【参本会議】奥村祥大議員が令和6年度決算に対する反対討論で登壇

7.8 (水) 18:00
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 奥村祥大国対副委員長(参議院議員/東京都)は8日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった令和6年度決算に対する反対討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

本会議登壇 原稿 令和6年度決算 反対討論 最終稿

国民民主党・新緑風会の奥村祥大です。私は会派を代表し、ただいま議題となりました内閣に対する警告決議に賛成、令和6年度一般会計歳入歳出決算他二案に反対の立場から討論いたします。

討論に先立ち、昨今の国会情勢について一言申し上げます。

昨日まで、各種報道では「野党の審議拒否」の文字が躍っていました。果たして事実なのでしょうか。

これまで野党は継続して集中審議と党首討論を求めてきました。これは国対間の協議で合意されたものであり、野党側が唐突に言い出したものでもなければ、無理難題を要求しているものでもありません。

我々野党は、ルールを守る国会を取り戻したいのです。与野党の合意を反故にするのはなぜでしょうか。答弁拒否の説明責任は総理にあります。先般の決算委員会でも、総理は「国会からの要請があれば誠実に対応する」旨、ご答弁がありました。我々野党は、何十回も要請してきています。仮に総理の耳に届いていなかったとすれば、誰かが情報を伝えていなかったのでしょうか。与党の中で、情報の目詰まりが起きていたのでしょうか。

国民が求めているのは、「数の力で押し切る与党」でも、「審議拒否する野党」でも、ましてや「答弁拒否する総理」でもありません。ただひとつ、熟議を尽くす国会です。対話を諦めた瞬間に、民主主義は音を立てて崩れ落ちるのではないでしょうか。

国民民主党は、ルールを守り、必要な議論を重ねる国会を取り戻すために力を尽くすことを申し上げ、討論に入ります。

まず、我が会派は令和6年度政府予算案に対し、賃上げの機運を中小企業や非正規雇用労働者、地方に波及させる内容になっていないこと、子ども・子育て支援金制度の導入によって現役世代の負担が増えること、能登半島地震の復旧復興支援に必要な予算が盛り込まれていないことから、反対をいたしました。では実際、令和6年度に何が生じ、決算から見て何が問題だったのか。以下、指摘します。

令和6年、2024年は、いわゆる自民党の裏金問題への対応から始まった一年でした。進めるべき審議が進まず、予算委員会においても、失われた政治への信頼回復のために多くの時間を費やす必要がありました。そのような環境下で成立した令和6年度当初予算は、112兆円を超える大規模なものでした。このお金は適切に使われたのでしょうか。

第一に、「手取りを増やす」という観点から申し上げます。

連合の発表によれば、2024年の春季労使交渉における平均賃上げ率は5.1%と、33年ぶりに

5%を上回り、賃上げの機運は確かに高まりました。しかし、組合員数300人未満の中小組合では4.45%と5%を下回り、我が党が再三指摘してきた中小企業の価格転嫁への働きかけも、不十分なままでした。当時の岸田内閣は、2024年中に物価上昇を上回る所得を実現すると約束しました。結果はどうであったか。実質賃金は前年比0.2%の減少、3年連続のマイナスでした。その一方で、歳入決算額は135.9兆円、うち税収は75.2兆円と5年連続で過去最高を更新し、補正後予算からもなお1兆

8千億円上振れました。その少なからぬ部分は、物価上昇に伴う消費税収の増加と、名目賃金の上昇で所得税の負担が実質的に重くなる、いわば「インフレによる自動増税」によるものです。実質賃金が目減りし、人々の生活が苦しくなる中で、国だけが一人勝ちの状況でした。税収増の果実は、納税者である国民に還元されるべきではなかったのでしょうか。

