- アフガニスタンと国境を接するウズベキスタンのスルハンダリア州の中心的な産業は農業であり、就労人口の約60%が農業に従事しています。しかし、農業関連の設備・機材が老朽化しており、生産性が必ずしも高くなく、失業率は約11%と国内平均より高い水準にあります。また、同州には約1.5万人のアフガニスタンからの移民が生活しており、雇用問題を含めた地域への融合のあり方が課題になっています。
- この協力は、ウズベキスタン人の若者や女性、同州在住のアフガニスタンからの移民、アフガニスタン在住のアフガニスタン人女性等の脆弱層を対象に、水耕栽培に加えIT等の市場経済に即した職業訓練や起業家育成に向けた支援を行うことで、脆弱層の経済的自立や就労機会の創出を図り、同州の経済活性化及び社会安定化につながることが期待されます。
- 我が国は、令和4年12月、「中央アジア+日本」対話・第9回外相会合において、自由で開かれた中央アジアにおける持続可能な発展を達成するため、「人への投資」と「成長の質」を重視した新しいモデルに沿った協力を確立し発展させることを表明しました。今回の協力は、この双方を具体化するものです。
8月27日(現地時間同日)、ウズベキスタン共和国の首都タシケントにおいて、羽鳥隆駐ウズベキスタン共和国日本国特命全権大使と、藤井明子国際連合開発計画(UNDP)ウズベキスタン事務所常駐代表(Ms. FUJII Akiko, Resident Representative of the United Nations Development Programme (UNDP) Uzbekistan)との間で、供与額4.96億円の無償資金協力「スルハンダリア州におけるアフガニスタン人を含む脆(ぜい)弱層の自立支援計画(UNDP連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました。
(参考)ウズベキスタン共和国基礎データ
ウズベキスタン共和国は、面積約44.7万平方メートル(日本の約1.2倍の大きさ)、人口約3,710万人(2025年、国連人口基金)、1人当たり国民総所得(GNI)は3,020米ドル(2024年、世界銀行)。