促進することにより、経済安全保障を強化する

  • サイバーセキュリティ
    本閣僚級会合においては、特に、EUのサイバーレジリエンス法及び日本のIoT製品に対するセキュリティラベリング制度(JC-STAR)の基準策定における専門家間の協力を歓迎し、日本及びEU市場における製品セキュリティの実施を促進することを確認した。また、IoT製品のサイバーセキュリティを包括的に対処するためには、サイバー脅威の技術的および非技術的な側面の両方を考慮する必要があることを認識した。
    そのほか双方は、SBOMグローバル共同ガイダンスやインド太平洋地域向けのサイバーセキュリティ演習についてさらに協力する。
    双方は、次回サイバー対話のブリュッセル開催及び2025年の国際的なサイバー競技会「International Cybersecurity Challenge」の東京開催を歓迎した。
  • 海底ケーブル
    双方は、安全で強靱かつ持続可能なグローバル接続性のための海底ケーブルに関する協力覚書の実施を強化した。双方は、啓発活動、(リソースに応じた)財政支援、需要の集約、及び必要に応じた関連する行政手続きの円滑化を含む支援活動を通じて、海底ケーブルに関する協力覚書の実施を継続する意図を確認した。
  • 半導体
    半導体の経済安全保障の観点から、双方は半導体に関する協力覚書の実施を強化した。双方は、非市場的政策・慣行によってもたらされるリスクに取り組むことを含め、確立された共同メカニズムやG7半導体コンタクト(PoC)グループを通じて、強靭で信頼性の高い半導体サプライチェーンを維持するための協力をさらに継続する意向を確認した。

4.日EUデジタルパートナーシップに基づくデジタル技術における共同主導の協力的な道筋

日本とEUは、第3回日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合で特定された全ての分野において活動を継続する。
双方は、2026年にブリュッセルで開催予定の第4回日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合においても、今次会合同様に進捗を確認する意向を表明した。

  • 画像a
  • 画像b
会合の様子

関連資料

担当

商務情報政策局 国際室長 立石
担当者:坂本、青山
電話:03-3501-1511(内線 3991)
メール:bzl-s-shojo-kokusai★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。

5月12日(月曜日)、経済産業省、デジタル庁及び総務省は、欧州委員会との間で、日EUデジタルパートナーシップ第3回閣僚級会合を開催しました。

本会合の概要

日本側は平デジタル大臣、阿達総務副大臣、竹内経済産業大臣政務官が、EU側はヘンナ・ヴィルックネン欧州委員会上級副委員長(技術主権・安全保障・民主主義担当)が共同議長を務めました。同会合において、日本側の3省庁とEUとの議論の成果として、共同声明を発表しました。

共同声明のポイントは以下のとおりです。

1.研究及びイノベーションにおける協力を進めることにより、新興技術分野での競争力、イノベーション及び強靭性を強化する

  • 半導体
    双方は、半導体製造におけるPFAS等の化学物質の安全で持続可能な代替品の発見、ヘテロジニアス・インテグレーション ※1 及びチップレット、さらにビヨンド2nmデバイス・プロセス技術に関する共同研究への関心を確認した。双方は、これらのテーマに関する共同研究の機会を近い将来に追求することにコミットする。
  • 5G、Beyond 5G/6G
    2025年4月に日EU国際共同研究プロジェクト「6G MIRAI-HARMONY」を開始した。双方は、共同研究プロジェクトの重要性を認識し、プロジェクトの進展を考慮しつつ、将来におけるBeyond 5G/6Gに関する更なる共同研究の検討について確認した。
    5Gに関し、双方は、両者におけるオープンRANの開発の進展を認識しつつ、オープンで安全なネットワーク並びに安全で多様なサプライチェーンを促進することの重要性を再確認した。
  • 量子技術
    双方は、学術及び産業分野における先端的なアルゴリズム及びプログラムコードを対象とした量子コンピューティングに関する共同研究プロジェクトのための重点型研究公募の開始を歓迎した。また、双方は、欧州連合を代表する欧州委員会と日本の内閣府との間の量子科学技術分野における協力強化の趣意書への署名を歓迎し、同分野における協力の更なる深化に向けた意欲を共有した。双方は、採択がなされた研究プロジェクト及びその協力の成果に期待を示すとともに、量子通信技術に関する意見交換を歓迎した。
※1 ヘテロジニアス・インテグレーション:異なる種類の半導体チップを、一つのパッケージに収めるための製造技術。

