【参本会議】原田秀一議員が防災庁設置法案などについて質疑

5.22 (金) 17:00
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 原田秀一国対副委員長(参議院議員/香川県)は22日、参議院本会議で議題となった防災庁設置法案などについて質疑を行った。全文は以下のとおり。

国民民主党・新緑風会 原田秀一

参議院本会議 代表質問
防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(令和8年5月22日(金)、10分)

 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。会派を代表し、ただいま議題となりました防災庁設置法案について、すべて高市総理に質問いたします。

 我が国はあらゆる自然災害と隣り合わせの災害大国です。北海道・三陸沖 後発地震 注意情報が出されるなど最近も各地で地震が相次ぎ、南海トラフ巨大地震、首都直下地震など国難級の災害が現実のリスクとして存在します。
 こうした中、防災庁を創設し、平時から発災、復旧・復興まで一貫した災害対応の司令塔機能を強化する本法案の方向性は、災害対応の強化に向けた重要な一歩として評価致します。

 ただ我が国では、これまでも、大きな災害のたびに組織のあり方を議論してきました。防災庁の設置で今度こそ災害対応は変わるのか。問われているのは改革の実効性です。防災庁を看板の掛け替えで終わらせないため、本日は大きく六点、総理の覚悟を伺います。

 第一に、司令塔機能について伺います。
 防災庁の設置にあたり司令塔機能の強化が強調されていますが、法律上、防災庁に与えられるのは、指揮命令権ではなく調整権限です。また、内閣府 防災にも司令塔的 役割が期待されてきましたが、実際には各省庁の施策を取りまとめる立場にとどまっていたと認識しています。
 総理に伺います。司令塔機能とはどのようなもので、防災庁と各省庁との関係は具体的にどう変わるのか。今後の防災対応は、平時から発災、復旧・復興に至るまで、名実ともに防災庁が主導するものとなるのか、総理の認識を伺います。(総理)

 第二に、防災庁と復興庁の関係について伺います。
 本法案では、防災庁は復旧・復興まで担うとされています。この点、東日本大震災からの復旧・復興で大きな役割を果たした、復興庁の知見と経験の重要性は言うまでもありません。であるならば、復興庁を防災庁に統合し、その知見を制度的に取り込むことを検討すべきではないでしょうか。現時点で復興庁を防災庁に統合しない理由は何か。復興庁が蓄積してきた知見をどのように防災庁に取り込むのか、総理の見解を伺います。(総理)

 第三に、地方自治体と防災庁の役割分担について伺います。
 災害対応の最前線に立つのは市町村です。地域の実情を最も知る基礎自治体に重要な役割が期待されるのは当然ですが、地方では人口減少と高齢化が進み、この30年で、地方自治体の職員数は47万人減少しました。多くの自治体がマンパワー不足に直面しており、防災専門職員がゼロの自治体が全国で433市町村に上る現実があります。
 政府は防災立国の推進を掲げていますが、自治体側にそれを支えるリソースがなければ、いくら司令塔としての防災庁を強化しても、絵にかいた餅にならないでしょうか。
 総理に伺います。災害対応の第一線を任される自治体の体力は、既に限界に近付いている、その認識をお持ちでしょうか。防災庁に各都道府県のカウンターパートとなる「ふるさと防災職員」を50名程度配置するとのことですが、自治体側の防災時の現場対応力の強化が必要ではないでしょうか。自治体側の防災体制強化に向けた、総理のご決意をお伺いします。(総理)

 さらに申し上げれば、大規模災害時には基礎自治体そのものが被災し、職員自身が被災者になります。家を失い、避難生活を送りながら、あるいは家族の安否を気にかけながら、災害対応に奔走しなければならないこともあります。
 被災自治体を一次対応の中核と位置付ける法体系について、踏み込んだ見直しを考えるべきではないでしょうか。例えば住家の被害認定や罹災証明の発行、被災者生活再建支援制度の運用などは、基礎自治体の専門家ではない職員が担うよりも、専門性と経験を備えたスタッフを国が用意する方が適切なのではないでしょうか。標準化できる業務、専門性を要する業務は、防災庁が中心となって国が担う仕組みへ改めることも検討すべきと考えますが、総理のご見解をお伺いします。(総理)

 第四に、防災局について伺います。
 本法案では、地方機関として防災局を設置することが明記されました。しかし政府方針では、設置は当面2カ所にとどまる方向です。我が国には1741の市区町村がありますが、2カ所の防災局でどれだけの目配りができるでしょうか。
 南海トラフ地震と日本海溝・千島海溝地震への対応としても、例えば南海トラフで想定される被災地は31都府県、6000万人と言われています。2か所の防災局でどれほど地域支援ができるか疑問が残ります。
 総理に伺います。防災局のになう役割をどのように位置づけておられますでしょうか。私は防災局を、日常的に各自治体と連携し、発災時には防災庁の前進拠点として機能するものとすべきと考えますが、ご認識をお伺いします。(総理)

