- 対象案件の概要
- 「経済改革及び気候変動に対する強靱性強化のための開発政策借款」(供与限度額600.00億円)
バングラデシュは、国際情勢に起因する物価高騰や、気候変動によって増大する自然災害等の国際的な複合的リスクの影響を受けています。
この協力は、昨年(2024年)8月に発足した暫定政権が取り組む各種経済改革や気候変動対策を後押しすべく、同国政府に対して財政支援を行うものです。この協力により、同国における持続可能な経済成長の加速化及び社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。 - 「ジョイデプール-イシュルディ間鉄道複線化計画(第1期)」(供与限度額920.77億円)
バングラデシュでは、近年の旅客・貨物の急激な需要拡大に伴い、路線容量を超過した本数の列車運行が常態化し、遅延が頻発することで円滑な交通・流通に支障が出ています。
この協力は、ジョイデプール駅からイシュルディ駅間の鉄道複線化を行うための資金を融資するものであり、第1期は、ジョイデプールからジャムナ鉄道専用橋までの東側区間を対象とします。この協力により、同国の鉄道輸送能力の強化を図り、もって国内及び周辺国との連結性向上に寄与することが期待されます。
- 「経済改革及び気候変動に対する強靱性強化のための開発政策借款」(供与限度額600.00億円)
- 供与条件
- 上記1(1)
- 金利:年2.00%
- 償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
- 調達条件:アンタイド
- 上記1(2)
- 金利:年2.00%(コンサルティングサービス部分は年0.65%)
- 償還期間:30年(10年の据置期間を含む)
- 調達条件:アンタイド
- 上記1(1)
5月30日、東京において、生稲晃子外務大臣政務官及びモハマド・ユヌス・バングラデシュ人民共和国暫定政権首席顧問(H.E. Professor Muhammad Yunus, Chief Advisor of the Interim Government of the People's Republic of Bangladesh)立ち会いの下、齋田伸一駐バングラデシュ人民共和国日本国特命全権大使と、ムハンマド・ダウド・アリ・駐日バングラデシュ人民共和国特命全権大使(H.E. Mr. Md. Daud ALI, Ambassador Extraordinary and Plenipotentiary of the People’s Republic of Bangladesh to Japan)との間で、総額1,520.77億円を限度とする円借款2件に関する書簡の署名・交換が行われました。
(参考1)円借款
開発途上国に対して必要な資金を緩やかな条件(低い金利や長い返済期間)で貸し付ける協力。開発途上国にとっては、日本への返済を前提とした資金であり、効果的な活用や自立的発展に繋がることが期待される。
(参考2)バングラデシュ人民共和国基礎データ
バングラデシュ人民共和国は、面積約14万7千平方キロメートル(日本の約4割)、人口約1.71億人(2023年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)2,860米ドル(2023年、世界銀行)。