政府も「還元」を口にしました。それが定額減税です。当時の岸田内閣は「デフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的チャンス」として、定額減税で可処分所得を増やすと説明しました。しかし、定額減税と関連給付で総額5兆円を超える財源を投じながらも、政府からは未だその効果検証が聞こえてきません。専門家による試算ではGDPの押上げ効果は0.2兆円から0.5兆円程度とされるものもあり、投じた金額に対して効果は限定的でした。何より、あれから2年が経った今なお、政府はデフレ脱却を宣言できておりません。物価が上がり続けている中でデフレ脱却を宣言できていないのは、持続的な賃上げと消費の好循環が実現していない証左であります。

当時から我々国民民主党が求めていたトリガー条項の凍結解除や年収の壁対策は先送りにされ続け、その結果、消費は喚起されず景気が上向くこともありませんでした。

必要であったのは、一年限りの刹那的な減税という「点」の施策ではなく、基礎控除の引上げをはじめとする恒久的な減税という「線」の施策ではなかったのでしょうか。

第二に、「人づくりこそ、国づくり」の観点から申し上げます。

政府は「異次元の少子化対策」と銘打ち、こども未来戦略を策定しました。しかし、2023年に72万 7千人余りであった出生数は、2024年には68万6千人余りと、過去最少をさらに更新しました。政策効果の発現に時間を要することは百も承知ですが、問題は結果だけではなく、制度設計そのものにあります。少子化の根本原因は、手取りが増えず、将来が不安で、結婚や子育てに踏み切れないという、若い世代の経済的基盤の脆弱さにあります。にも関わらず、子ども・子育て支援金制度は、子育て支援の名の下に、その現役世代の手取りをさらに削るものです。これが本当に「異次元」だったと言えるのでしょうか。仮に異次元だったとするならば、出生数が減り続ける今、現体制下ではもはやこれ以上の打つ手がないことを、政府自らが証明することになりはしないでしょうか。私たちがかねてから訴えてきた、教育国債の発行による教育・科学技術予算の倍増をはじめ、真に必要な、人への投資が行われるべきではなかったのでしょうか。

第三に、「自分の国は自分で守る」という観点から申し上げます。

厳しさを増す安全保障環境において、防衛費の一定の増大は必要であると認識しています。だからこそ、その執行の質が厳しく問われなければなりません。会計検査院の報告によれば、周辺海域で外国の潜水艦や不審船を監視する海上自衛隊のP-1哨戒機は、エンジンや電子機器の不具合、交換部品の調達遅延により、稼働が低調であり、他の機体から部品を取り外して修理に充てる、いわゆる「共食い整備」まで行われていました。1兆7千億円を超える国費が投じられてきたP-1の稼働が低調であったということは、そもそも必要以上に調達されていたのか、あるいは我が国の警戒監視体制に穴が空いていたのか、そのどちらかであります。陸上自衛隊が調達した災害用ドローンが、5年間、一度も使われないままであった事態も同様です。防衛分野に限らず、令和6年度 決算 検査報告 全体で掲記された指摘は319件、金額にして540 億円を超えました。復旧復興がいまだ道半ばの能登の被災地を思うとき、一円の無駄も許されるものではありません。果たして、その税金はどこから来たのか。紛れもなくそれは国民の負担であることを、政府は強く認識する必要があるのではないでしょうか。

現役世代の暮らしは日々追い詰められています。税金と社会保険料に手取りを削られ、働けど働けど、貯蓄に回すお金が残らない。貯蓄がないから、今が不安。将来はもっと不安。そうした不安を打ち消すために、政治がなすべきは、さらなる賃上げの促進、そして手取りを増やす政策ではないでしょうか。今こそ、現役世代、生活者・納税者・働く者のための政治を行い、将来不安を一つでも減らしていこうではありませんか。

令和6年度は、「新しい資本主義」「異次元の少子化対策」と銘打って掲げられた 目標の崇高さに比べて、実際の効果はあまりに限定的であり、現役世代の不安に向き合うものには到底なっていませんでした。以上から、令和6年度決算案を是認することはできません。

我々国民民主党は、「決算の参議院」としての役割を果たすべく、これからも対決より解決の姿勢で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私からの反対討論といたします。