 また衆議院の質疑では、参考人から「国土交通省の地方整備局程度の配置が望ましい」との意見もありました。防災局の将来的な拡充についての総理のご見解をお聞かせください。(総理)

 第五に、被災現場での連携強化について伺います。
 大規模災害時には、他の自治体からの応援、消防、警察、自衛隊、NPO、ボランティアなど、多様な主体が同時に現場に入ります。これまでは、誰が全体状況を把握し、優先順位を決め、責任を負うのか曖昧で、混乱を生じることが多々ありました。
 米国ではICS、いわゆるインシデント・コマンド・システムという考え方が用いられています。防災庁設置を機に、わが国でもICSのようなマネジメントの標準化を図り、各主体が共通のプロトコルで連携できる基盤を整備すべきではないでしょうか。総理のご見解をお聞かせください。(総理)

 また国難級災害に対応するには、自衛隊の能力の活用が不可欠ですが、その指揮系統は防災庁とも自治体とも接続されていません。消防・警察・海上保安庁はもちろん、自衛隊とも、平時からシミュレーションと訓練を行うべきではないでしょうか。南海トラフ地震などを想定して、防災庁と自治体、自衛隊で、統合的な運用について事前に調整し、訓練を重ねる必要性についてご見解を伺います。(総理)

 第六に、避難所環境の改善について伺います。
 我が国では、大規模災害のたびに避難者が体育館などで雑魚寝をし、劣悪な環境に耐える避難所の姿が繰り返し報じられてきました。災害関連死も後を絶たず、国民の命と尊厳を守る水準に達しているとは到底言えません。
 政府は防災庁設置に向けた基本方針において「スフィア基準等を踏まえた避難生活環境の抜本改善」を掲げ、第1次国土強靱化実施 中期計画でも備蓄確保の目標を示しました。
 総理に伺います。長年変わらなかったわが国の避難所の風景は、防災庁の下、今度こそ一変するのでしょうか。避難所の改善をいつまでに、どのように改善するのか具体的にお答えください。(総理)

 最後に申し上げます。
 防災庁の設置が単なる看板の掛け替えに終わることなく、これまで我が国の災害対応が乗り越えられなかった課題の克服につながること、そして防災庁が国民の命を守り、災害対応の現場を変える真の司令塔となることを強く願い、私の質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。

(2888文字)

 原田秀一国対副委員長(参議院議員/香川県)は22日、参議院本会議で議題となった防災庁設置法案などについて質疑を行った。全文は以下のとおり。

国民民主党・新緑風会 原田秀一

参議院本会議 代表質問
防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
(令和8年5月22日(金)、10分)

 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。会派を代表し、ただいま議題となりました防災庁設置法案について、すべて高市総理に質問いたします。

 我が国はあらゆる自然災害と隣り合わせの災害大国です。北海道・三陸沖 後発地震 注意情報が出されるなど最近も各地で地震が相次ぎ、南海トラフ巨大地震、首都直下地震など国難級の災害が現実のリスクとして存在します。
 こうした中、防災庁を創設し、平時から発災、復旧・復興まで一貫した災害対応の司令塔機能を強化する本法案の方向性は、災害対応の強化に向けた重要な一歩として評価致します。

 ただ我が国では、これまでも、大きな災害のたびに組織のあり方を議論してきました。防災庁の設置で今度こそ災害対応は変わるのか。問われているのは改革の実効性です。防災庁を看板の掛け替えで終わらせないため、本日は大きく六点、総理の覚悟を伺います。

 第一に、司令塔機能について伺います。
 防災庁の設置にあたり司令塔機能の強化が強調されていますが、法律上、防災庁に与えられるのは、指揮命令権ではなく調整権限です。また、内閣府 防災にも司令塔的 役割が期待されてきましたが、実際には各省庁の施策を取りまとめる立場にとどまっていたと認識しています。
 総理に伺います。司令塔機能とはどのようなもので、防災庁と各省庁との関係は具体的にどう変わるのか。今後の防災対応は、平時から発災、復旧・復興に至るまで、名実ともに防災庁が主導するものとなるのか、総理の認識を伺います。(総理)

 第二に、防災庁と復興庁の関係について伺います。
 本法案では、防災庁は復旧・復興まで担うとされています。この点、東日本大震災からの復旧・復興で大きな役割を果たした、復興庁の知見と経験の重要性は言うまでもありません。であるならば、復興庁を防災庁に統合し、その知見を制度的に取り込むことを検討すべきではないでしょうか。現時点で復興庁を防災庁に統合しない理由は何か。復興庁が蓄積してきた知見をどのように防災庁に取り込むのか、総理の見解を伺います。(総理)

