現地時間21日午前9時30分(日本時間同日午後4時30分)から約4時間10分行われた本セッションでは、南アフリカ議長下でのG20の成果等に加え、国際社会が直面する地球規模課題全般に関する議論が行われました。
- 冒頭、岩屋大臣から概要以下を述べました。
国際社会は、気候変動、災害、食料安全保障といった様々な地球規模の課題に直面している。そのような中にあって、G20は、分断と対立ではなく、共通点と一致点を見出し、全てのメンバーが責任を共有した形で、課題解決を主導していく必要がある。 - 岩屋大臣は、南アフリカが提示する優先課題及び日本が重視する事項について概要以下を述べました。
- 日本は、南アフリカが掲げる優先課題を支持する。とりわけ、日本は、防災・災害対応の強化、重要鉱物の活用、債務問題を重視しており、G20メンバーと協力して取組を推進したい。
- 日本は世界有数の災害発生国であり、世界一の防災大国を目指している。仙台防災枠組の取組推進に貢献しつつ、日本が有する知恵や技術を、G20を始めとする国際社会と共有し、世界で頻発する地震、台風等の大規模自然災害への備えと対応の強化に貢献したい。
- クリーンエネルギーへのスムーズな移行のためには、サプライチェーン多様化を通じた重要鉱物の安定供給が極めて重要である。日本は、重要鉱物の貿易における公平な競争条件の確保に向けた取組を推進している。また、強靱で包摂的なサプライチェーンの強化(RISE)等の取組も通じて、責任ある重要鉱物サプライチェーンの構築につながる資源プロジェクト立上げや、現地高付加価値化に向けた資源国の人材育成や技術協力などを含めて鉱山開発を支援している。
- 途上国が直面する債務問題への対応は急務。そのために、G20「共通枠組」のプロセス迅速化と、債務透明性の一層の確保が重要。
- AIについては、イノベーションを促進し、機会を最大限活用するとともに、人間中心のAIを促進し、「安全、安心で信頼できるAI」を実現したい。AIの利益が途上国にも広く行き渡るよう、デジタル格差を解消することが重要。日本は、アフリカを含む途上国におけるAIガバナンスの構築及び強化に向け、引き続き支援していく。
- 自由で公正な経済秩序は世界経済の成長と繁栄を支える基盤。喫緊の課題であるWTO改革は、本年がWTO設立30周年であることもモメンタムにしつつ、G20の場でも議論していきたい。
- 岩屋大臣から、アフリカとの連携強化について概要以下を述べました。
- 2023年にAU(アフリカ連合)がG20メンバーとなり、本年は初めてアフリカでG20が開催されるなど、G20でもアフリカとの連携・協力が益々重要になっている。
- アフリカは、若く、潜在力と希望溢れる大陸。日本は、長年にわたり、アフリカのオーナーシップと国際社会によるパートナーシップとの精神に基づき、協力を推進してきた。
- 8月には日本で首脳級の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)を開催予定であり、諸課題への解決策をアフリカ諸国と共に創るべく取り組んでいく考え。TICAD9での成果をG20の取組に繋げていきたい。
- 岩屋大臣から、G20に関する評価等について概要以下を述べました。
G20の重要性が増すにつれ、扱う分野の裾野が広がってきている。G20の本来の役割、これまでの成果や課題をレビューすることに賛成する。最も重要なことは、今後、一層効果的・効率的かつ具体的な行動により、国際社会の問題解決を主導するようなフォーラムにしていくこと。メンバー間でよく議論していきたい。 - 最後に、岩屋大臣から、議長国南アフリカのおもてなしに謝意を述べつつ、日本はG20ヨハネスブルク・サミットの成功に向けて積極的に貢献していく旨述べました。