岩屋外務大臣会見記録 (8月8日13時45分)

8.8 (金) 16:40
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冒頭発言

日・ペルー外相会談

【岩屋外務大臣】8月6日から10日まで、大阪・関西万博ナショナルデーの機会に、ペルーのボルアルテ大統領が訪日されておられます。私(岩屋大臣)は、大統領に同行して訪日中のシアレル外相との間で、本日夕方に、外相会談を行う予定です。
 日本とペルーは、150年以上の友好関係を有し、価値や原則を共有する戦略的なパートナーです。この機会にペルーとの関係を一層強化すべく、二国間関係や地域・国際情勢などについても、議論を行いたいと考えております。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

日米関税協議

【NHK 川村記者】関税の関連でお尋ねします。赤澤大臣は、訪問先のワシントンで、さきの日米合意の内容が反映されずに、一律15%の関税が上乗せされる状況になっていることについて、米側から大統領令を適時修正する措置をとると説明があったと明らかにしました。また、同じタイミングで、自動車などの関税を下げるための大統領令を発出することも確認したと説明しました。大臣の受け止めをお願いします。

【岩屋外務大臣】現在訪米中の赤澤大臣ですが、米側の閣僚との間で、今般の日米間の合意の内容を改めて確認をした上で、その誠実かつ速やかな実施が重要であることを確認しております。
 7日から、相互関税に関する新たな大統領令の適用が開始されていますが、これまでの協議を通じて、相互関税に係る合意の内容についての、日米間の認識に齟齬はありません。すなわち、既存の関税率が15%以上の品目には課されず、15%未満の品目については、既存の関税率を含め15%が課される。全部15%にそろうということですね。この認識に、日米双方の齟齬はありません。赤澤大臣は、この点について米側の閣僚との間で、改めて繰り返し、このことを確認したところです。
 相互関税に関する大統領令を発出する際の、米側内部の事務処理に当たって、日米間の合意に沿っていない内容の大統領令が発出され、適用が開始されたことは、極めて遺憾であります。この点に関して、米側の閣僚からも、今回の米側の手続きは遺憾であったとの認識の表明があったところです。
 その上で、訪米中の赤澤大臣に対して、米側から、今後適時に相互関税に関する大統領令を修正する措置をとること、及び、その際には、8月7日以降に徴収される相互関税のうち、日米間の合意の内容を上回る部分については、7日に遡って払い戻す、すなわち、「遡及効」を有する、こととするとの説明がありました。
 さらに、米側が、相互関税に関する大統領令を修正する措置をとるのと同じタイミングで、自動車・自動車部品の関税を引き下げる大統領令を発出することも、確認をしたところです。
 引き続き、米側に対しては、可及的速やかに、相互関税に関する大統領令を修正する措置をとるよう、また自動車・自動車部品の関税を引き下げる大統領令を発出するように、あらゆる形で強く申し入れてまいりたいと考えています。

日露関係(旧ソ連の対日参戦、北方領土問題)

【産経新聞 松本記者】明日9日で、旧ソ連の対日参戦から80年になります。改めてではありますが、当時の日ソ中立条約に反した対日参戦という軍事行動を、日本政府として、どのように評価しているかお聞かせください。また、現在でも北方四島では、ロシアによる不法占拠が続いています。ロシアによるウクライナ侵略の影響で、日露関係は厳しい状況にありますが、北方領土問題の解決のために、今後どのような取組を重ねていくお考えか、お聞かせください。

【岩屋外務大臣】1945年の8月9日の当時のソ連による対日参戦は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に、明白に違反をするものです。また、ソ連は、対日参戦した上で、我が国が、ポツダム宣言を受諾して降伏の意思を明確に示した後も攻撃を続け、我が国固有の領土である北方四島を占領いたしました。
 このような経緯に鑑みれば、ロシア政府による対日参戦を正当化する主張は、全く受け入れられるものではございません。
 不当なソ連の対日参戦に関するロシア政府の独善的な主張は、受け入れられないものです。
 北方領土の解決に向けてですけれども、ロシアによるウクライナの侵略後、2022年3月に、ロシア側が平和条約交渉を継続しないということを一方的に表明いたしました。その後も、その再開に全く応じていないために、遺憾ながら、現在、平和条約交渉の見通しについて、具体的に申し上げられる状況にはございません。
 しかし、政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するという方針を堅持してまいります。日露関係は、引き続き、厳しい状況にありますが、日露両国間での必要な意思疎通は続けていく考えであります。事態の打開に向けて、ロシア側と粘り強く、やり取りを続けていきたいと考えております。