 第三に、地方自治体と防災庁の役割分担について伺います。
 災害対応の最前線に立つのは市町村です。地域の実情を最も知る基礎自治体に重要な役割が期待されるのは当然ですが、地方では人口減少と高齢化が進み、この30年で、地方自治体の職員数は47万人減少しました。多くの自治体がマンパワー不足に直面しており、防災専門職員がゼロの自治体が全国で433市町村に上る現実があります。
 政府は防災立国の推進を掲げていますが、自治体側にそれを支えるリソースがなければ、いくら司令塔としての防災庁を強化しても、絵にかいた餅にならないでしょうか。
 総理に伺います。災害対応の第一線を任される自治体の体力は、既に限界に近付いている、その認識をお持ちでしょうか。防災庁に各都道府県のカウンターパートとなる「ふるさと防災職員」を50名程度配置するとのことですが、自治体側の防災時の現場対応力の強化が必要ではないでしょうか。自治体側の防災体制強化に向けた、総理のご決意をお伺いします。(総理)

 さらに申し上げれば、大規模災害時には基礎自治体そのものが被災し、職員自身が被災者になります。家を失い、避難生活を送りながら、あるいは家族の安否を気にかけながら、災害対応に奔走しなければならないこともあります。
 被災自治体を一次対応の中核と位置付ける法体系について、踏み込んだ見直しを考えるべきではないでしょうか。例えば住家の被害認定や罹災証明の発行、被災者生活再建支援制度の運用などは、基礎自治体の専門家ではない職員が担うよりも、専門性と経験を備えたスタッフを国が用意する方が適切なのではないでしょうか。標準化できる業務、専門性を要する業務は、防災庁が中心となって国が担う仕組みへ改めることも検討すべきと考えますが、総理のご見解をお伺いします。(総理)

 第四に、防災局について伺います。
 本法案では、地方機関として防災局を設置することが明記されました。しかし政府方針では、設置は当面2カ所にとどまる方向です。我が国には1741の市区町村がありますが、2カ所の防災局でどれだけの目配りができるでしょうか。
 南海トラフ地震と日本海溝・千島海溝地震への対応としても、例えば南海トラフで想定される被災地は31都府県、6000万人と言われています。2か所の防災局でどれほど地域支援ができるか疑問が残ります。
 総理に伺います。防災局のになう役割をどのように位置づけておられますでしょうか。私は防災局を、日常的に各自治体と連携し、発災時には防災庁の前進拠点として機能するものとすべきと考えますが、ご認識をお伺いします。(総理)

 また衆議院の質疑では、参考人から「国土交通省の地方整備局程度の配置が望ましい」との意見もありました。防災局の将来的な拡充についての総理のご見解をお聞かせください。(総理)

 第五に、被災現場での連携強化について伺います。
 大規模災害時には、他の自治体からの応援、消防、警察、自衛隊、NPO、ボランティアなど、多様な主体が同時に現場に入ります。これまでは、誰が全体状況を把握し、優先順位を決め、責任を負うのか曖昧で、混乱を生じることが多々ありました。
 米国ではICS、いわゆるインシデント・コマンド・システムという考え方が用いられています。防災庁設置を機に、わが国でもICSのようなマネジメントの標準化を図り、各主体が共通のプロトコルで連携できる基盤を整備すべきではないでしょうか。総理のご見解をお聞かせください。(総理)

 また国難級災害に対応するには、自衛隊の能力の活用が不可欠ですが、その指揮系統は防災庁とも自治体とも接続されていません。消防・警察・海上保安庁はもちろん、自衛隊とも、平時からシミュレーションと訓練を行うべきではないでしょうか。南海トラフ地震などを想定して、防災庁と自治体、自衛隊で、統合的な運用について事前に調整し、訓練を重ねる必要性についてご見解を伺います。(総理)

 第六に、避難所環境の改善について伺います。
 我が国では、大規模災害のたびに避難者が体育館などで雑魚寝をし、劣悪な環境に耐える避難所の姿が繰り返し報じられてきました。災害関連死も後を絶たず、国民の命と尊厳を守る水準に達しているとは到底言えません。
 政府は防災庁設置に向けた基本方針において「スフィア基準等を踏まえた避難生活環境の抜本改善」を掲げ、第1次国土強靱化実施 中期計画でも備蓄確保の目標を示しました。
 総理に伺います。長年変わらなかったわが国の避難所の風景は、防災庁の下、今度こそ一変するのでしょうか。避難所の改善をいつまでに、どのように改善するのか具体的にお答えください。(総理)

 最後に申し上げます。
 防災庁の設置が単なる看板の掛け替えに終わることなく、これまで我が国の災害対応が乗り越えられなかった課題の克服につながること、そして防災庁が国民の命を守り、災害対応の現場を変える真の司令塔となることを強く願い、私の質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。

(2888文字)

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