岩屋外務大臣臨時会見記録 (8月27日17時39分)

8.27 (水) 23:40
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1 冒頭発言

 今回、日本の外務大臣として3年ぶりに、そして私にとりましては初めて、カザフスタン及びウズベキスタンを訪問いたしました。
 カザフスタンでは、ヌルトレウ副首相兼外務大臣から非常に温かい歓迎を頂きました。外相会談では、持続可能な発展や核軍縮・不拡散などの分野におきまして、協力を深化させることを確認いたしました。また、鉱物資源や日本企業の誘致など経済分野における協力を通じて、二国間の関係を一層発展させていくことで一致をみたところでございます。
 さらに、ロシア・ウクライナ情勢や東アジア情勢といった地域情勢、国際情勢についても率直な意見交換を行いました。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持し、強化していくべく、共に取り組んでいくことを確認したところでございます。
 この他、トカエフ大統領への表敬を行い、カザフスタンにおける核実験被害者への支援を目的とする無償資金協力「経済社会開発計画」への署名などを実施したところでございます。
 次に訪問したウズベキスタンにおいても、サイードフ外務大臣から、大変心のこもった歓迎を頂きました。そして、先ほど、同大臣との間で、初となる日・ウズベキスタン外相戦略対話を実施しました。
 今回の訪問を通じ、ウズベキスタンとの間で、政治や経済、開発協力といった様々な分野における協力を一層強化することで一致しました。また、ここでも法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するための戦略的パートナーとして、緊密に今後とも連携していくことを確認しました。そして、両国間の今後の協力の方向性を示す共同コミュニケに署名をしたところでございます。
 さらに、この機会に、2件の無償資金協力に関する文書が署名されました。一つは若手行政官の日本留学を支援する案件であります。もう一つはアフガニスタン国境地域の脆弱層の自立を支援する案件です。こうした事業を通じ、我が国は、ウズベキスタンの持続可能な発展を引き続き支援して参ります。
 本日午後には、ミルジヨーエフ・ウズベキスタン大統領を表敬いたしました。同大統領からは、日本との関係強化に対する高い期待が示されました。私からは、本日初めて実施した日・ウズベキスタン外相戦略対話も契機として、ウズベキスタンとの関係を一層発展させていきたいということをお伝えしたところでございます。
 昨年開催が延期された初めての「中央アジア+日本」対話・首脳会合については、両国外相との間で、可能な限り早期に開催すべく調整を加速化することで一致をいたしました。この首脳会合を早期に実現をして、日本と中央アジアの協力のレベルを更に高みに引き上げていきたいと考えております。
 国際情勢が大きく変化する中で、今回の訪問を通じ、中央アジアの地政学的な重要性がますます高まっているということを実感いたしました。我が国として、「中央アジア+日本」対話の枠組みなどを通じまして、中央アジア諸国との関係を一層発展させていきたいと思います。

質疑応答

(記者)岩屋大臣はカザフスタンとウズベキスタンでそれぞれ外相会談を行いました。今回の外遊の成果と今回の外遊を今後にどうつなげていかれたいか教えてください。また、昨年延期となった中央アジアとの首脳会合が実施される時期や場所についての調整状況を教えてください。

(大臣)国際情勢が大きく変化する中、今回の訪問を通じ、日本として、「中央アジア+日本」対話の枠組みなどを通じて中央アジアとの関係を更に強化していく強い意思を示すことができました。また、カザフスタン、ウズベキスタン両国との間で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に堅持していくことの重要性を確認することができました。
 さらに、両国政府や現地の日本の関係者の皆様との意見交換を通じて、日本と中央アジアとの間の歴史に裏付けされた強い絆を感じました。また、連結性の強化が必要といった課題も存在しますが、経済、貿易分野などでの高い潜在性、ポテンシャルも実感しました。これを是非今後の取組を通じて生かしていきたい、しっかりと実現をさせていきたいと思います。今回の訪問のフォローアップを通じて、戦略的パートナーである両国との更なる関係強化を図っていきます。
 「中央アジア+日本」対話・首脳会合については、冒頭で述べたとおり、カザフスタン、ウズベキスタン両国の外相と、この首脳会合を可能な限り早期に開催すべく一致をみました。その調整を加速化させていきたいと思います。この首脳会合を早期に実現し、日本と中央アジアとの協力のレベルをしっかりと高みに引き上げられるよう、全力を尽くしていく考えです。