TICAD 9

【日経新聞 馬場記者】TICADについてお伺いします。日本は、アフリカとの開発会議を他国に先んじて始め、30年以上の歴史を持ちます。アフリカに対しては、巨額の投資による「債務の罠」などが指摘される中、日本は各国に合った丁寧な支援を続けてきました。その歴史の重みや日本ならではの強みについて、ご見解をお伺いします。また、TICADは政府間の連携だけでなく、民間企業のマッチングの場にもなりつつあります。日本企業の進出や日・アフリカ企業の協力に、TICADがどのような役割を果たすか併せてお伺いします。

【岩屋外務大臣】いよいよTICAD 9が近づいてまいりました。我が国が1993年に始めたTICADですが、国際社会の中で、アフリカへの関心を喚起する起点となってきたと思います。
 そして、アフリカ開発に関する国際会議として、先駆的な役割を果たしてきたと思います。その後、いろいろな国による、同様の会議も立ち上げられましたが、まさに日本が、そのスタートを切ったということだったと思います。アフリカ自身のオーナーシップ、そして、国際社会によるパートナーシップに基づいて、過去30年以上、アフリカ自身が主導する持続可能な開発を、おっしゃっていただいたように、丁寧に後押しをしてまいりました。このことはまさに、日本のTICADならではの強みであると考えております。
 本年4月、私(岩屋大臣)は、セネガルを訪問させていただきました。そこで、職業訓練センターも視察させていただきましたが、そのときに先方から、日本の支援は、魚を与えるのではなくて魚の捕り方を教える、そういう日本の開発モデルは模範であるという、高い評価をいただきました。資金や物資の提供のみではなくて、何より大事な人材を育成する、そして、一緒に問題解決、課題解決に取り組むというのが、日本の取組の特徴だと考えております。
 来る20日からのTICAD 9では、「革新的な課題解決策の共創」、共に創るというテーマの下に、AIやDXを含む日本の技術や知見を生かしながら、日本とアフリカ双方の繁栄につながるような課題解決策を、共に創り上げる機会にしていきたいと考えております。アフリカ各国も成長してきておりますので、一方的に援助する、支援をするということではなくて、共に課題解決策を創り上げていく、そういう機会にしていきたいと思っておりまして、会議全体を通じて、多くの民間企業と連携して、民間セクター主導の持続可能な成長を後押ししていきたいと考えております。
 「官民ビジネス対話」、それから「協力文書」、相当の数の協力文書ができあがりますが、この披露式典、そして、期間中に行われる約300のブースによる展示、200以上のテーマ別イベントなどを通じ、日本とアフリカ双方の官と民、そして民間企業同士がつながる多様な機会を提供したいと考えております。今度のTICAD 9が、日本とアフリカの新たな連携、そしてビジネス展開を強化する、そういう機会になるようにしていきたいと考えております。

靖国神社への参拝

【共同通信 阪口記者】来週15日で終戦80年を迎えます。終戦80年に合わせて、岩屋さん自身が靖国神社への参拝であったり、玉串料を奉納する予定があるのかお尋ねします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】参拝、玉串料の奉納、いずれの予定もございません。

自由民主党の両院議員総会

【NHK 川村記者】今日、自民党の両議員総会が開かれます。どのような議論を期待されますでしょうか。また本日、大臣はご出席されますでしょうか、ご出席される場合はどのような発言をされますでしょうか。お願いいたします。

【岩屋外務大臣】まず、会議には出席いたしますが、閣僚という立場ですので、基本的には発言は控えたいと考えております。その上で、閣僚の立場を離れて申し上げれば、やはり重大な局面において、日本の政治に停滞を生んではならないということに関しては、私(岩屋大臣)は、良識ある自民党議員の、皆さん共通の理解に至っていただけるのではないかと期待しているところです。