2.人間中心かつ価値観を基礎としたアプローチのため、グローバルなデジタル・ガバナンスの形成とイノベーションを主導する

  • 人工知能(AI)
    双方は、イノベーションの促進及び安全、安心で信頼できるAIの推進に対する共通のコミットメントを再確認するとともに、AIに関する更なる協力のための合意文書の締結に向けて取り組むことを確認した。
    双方は、広島AIプロセスの成果を更に推進し、G7を超えてそのアウトリーチを拡大すると共に、国際的なAIガバナンスの取組において情報交換を継続する必要性を再確認した。
  • デジタル・アイデンティティ/トラストサービス
    双方は、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の実装に資するべく、デジタル・アイデンティティとトラストサービスに関する協力覚書の実施を継続するとともに、具体的なユースケースに向けた進展を歓迎した。デジタル・アイデンティティとトラストサービスを通じた学修歴証明の相互運用と相互承認に向けて、技術的な実現可能性を評価するために開始するパイロットプロジェクトの基礎となるスコーピングドキュメントが策定されたことを双方は歓迎する。
  • データガバナンス
    双方は、データ共有の改善のため、共同作業部会の設置に向けた意見交換を開始した。この作業部会は、産業界等の民間部門の参加も得て、例えば自動車分野における共通の欧州データスペースと日本のデータスペースの相互運用性を含む、データ共有の改善に関する実践的な議論を促進することが予定されている。双方は、より強靭で信頼性の高いサプライチェーンの構築のための手段として、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を強化する施策を模索することを想定する。
  • 個人データ保護
    双方は、EUによる日本への十分性認定の対象範囲を学術研究分野及び公的部門に拡大するための協議が着実に進展していることを確認した。双方は、共同プレス声明において、本協議が、特に学術研究分野において大きく進展しており、迅速に妥結させることを視野に入れ、今後数箇月以内に協議を更に進展させていく決意を確認したことを歓迎した。
  • オンラインプラットフォーム
    双方は、利用者の基本的権利が保護される安全なオンライン環境を確保することへのコミットメントを改めて強調し、 効果的なオンラインプラットフォームガバナンスに関する定期的な意見交換を行った。また、双方は、総務省と欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局との間の議論における協力を深める意向を確認した。
    双方は、日本の「スマホソフトウェア競争促進法」とEUの「デジタル市場法」に関する定期的な実務的交流を通じて、公正でコンテスタブルなデジタル市場の促進に向けた緊密な協力を継続してきた。
    双方は、公正取引委員会並びに欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局及び欧州委員会競争総局の間における行政協定の締結に取り組んでいくことで、協力関係を深化・正式化する意向を確認した。

3.デジタルの重要技術における強靭性を促進することにより、経済安全保障を強化する

  • サイバーセキュリティ
    本閣僚級会合においては、特に、EUのサイバーレジリエンス法及び日本のIoT製品に対するセキュリティラベリング制度(JC-STAR)の基準策定における専門家間の協力を歓迎し、日本及びEU市場における製品セキュリティの実施を促進することを確認した。また、IoT製品のサイバーセキュリティを包括的に対処するためには、サイバー脅威の技術的および非技術的な側面の両方を考慮する必要があることを認識した。
    そのほか双方は、SBOMグローバル共同ガイダンスやインド太平洋地域向けのサイバーセキュリティ演習についてさらに協力する。
    双方は、次回サイバー対話のブリュッセル開催及び2025年の国際的なサイバー競技会「International Cybersecurity Challenge」の東京開催を歓迎した。
  • 海底ケーブル
    双方は、安全で強靱かつ持続可能なグローバル接続性のための海底ケーブルに関する協力覚書の実施を強化した。双方は、啓発活動、(リソースに応じた)財政支援、需要の集約、及び必要に応じた関連する行政手続きの円滑化を含む支援活動を通じて、海底ケーブルに関する協力覚書の実施を継続する意図を確認した。
  • 半導体
    半導体の経済安全保障の観点から、双方は半導体に関する協力覚書の実施を強化した。双方は、非市場的政策・慣行によってもたらされるリスクに取り組むことを含め、確立された共同メカニズムやG7半導体コンタクト(PoC)グループを通じて、強靭で信頼性の高い半導体サプライチェーンを維持するための協力をさらに継続する意向を確認した。

4.日EUデジタルパートナーシップに基づくデジタル技術における共同主導の協力的な道筋

日本とEUは、第3回日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合で特定された全ての分野において活動を継続する。
双方は、2026年にブリュッセルで開催予定の第4回日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合においても、今次会合同様に進捗を確認する意向を表明した。

  • 画像a
  • 画像b
会合の様子

関連資料

担当

商務情報政策局 国際室長 立石
担当者:坂本、青山
電話:03-3501-1511(内線 3991)
メール:bzl-s-shojo-kokusai★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。

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