(記者)今回の外遊では、ロシアのウクライナ侵攻について、カザフスタンとウズベキスタンの大統領らと意見交換をされました。各要人に大臣からどのように日本の考え方を伝えられたのか、また今後日本として、どう対応していくのか教えてください。

(大臣)ロシアによるウクライナ侵略は明らかな国際法違反であり、力による一方的な現状変更は許されないというこの日本の立場を明確にお伝えさせていただきました。そして両国との間で国連憲章を含む国際法の諸原則を中心とした法の支配の重要性について一致しました。
 いずれにしても今停戦あるいは和平に向けての様々な外交的な取組が行われておりますが、そこから誤った教訓が引き出されるということはあってはならない、それはインド太平洋世界全体の安全保障に極めて深刻な影響を与えると考えております。我が国としては、引き続き、ウクライナの公正かつ永続的な平和の一日も早い実現に向け、ロシアの前向きな対応を強く求めるとともに、国際社会と緊密に連携して取り組んでまいります。

(記者)政務についてお伺いします。自民党総裁選挙管理委員会は本日の会合で、総裁選前倒しの是非をめぐる意思確認について、前倒しに賛成する党所属国会議員と都道府県連の対象に記名回答を求め、事後に公表すると決定しました。意思確認は参院選総括が報告される9月2日の両院議員総会後の同月上旬に実施される予定です。今後、総理はモディ首相の来日や9月には国連総会、10月にはAPECの出席と外交日程が予定されています。総裁選前倒しの是非と今後の外交日程に与える影響を教えてください。

(大臣)総裁選については、党則にしたがって運営されるものであり、粛々と議論が進んでいくと思いますので、外務大臣の立場でお答えすることは差し控えたい。
 その上で、先日は、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が訪日されたほか、8月29日から30日までインドのモディ首相が訪日されます。また、9月には国連総会が開催されます。10月にはAPECの会合も開催されます。今後も重要な外交日程が続いていきます。こうした中にあって、国政の停滞、外交の停滞を招くことがあってはならないと私は強く考えております。我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な状況にあり、国際情勢も日々刻々と移り変わっております。今大事なことは安定的で継続的な外交・安全保障政策を進めていくことが、国家国民にとって最優先の課題でると思っておりますので、その使命を果たすために全力を尽くしていきたいと考えております。


1 冒頭発言

 今回、日本の外務大臣として3年ぶりに、そして私にとりましては初めて、カザフスタン及びウズベキスタンを訪問いたしました。
 カザフスタンでは、ヌルトレウ副首相兼外務大臣から非常に温かい歓迎を頂きました。外相会談では、持続可能な発展や核軍縮・不拡散などの分野におきまして、協力を深化させることを確認いたしました。また、鉱物資源や日本企業の誘致など経済分野における協力を通じて、二国間の関係を一層発展させていくことで一致をみたところでございます。
 さらに、ロシア・ウクライナ情勢や東アジア情勢といった地域情勢、国際情勢についても率直な意見交換を行いました。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持し、強化していくべく、共に取り組んでいくことを確認したところでございます。
 この他、トカエフ大統領への表敬を行い、カザフスタンにおける核実験被害者への支援を目的とする無償資金協力「経済社会開発計画」への署名などを実施したところでございます。
 次に訪問したウズベキスタンにおいても、サイードフ外務大臣から、大変心のこもった歓迎を頂きました。そして、先ほど、同大臣との間で、初となる日・ウズベキスタン外相戦略対話を実施しました。
 今回の訪問を通じ、ウズベキスタンとの間で、政治や経済、開発協力といった様々な分野における協力を一層強化することで一致しました。また、ここでも法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するための戦略的パートナーとして、緊密に今後とも連携していくことを確認しました。そして、両国間の今後の協力の方向性を示す共同コミュニケに署名をしたところでございます。
 さらに、この機会に、2件の無償資金協力に関する文書が署名されました。一つは若手行政官の日本留学を支援する案件であります。もう一つはアフガニスタン国境地域の脆弱層の自立を支援する案件です。こうした事業を通じ、我が国は、ウズベキスタンの持続可能な発展を引き続き支援して参ります。
 本日午後には、ミルジヨーエフ・ウズベキスタン大統領を表敬いたしました。同大統領からは、日本との関係強化に対する高い期待が示されました。私からは、本日初めて実施した日・ウズベキスタン外相戦略対話も契機として、ウズベキスタンとの関係を一層発展させていきたいということをお伝えしたところでございます。
 昨年開催が延期された初めての「中央アジア+日本」対話・首脳会合については、両国外相との間で、可能な限り早期に開催すべく調整を加速化することで一致をいたしました。この首脳会合を早期に実現をして、日本と中央アジアの協力のレベルを更に高みに引き上げていきたいと考えております。
 国際情勢が大きく変化する中で、今回の訪問を通じ、中央アジアの地政学的な重要性がますます高まっているということを実感いたしました。我が国として、「中央アジア+日本」対話の枠組みなどを通じまして、中央アジア諸国との関係を一層発展させていきたいと思います。