冒頭発言

日・ペルー外相会談

【岩屋外務大臣】8月6日から10日まで、大阪・関西万博ナショナルデーの機会に、ペルーのボルアルテ大統領が訪日されておられます。私(岩屋大臣)は、大統領に同行して訪日中のシアレル外相との間で、本日夕方に、外相会談を行う予定です。
 日本とペルーは、150年以上の友好関係を有し、価値や原則を共有する戦略的なパートナーです。この機会にペルーとの関係を一層強化すべく、二国間関係や地域・国際情勢などについても、議論を行いたいと考えております。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

日米関税協議

【NHK 川村記者】関税の関連でお尋ねします。赤澤大臣は、訪問先のワシントンで、さきの日米合意の内容が反映されずに、一律15%の関税が上乗せされる状況になっていることについて、米側から大統領令を適時修正する措置をとると説明があったと明らかにしました。また、同じタイミングで、自動車などの関税を下げるための大統領令を発出することも確認したと説明しました。大臣の受け止めをお願いします。

【岩屋外務大臣】現在訪米中の赤澤大臣ですが、米側の閣僚との間で、今般の日米間の合意の内容を改めて確認をした上で、その誠実かつ速やかな実施が重要であることを確認しております。
 7日から、相互関税に関する新たな大統領令の適用が開始されていますが、これまでの協議を通じて、相互関税に係る合意の内容についての、日米間の認識に齟齬はありません。すなわち、既存の関税率が15%以上の品目には課されず、15%未満の品目については、既存の関税率を含め15%が課される。全部15%にそろうということですね。この認識に、日米双方の齟齬はありません。赤澤大臣は、この点について米側の閣僚との間で、改めて繰り返し、このことを確認したところです。
 相互関税に関する大統領令を発出する際の、米側内部の事務処理に当たって、日米間の合意に沿っていない内容の大統領令が発出され、適用が開始されたことは、極めて遺憾であります。この点に関して、米側の閣僚からも、今回の米側の手続きは遺憾であったとの認識の表明があったところです。
 その上で、訪米中の赤澤大臣に対して、米側から、今後適時に相互関税に関する大統領令を修正する措置をとること、及び、その際には、8月7日以降に徴収される相互関税のうち、日米間の合意の内容を上回る部分については、7日に遡って払い戻す、すなわち、「遡及効」を有する、こととするとの説明がありました。
 さらに、米側が、相互関税に関する大統領令を修正する措置をとるのと同じタイミングで、自動車・自動車部品の関税を引き下げる大統領令を発出することも、確認をしたところです。
 引き続き、米側に対しては、可及的速やかに、相互関税に関する大統領令を修正する措置をとるよう、また自動車・自動車部品の関税を引き下げる大統領令を発出するように、あらゆる形で強く申し入れてまいりたいと考えています。

日露関係(旧ソ連の対日参戦、北方領土問題)

【産経新聞 松本記者】明日9日で、旧ソ連の対日参戦から80年になります。改めてではありますが、当時の日ソ中立条約に反した対日参戦という軍事行動を、日本政府として、どのように評価しているかお聞かせください。また、現在でも北方四島では、ロシアによる不法占拠が続いています。ロシアによるウクライナ侵略の影響で、日露関係は厳しい状況にありますが、北方領土問題の解決のために、今後どのような取組を重ねていくお考えか、お聞かせください。

【岩屋外務大臣】1945年の8月9日の当時のソ連による対日参戦は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に、明白に違反をするものです。また、ソ連は、対日参戦した上で、我が国が、ポツダム宣言を受諾して降伏の意思を明確に示した後も攻撃を続け、我が国固有の領土である北方四島を占領いたしました。
 このような経緯に鑑みれば、ロシア政府による対日参戦を正当化する主張は、全く受け入れられるものではございません。
 不当なソ連の対日参戦に関するロシア政府の独善的な主張は、受け入れられないものです。
 北方領土の解決に向けてですけれども、ロシアによるウクライナの侵略後、2022年3月に、ロシア側が平和条約交渉を継続しないということを一方的に表明いたしました。その後も、その再開に全く応じていないために、遺憾ながら、現在、平和条約交渉の見通しについて、具体的に申し上げられる状況にはございません。
 しかし、政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するという方針を堅持してまいります。日露関係は、引き続き、厳しい状況にありますが、日露両国間での必要な意思疎通は続けていく考えであります。事態の打開に向けて、ロシア側と粘り強く、やり取りを続けていきたいと考えております。

