【岩屋外務大臣】冒頭、1点、御報告がございます。
5月19日から23日まで、大阪・関西万博ナショナルデーの機会に、パラグアイのペニャ大統領が訪日予定です。そして、私(岩屋大臣)は、大統領に同行して訪日中のラミレス外相と、この後、会談を行う予定です。
ラミレス外相との間で、価値や原則を共有し伝統的な友好国であるパラグアイとの二国間関係の深化や、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた一層の連携を確認したいと思っております。
冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。
冒頭発言
日・パラグアイ外相会談
米露電話首脳会談
【共同通信 阪口記者】昨晩行われました、米露の電話首脳会談についてお尋ねします。ロシアは、ウクライナに対して、併合宣言した東部・南部の4州からの軍撤退や、4州とクリミア半島のロシアの領有の承認を求めているとされています。米露電話会談自体の受け止めと、改めて、日本はこれまで「『誤った教訓』が導き出される状況が生まれることを許してはならない」と主張しておりますけれども、この立場にお変わりはないのか、お尋ねいたします。
【岩屋外務大臣】5月19日に実施されました米露首脳電話会談におきまして、ウクライナ情勢に関するやり取りが行われたと承知しております。こうした関係国による外交努力が、今後、事態の打開につながっていくことを期待したいと思います。
その上で、ウクライナにおける和平のあり方は、世界の安全保障、インド太平洋の安全保障にも大きな影響を与えるものであります。したがって、誤った教訓が導き出されてはならない。この我が国の立場・考え方に、何ら変わりはありません。
我が国としても、引き続き、早期の全面停戦及び公正かつ永続的な平和の実現に向けたロシア側の前向きな行動を強く期待したいと思います。今後とも、国際社会と、緊密に連携して取り組んでいきたいと思います。
ルーマニア大統領選挙の受け止め
【読売新聞 上村記者】ルーマニア大統領選についてお伺いします。18日に行われた決選投票の結果、親EU派のダン候補が勝利しました。まず、この選挙結果に対する受け止めをお聞かせください。
【岩屋外務大臣】5月18日、ルーマニアにおきまして、大統領選挙の決選投票が実施され、同19日、ルーマニア中央選挙管理局が、親EU政策を掲げるダン候補が過半数の得票を得たとの開票結果を公表したと承知しております。
これに先立って昨年11月に実施された第1回目の投票では、ルーマニア憲法裁判所によって、多数の不正行為と選挙違反が確認されたという理由で、無効と判断されたと承知しています。そして、いわゆる今回のやり直し選挙の結果として、先ほど申し上げたダン候補が当選されたと承知しています。
日本政府の立場から、他国における司法判断、あるいは選挙の結果について評価することは差し控えたいと思いますが、今後、正式に大統領に就任する見込みの当選されたダン候補との間を含め、引き続き、価値や原則を共有するパートナーであるルーマニアとの間で、二国間関係の強化、国際場裡における連携強化について取り組んでいきたいと考えております。
外国からの情報操作
【読売新聞 上村記者】もう一点お伺いします。今おっしゃった不正行為の多くは、ロシアによる干渉だったとされております。日本では、こうした外国勢力からの干渉であったり、認知戦に対して、今外務省としてどのような対策を講じているかお聞かせください。
【岩屋外務大臣】目下、地政学的な競争が激化しておりますし、インターネット社会ですから、外国からの情報操作による情報戦が恒常的に生起しております。そうした中で、我が国の重要政策に関する情報空間の動向について、AIなども活用しながら、情報収集・分析を行って、その結果を踏まえて、戦略的な対外発信を適時適切に行っていくように努めているところです。
また、外国からの情報操作につきましては、多くの国でも、今、問題意識が高まっております。これまでもG7などの多国間の場において、あるいは米国などとの二国間での情報共有や対応能力の強化に向けた協議など行ってきております。
今後とも、関係省庁とも緊密に連携しながら、外国からの情報操作への対応能力を一層強化していきたいと考えております。