ご清聴ありがとうございました。(3,305文字)

 奥村祥大国対副委員長(参議院議員/東京都)は8日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった令和6年度決算に対する反対討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

本会議登壇 原稿 令和6年度決算 反対討論 最終稿

国民民主党・新緑風会の奥村祥大です。私は会派を代表し、ただいま議題となりました内閣に対する警告決議に賛成、令和6年度一般会計歳入歳出決算他二案に反対の立場から討論いたします。

討論に先立ち、昨今の国会情勢について一言申し上げます。

昨日まで、各種報道では「野党の審議拒否」の文字が躍っていました。果たして事実なのでしょうか。

これまで野党は継続して集中審議と党首討論を求めてきました。これは国対間の協議で合意されたものであり、野党側が唐突に言い出したものでもなければ、無理難題を要求しているものでもありません。

我々野党は、ルールを守る国会を取り戻したいのです。与野党の合意を反故にするのはなぜでしょうか。答弁拒否の説明責任は総理にあります。先般の決算委員会でも、総理は「国会からの要請があれば誠実に対応する」旨、ご答弁がありました。我々野党は、何十回も要請してきています。仮に総理の耳に届いていなかったとすれば、誰かが情報を伝えていなかったのでしょうか。与党の中で、情報の目詰まりが起きていたのでしょうか。

国民が求めているのは、「数の力で押し切る与党」でも、「審議拒否する野党」でも、ましてや「答弁拒否する総理」でもありません。ただひとつ、熟議を尽くす国会です。対話を諦めた瞬間に、民主主義は音を立てて崩れ落ちるのではないでしょうか。

国民民主党は、ルールを守り、必要な議論を重ねる国会を取り戻すために力を尽くすことを申し上げ、討論に入ります。

まず、我が会派は令和6年度政府予算案に対し、賃上げの機運を中小企業や非正規雇用労働者、地方に波及させる内容になっていないこと、子ども・子育て支援金制度の導入によって現役世代の負担が増えること、能登半島地震の復旧復興支援に必要な予算が盛り込まれていないことから、反対をいたしました。では実際、令和6年度に何が生じ、決算から見て何が問題だったのか。以下、指摘します。

令和6年、2024年は、いわゆる自民党の裏金問題への対応から始まった一年でした。進めるべき審議が進まず、予算委員会においても、失われた政治への信頼回復のために多くの時間を費やす必要がありました。そのような環境下で成立した令和6年度当初予算は、112兆円を超える大規模なものでした。このお金は適切に使われたのでしょうか。

第一に、「手取りを増やす」という観点から申し上げます。

連合の発表によれば、2024年の春季労使交渉における平均賃上げ率は5.1%と、33年ぶりに

5%を上回り、賃上げの機運は確かに高まりました。しかし、組合員数300人未満の中小組合では4.45%と5%を下回り、我が党が再三指摘してきた中小企業の価格転嫁への働きかけも、不十分なままでした。当時の岸田内閣は、2024年中に物価上昇を上回る所得を実現すると約束しました。結果はどうであったか。実質賃金は前年比0.2%の減少、3年連続のマイナスでした。その一方で、歳入決算額は135.9兆円、うち税収は75.2兆円と5年連続で過去最高を更新し、補正後予算からもなお1兆

8千億円上振れました。その少なからぬ部分は、物価上昇に伴う消費税収の増加と、名目賃金の上昇で所得税の負担が実質的に重くなる、いわば「インフレによる自動増税」によるものです。実質賃金が目減りし、人々の生活が苦しくなる中で、国だけが一人勝ちの状況でした。税収増の果実は、納税者である国民に還元されるべきではなかったのでしょうか。

