- ネパール政府は、同国の脆弱な保健医療体制の改善に向け、すべての国民に対する質の高い医療サービスの提供を政策目標に掲げています。こうした中、同国では経済発展に伴う交通量の増加による外傷患者の増加や、脳卒中、心臓病等の非感染性疾患の拡大等に伴う救急患者の増加により、医療施設の病床及び医療機材が不足しています。
- 本協力は、首都カトマンズの郊外に位置し、同国最大の医療施設の一つとして広域医療の拠点となっているドゥリケル病院において、外傷・救急センターの建設及び関連機材を整備することで、ネパールの医療サービスの強化を図り、同国の保健医療サービスの質の向上、ひいては同国の経済成長及び貧困削減に貢献することが期待されます。
- この協力は、令和5年10月に、32.96億円を限度とする無償資金の提供を行ったものの、物価高騰等の影響により資金が不足したことから、今般、5.73億円の追加贈与を行い、限度額を38.69億円に変更するものです。

5月16日(現地時間同日)、ネパールの首都カトマンズにおいて、現地訪問中の生稲晃子外務大臣政務官及びビシュヌ・プラサド・ポーデル副首相兼財務大臣(Hon'ble Mr. Bishnu Prasad Paudel, Deputy Prime Minister and Finance Minister)の立ち会いの下、前田徹駐ネパール日本国特命全権大使と、ガンシャム・ウパディヤ・ネパール財務省次官(Mr. Ghanshyam UPADHYAYA, Secretary, Ministry of Finance of Nepal)との間で、無償資金協力「ドゥリケル病院外傷・救急センター整備計画」の追加贈与(5.73億円)に関する書簡の交換が行われました。
(参考)ネパール基礎データ
ネパールは、面積約14万7千平方キロメートル(北海道の約1.8倍)、人口約3,054万人(2022年、世界銀行)、人口1人当たり国民総所得(GNI)は1,340米ドル(2022年、世界銀行)。