質疑応答

(記者)岩屋大臣はカザフスタンとウズベキスタンでそれぞれ外相会談を行いました。今回の外遊の成果と今回の外遊を今後にどうつなげていかれたいか教えてください。また、昨年延期となった中央アジアとの首脳会合が実施される時期や場所についての調整状況を教えてください。

(大臣)国際情勢が大きく変化する中、今回の訪問を通じ、日本として、「中央アジア+日本」対話の枠組みなどを通じて中央アジアとの関係を更に強化していく強い意思を示すことができました。また、カザフスタン、ウズベキスタン両国との間で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に堅持していくことの重要性を確認することができました。
 さらに、両国政府や現地の日本の関係者の皆様との意見交換を通じて、日本と中央アジアとの間の歴史に裏付けされた強い絆を感じました。また、連結性の強化が必要といった課題も存在しますが、経済、貿易分野などでの高い潜在性、ポテンシャルも実感しました。これを是非今後の取組を通じて生かしていきたい、しっかりと実現をさせていきたいと思います。今回の訪問のフォローアップを通じて、戦略的パートナーである両国との更なる関係強化を図っていきます。
 「中央アジア+日本」対話・首脳会合については、冒頭で述べたとおり、カザフスタン、ウズベキスタン両国の外相と、この首脳会合を可能な限り早期に開催すべく一致をみました。その調整を加速化させていきたいと思います。この首脳会合を早期に実現し、日本と中央アジアとの協力のレベルをしっかりと高みに引き上げられるよう、全力を尽くしていく考えです。

(記者)今回の外遊では、ロシアのウクライナ侵攻について、カザフスタンとウズベキスタンの大統領らと意見交換をされました。各要人に大臣からどのように日本の考え方を伝えられたのか、また今後日本として、どう対応していくのか教えてください。

(大臣)ロシアによるウクライナ侵略は明らかな国際法違反であり、力による一方的な現状変更は許されないというこの日本の立場を明確にお伝えさせていただきました。そして両国との間で国連憲章を含む国際法の諸原則を中心とした法の支配の重要性について一致しました。
 いずれにしても今停戦あるいは和平に向けての様々な外交的な取組が行われておりますが、そこから誤った教訓が引き出されるということはあってはならない、それはインド太平洋世界全体の安全保障に極めて深刻な影響を与えると考えております。我が国としては、引き続き、ウクライナの公正かつ永続的な平和の一日も早い実現に向け、ロシアの前向きな対応を強く求めるとともに、国際社会と緊密に連携して取り組んでまいります。

(記者)政務についてお伺いします。自民党総裁選挙管理委員会は本日の会合で、総裁選前倒しの是非をめぐる意思確認について、前倒しに賛成する党所属国会議員と都道府県連の対象に記名回答を求め、事後に公表すると決定しました。意思確認は参院選総括が報告される9月2日の両院議員総会後の同月上旬に実施される予定です。今後、総理はモディ首相の来日や9月には国連総会、10月にはAPECの出席と外交日程が予定されています。総裁選前倒しの是非と今後の外交日程に与える影響を教えてください。

(大臣)総裁選については、党則にしたがって運営されるものであり、粛々と議論が進んでいくと思いますので、外務大臣の立場でお答えすることは差し控えたい。
 その上で、先日は、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が訪日されたほか、8月29日から30日までインドのモディ首相が訪日されます。また、9月には国連総会が開催されます。10月にはAPECの会合も開催されます。今後も重要な外交日程が続いていきます。こうした中にあって、国政の停滞、外交の停滞を招くことがあってはならないと私は強く考えております。我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な状況にあり、国際情勢も日々刻々と移り変わっております。今大事なことは安定的で継続的な外交・安全保障政策を進めていくことが、国家国民にとって最優先の課題でると思っておりますので、その使命を果たすために全力を尽くしていきたいと考えております。


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