TICAD 9

【日経新聞 馬場記者】TICADについてお伺いします。日本は、アフリカとの開発会議を他国に先んじて始め、30年以上の歴史を持ちます。アフリカに対しては、巨額の投資による「債務の罠」などが指摘される中、日本は各国に合った丁寧な支援を続けてきました。その歴史の重みや日本ならではの強みについて、ご見解をお伺いします。また、TICADは政府間の連携だけでなく、民間企業のマッチングの場にもなりつつあります。日本企業の進出や日・アフリカ企業の協力に、TICADがどのような役割を果たすか併せてお伺いします。

【岩屋外務大臣】いよいよTICAD 9が近づいてまいりました。我が国が1993年に始めたTICADですが、国際社会の中で、アフリカへの関心を喚起する起点となってきたと思います。
 そして、アフリカ開発に関する国際会議として、先駆的な役割を果たしてきたと思います。その後、いろいろな国による、同様の会議も立ち上げられましたが、まさに日本が、そのスタートを切ったということだったと思います。アフリカ自身のオーナーシップ、そして、国際社会によるパートナーシップに基づいて、過去30年以上、アフリカ自身が主導する持続可能な開発を、おっしゃっていただいたように、丁寧に後押しをしてまいりました。このことはまさに、日本のTICADならではの強みであると考えております。
 本年4月、私(岩屋大臣)は、セネガルを訪問させていただきました。そこで、職業訓練センターも視察させていただきましたが、そのときに先方から、日本の支援は、魚を与えるのではなくて魚の捕り方を教える、そういう日本の開発モデルは模範であるという、高い評価をいただきました。資金や物資の提供のみではなくて、何より大事な人材を育成する、そして、一緒に問題解決、課題解決に取り組むというのが、日本の取組の特徴だと考えております。
 来る20日からのTICAD 9では、「革新的な課題解決策の共創」、共に創るというテーマの下に、AIやDXを含む日本の技術や知見を生かしながら、日本とアフリカ双方の繁栄につながるような課題解決策を、共に創り上げる機会にしていきたいと考えております。アフリカ各国も成長してきておりますので、一方的に援助する、支援をするということではなくて、共に課題解決策を創り上げていく、そういう機会にしていきたいと思っておりまして、会議全体を通じて、多くの民間企業と連携して、民間セクター主導の持続可能な成長を後押ししていきたいと考えております。
 「官民ビジネス対話」、それから「協力文書」、相当の数の協力文書ができあがりますが、この披露式典、そして、期間中に行われる約300のブースによる展示、200以上のテーマ別イベントなどを通じ、日本とアフリカ双方の官と民、そして民間企業同士がつながる多様な機会を提供したいと考えております。今度のTICAD 9が、日本とアフリカの新たな連携、そしてビジネス展開を強化する、そういう機会になるようにしていきたいと考えております。

靖国神社への参拝

【共同通信 阪口記者】来週15日で終戦80年を迎えます。終戦80年に合わせて、岩屋さん自身が靖国神社への参拝であったり、玉串料を奉納する予定があるのかお尋ねします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】参拝、玉串料の奉納、いずれの予定もございません。

自由民主党の両院議員総会

【NHK 川村記者】今日、自民党の両議員総会が開かれます。どのような議論を期待されますでしょうか。また本日、大臣はご出席されますでしょうか、ご出席される場合はどのような発言をされますでしょうか。お願いいたします。

【岩屋外務大臣】まず、会議には出席いたしますが、閣僚という立場ですので、基本的には発言は控えたいと考えております。その上で、閣僚の立場を離れて申し上げれば、やはり重大な局面において、日本の政治に停滞を生んではならないということに関しては、私(岩屋大臣)は、良識ある自民党議員の、皆さん共通の理解に至っていただけるのではないかと期待しているところです。

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