堂込麻紀子議員(参議院議員/茨城県)は17日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった国旗損壊処罰法に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
令和8年7月17日
国旗の損壊等の処罰に関する法律案 本会議賛成討論
国民民主党・新緑風会
参議院議員 堂込麻紀子
国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。
会派を代表して、「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」に賛成の立場から討論を行います。
まず、我が党は日本の国旗は守るべきであるという基本的な認識を有しているところであります。国旗損壊罪の創設に係る世論調査の結果を見ると、国旗損壊罪を創設する法案に対して、令和8年6月の時事通信の調査では、「賛成」が56.7%、「反対」が20.9%、また、同月の産経新聞社とFNNの合同調査でも、「賛成」が56.9%、「反対」が34.9%と、いずれも過半数が賛成の回答をしていることから、多くの国民からも要請されているものと受け止めております。また、地方議会からの意見書につきましても、国旗損壊罪法案の早期創設を求める声が寄せられているものと承知しています。
しかし当初自民党・日本維新の会が法案化したものは、国民の内心の自由及び表現の自由を侵害するおそれがあるほか、罪刑法定主義の観点からも問題がある等の懸念が明らかでした。
今回の国民民主党が賛成をした前提は、これらの懸念を踏まえ、数の力で押し切り法律案が可決されることを批判するだけではなく、協議により懸念を解消することを選択し、修正することを選択したからです。
以下、課題についてその対応と修正がされた点について賛成の理由として述べます。
1つ目は、与党から提案のあった法律案では、「国旗の損壊行為」を処罰の対象とするだけでなく、国旗の損壊している様子を事後的に配信するという「配信行為」にまで処罰対象が及んでおりましたが、表現の自由を侵害するおそれがあるものであり、我が党の求めにより全面的に削除できたからです。
2つ目は、憲法第31条を根拠とする罪刑法定主義の「明確性の原則」の観点から、何が罪で何が罪でないのか分かりにくいという点については、3年後の見直し規定を設けることにより、実施の状況を踏まえて、将来的に罪刑法定主義を更に担保していくこととしたことに加え、国民民主党が本法律案の共同提出者として加わることで、立法者として質疑の中で何が処罰の対象となるのか、ならないのか、具体的事例を示しながら、裁判規範となるような答弁を行うことで、その外縁を画していくこととしました。つまり、我が党は、責任ある野党として、憲法上の権利・自由を守る観点から、法文の修正協議に加わるとともに、自ら懸念に対する説明責任を負うということで、歯止めを掛けていく役割を果たしたと考えるからです。
3つ目に、衆参両院の質疑を通じて、国民民主党は、本法律案で創設する国旗損壊罪に該当し得る例や、逆に基本的に処罰対象にならないのではないかという行為について具体例をお示しすることに努めてまいりました。一定の具体例を国会の場で、法案提出者が示したことの意義は大きいと考えます。
そのほかにも、
・国旗損壊罪の客体となる「国旗」には何が該当するのか、
・「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」とは誰が判断するのか、
・第2条第1項の「公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者」については、「公然と」とはどのような状況を指し、「損壊」、「除去」、「汚損」とはどのような行為を指すのか、
・表現内容ではなく、行為の外形等で判断するとはどういうことを意味するのか、
など様々な観点から、本法律案の趣旨や処罰対象が明確になり、国民の皆様に対してどのような法律なのか理解を深めていただけるよう、質疑と答弁を重ね、議事録に残したからです。
その上で、7月14日に行われた参考人質疑において、賛成の立場である参考人からは、「現代では、SNSを通じて相手国社会の分断をあおり、国民の相互不信、これを増幅させる認知戦、影響力工作が平素から行われており、国旗を公然と損壊する画像、映像がこの認知戦において極めて有効な弾薬となる」とした上で、「立法事実とは、件数だけではなく、行為が社会に及ぼす影響の大きさも勘案して評価されるべきもので、国旗損壊行為に関しては発生が、まれでも、一度起これば、影響が甚大である。」とし、さらには、「SNS時代には国旗への多様な思い、多様な感情を抱く国民は増幅されるため、これまで以上に事前に国旗をめぐる自由の境界を明示すること、これは国家のリスクマネジメントとして当然の要請である」との意見が示されました。こうした点においても本法律案の意義はあるのだと考えます。
一方で、本法律案に慎重な立場の委員や参考人などからは、依然として曖昧さや憲法上の懸念が残るといった厳しいご指摘もいただいているところであります。これらは、法案提出者となった我が党としても真摯に、誠実に、受け止める必要があると考えます。
また、実際の運用状況や施行後に社会に与える影響などについて、課題が生じることも考えられます。本法律案では、国民民主党の要望で、3年後見直しの規定が掲げられていることから、政府には、国旗損壊の発生状況や運用上の課題を整理していただき、罪刑法定主義や表現の自由などの憲法上の懸念などが今以上にクリアになるよう必要な措置が速やかにとられることを望みます。
最後に、参議院内閣委員会で付された附帯決議では、「政府は、国旗の使用への萎縮効果等を生じさせないよう、国旗損壊罪の客体に該当するものやアニメ、漫画、ゲーム、生成AIによる制作物といった客体に該当しないものを、できる限り具体的に示すこと等を通じ、国民に対する本法の趣旨及び内容の周知に努めること」という旨の国民の周知に関するものなど、本法律案の運用に関する重要な事項について記載されています。
政府においては、こうした事項を始めとする衆参の内閣委員会で付された附帯決議にも十分に配意して、適切に本法律案を運用することが求められるということを申し上げて、討論を終わります。
(2,365文字)