政府も「還元」を口にしました。それが定額減税です。当時の岸田内閣は「デフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的チャンス」として、定額減税で可処分所得を増やすと説明しました。しかし、定額減税と関連給付で総額5兆円を超える財源を投じながらも、政府からは未だその効果検証が聞こえてきません。専門家による試算ではGDPの押上げ効果は0.2兆円から0.5兆円程度とされるものもあり、投じた金額に対して効果は限定的でした。何より、あれから2年が経った今なお、政府はデフレ脱却を宣言できておりません。物価が上がり続けている中でデフレ脱却を宣言できていないのは、持続的な賃上げと消費の好循環が実現していない証左であります。

当時から我々国民民主党が求めていたトリガー条項の凍結解除や年収の壁対策は先送りにされ続け、その結果、消費は喚起されず景気が上向くこともありませんでした。

必要であったのは、一年限りの刹那的な減税という「点」の施策ではなく、基礎控除の引上げをはじめとする恒久的な減税という「線」の施策ではなかったのでしょうか。

第二に、「人づくりこそ、国づくり」の観点から申し上げます。

政府は「異次元の少子化対策」と銘打ち、こども未来戦略を策定しました。しかし、2023年に72万 7千人余りであった出生数は、2024年には68万6千人余りと、過去最少をさらに更新しました。政策効果の発現に時間を要することは百も承知ですが、問題は結果だけではなく、制度設計そのものにあります。少子化の根本原因は、手取りが増えず、将来が不安で、結婚や子育てに踏み切れないという、若い世代の経済的基盤の脆弱さにあります。にも関わらず、子ども・子育て支援金制度は、子育て支援の名の下に、その現役世代の手取りをさらに削るものです。これが本当に「異次元」だったと言えるのでしょうか。仮に異次元だったとするならば、出生数が減り続ける今、現体制下ではもはやこれ以上の打つ手がないことを、政府自らが証明することになりはしないでしょうか。私たちがかねてから訴えてきた、教育国債の発行による教育・科学技術予算の倍増をはじめ、真に必要な、人への投資が行われるべきではなかったのでしょうか。

第三に、「自分の国は自分で守る」という観点から申し上げます。

厳しさを増す安全保障環境において、防衛費の一定の増大は必要であると認識しています。だからこそ、その執行の質が厳しく問われなければなりません。会計検査院の報告によれば、周辺海域で外国の潜水艦や不審船を監視する海上自衛隊のP-1哨戒機は、エンジンや電子機器の不具合、交換部品の調達遅延により、稼働が低調であり、他の機体から部品を取り外して修理に充てる、いわゆる「共食い整備」まで行われていました。1兆7千億円を超える国費が投じられてきたP-1の稼働が低調であったということは、そもそも必要以上に調達されていたのか、あるいは我が国の警戒監視体制に穴が空いていたのか、そのどちらかであります。陸上自衛隊が調達した災害用ドローンが、5年間、一度も使われないままであった事態も同様です。防衛分野に限らず、令和6年度 決算 検査報告 全体で掲記された指摘は319件、金額にして540 億円を超えました。復旧復興がいまだ道半ばの能登の被災地を思うとき、一円の無駄も許されるものではありません。果たして、その税金はどこから来たのか。紛れもなくそれは国民の負担であることを、政府は強く認識する必要があるのではないでしょうか。

現役世代の暮らしは日々追い詰められています。税金と社会保険料に手取りを削られ、働けど働けど、貯蓄に回すお金が残らない。貯蓄がないから、今が不安。将来はもっと不安。そうした不安を打ち消すために、政治がなすべきは、さらなる賃上げの促進、そして手取りを増やす政策ではないでしょうか。今こそ、現役世代、生活者・納税者・働く者のための政治を行い、将来不安を一つでも減らしていこうではありませんか。

令和6年度は、「新しい資本主義」「異次元の少子化対策」と銘打って掲げられた 目標の崇高さに比べて、実際の効果はあまりに限定的であり、現役世代の不安に向き合うものには到底なっていませんでした。以上から、令和6年度決算案を是認することはできません。

我々国民民主党は、「決算の参議院」としての役割を果たすべく、これからも対決より解決の姿勢で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私からの反対討論といたします。

ご清聴ありがとうございました。(3,305文字)

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