堂込麻紀子議員(参議院議員/茨城県)は17日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった国旗損壊処罰法に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
令和8年7月17日
国旗の損壊等の処罰に関する法律案 本会議賛成討論
国民民主党・新緑風会
参議院議員 堂込麻紀子
国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。
会派を代表して、「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」に賛成の立場から討論を行います。
まず、我が党は日本の国旗は守るべきであるという基本的な認識を有しているところであります。国旗損壊罪の創設に係る世論調査の結果を見ると、国旗損壊罪を創設する法案に対して、令和8年6月の時事通信の調査では、「賛成」が56.7%、「反対」が20.9%、また、同月の産経新聞社とFNNの合同調査でも、「賛成」が56.9%、「反対」が34.9%と、いずれも過半数が賛成の回答をしていることから、多くの国民からも要請されているものと受け止めております。また、地方議会からの意見書につきましても、国旗損壊罪法案の早期創設を求める声が寄せられているものと承知しています。
しかし当初自民党・日本維新の会が法案化したものは、国民の内心の自由及び表現の自由を侵害するおそれがあるほか、罪刑法定主義の観点からも問題がある等の懸念が明らかでした。
今回の国民民主党が賛成をした前提は、これらの懸念を踏まえ、数の力で押し切り法律案が可決されることを批判するだけではなく、協議により懸念を解消することを選択し、修正することを選択したからです。
以下、課題についてその対応と修正がされた点について賛成の理由として述べます。
1つ目は、与党から提案のあった法律案では、「国旗の損壊行為」を処罰の対象とするだけでなく、国旗の損壊している様子を事後的に配信するという「配信行為」にまで処罰対象が及んでおりましたが、表現の自由を侵害するおそれがあるものであり、我が党の求めにより全面的に削除できたからです。
2つ目は、憲法第31条を根拠とする罪刑法定主義の「明確性の原則」の観点から、何が罪で何が罪でないのか分かりにくいという点については、3年後の見直し規定を設けることにより、実施の状況を踏まえて、将来的に罪刑法定主義を更に担保していくこととしたことに加え、国民民主党が本法律案の共同提出者として加わることで、立法者として質疑の中で何が処罰の対象となるのか、ならないのか、具体的事例を示しながら、裁判規範となるような答弁を行うことで、その外縁を画していくこととしました。つまり、我が党は、責任ある野党として、憲法上の権利・自由を守る観点から、法文の修正協議に加わるとともに、自ら懸念に対する説明責任を負うということで、歯止めを掛けていく役割を果たしたと考えるからです。
3つ目に、衆参両院の質疑を通じて、国民民主党は、本法律案で創設する国旗損壊罪に該当し得る例や、逆に基本的に処罰対象にならないのではないかという行為について具体例をお示しすることに努めてまいりました。一定の具体例を国会の場で、法案提出者が示したことの意義は大きいと考えます。
そのほかにも、
・国旗損壊罪の客体となる「国旗」には何が該当するのか、
・「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」とは誰が判断するのか、
・第2条第1項の「公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者」については、「公然と」とはどのような状況を指し、「損壊」、「除去」、「汚損」とはどのような行為を指すのか、
・表現内容ではなく、行為の外形等で判断するとはどういうことを意味するのか、
など様々な観点から、本法律案の趣旨や処罰対象が明確になり、国民の皆様に対してどのような法律なのか理解を深めていただけるよう、質疑と答弁を重ね、議事録に残したからです。
その上で、7月14日に行われた参考人質疑において、賛成の立場である参考人からは、「現代では、SNSを通じて相手国社会の分断をあおり、国民の相互不信、これを増幅させる認知戦、影響力工作が平素から行われており、国旗を公然と損壊する画像、映像がこの認知戦において極めて有効な弾薬となる」とした上で、「立法事実とは、件数だけではなく、行為が社会に及ぼす影響の大きさも勘案して評価されるべきもので、国旗損壊行為に関しては発生が、まれでも、一度起これば、影響が甚大である。」とし、さらには、「SNS時代には国旗への多様な思い、多様な感情を抱く国民は増幅されるため、これまで以上に事前に国旗をめぐる自由の境界を明示すること、これは国家のリスクマネジメントとして当然の要請である」との意見が示されました。こうした点においても本法律案の意義はあるのだと考えます。
一方で、本法律案に慎重な立場の委員や参考人などからは、依然として曖昧さや憲法上の懸念が残るといった厳しいご指摘もいただいているところであります。これらは、法案提出者となった我が党としても真摯に、誠実に、受け止める必要があると考えます。
また、実際の運用状況や施行後に社会に与える影響などについて、課題が生じることも考えられます。本法律案では、国民民主党の要望で、3年後見直しの規定が掲げられていることから、政府には、国旗損壊の発生状況や運用上の課題を整理していただき、罪刑法定主義や表現の自由などの憲法上の懸念などが今以上にクリアになるよう必要な措置が速やかにとられることを望みます。
最後に、参議院内閣委員会で付された附帯決議では、「政府は、国旗の使用への萎縮効果等を生じさせないよう、国旗損壊罪の客体に該当するものやアニメ、漫画、ゲーム、生成AIによる制作物といった客体に該当しないものを、できる限り具体的に示すこと等を通じ、国民に対する本法の趣旨及び内容の周知に努めること」という旨の国民の周知に関するものなど、本法律案の運用に関する重要な事項について記載されています。
政府においては、こうした事項を始めとする衆参の内閣委員会で付された附帯決議にも十分に配意して、適切に本法律案を運用することが求められるということを申し上げて、討論を終わります。
(2,365文字)