- 日本からは、宮路拓馬外務副大臣、大串正樹経済産業副大臣が参加し、貿易円滑化のためのAIイノベーション、多角的貿易体制を通じた連結性及び持続可能な貿易を通じた繁栄について議論を行いました。会合の概要は以下のとおりです。
- 宮路外務副大臣は、AIの活用は貿易・投資の拡大やサプライチェーンの強靭化とともに、あらゆる経済・社会面でのアジア太平洋地域の持続可能な成長への貢献が期待される一方、そのリスクや課題にも対処しなければならない旨指摘し、日本が2019年(令和元年)に定めた「人間中心のAI社会原則」やリスクに対応する規制と技術革新の促進の両立を重視した日本初のAI法案を紹介しました。また、2023年(令和5年)に立ち上げた広島AIプロセスに従い、全てのAI関係者向けの国際指針及び生成AI開発組織向けの国際行動規範を策定した点を紹介し、アジア太平洋地域におけるAI・デジタル技術の能力構築に取り組んでいく決意を表明しました。
- 宮路外務副大臣は、アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄を目指し、自由で開かれた、公正な貿易・投資を推進し、WTOを中核とするルールに基づく多角的貿易体制を強く支持する決意を表明し、WTO改革を粘り強く進めていく必要性を強調しました。また、「開発のための投資円滑化協定」や「電子商取引協定」について、WTO協定への早期組み込みや両協定の重要性を述べました。
- 宮路外務副大臣は、持続可能なサプライチェーンの実現には、税関や貿易関連手続の簡素化やデジタル化が不可欠である点を指摘し、「スマート税関構想2020」における取組を紹介しました。また、本年6月に東京で質の高い都市インフラに係る国際会議を主催する旨発表し、APEC内の知見の共有に貢献していくことを表明しました。
令和7年5月16日



5月15日及び16日(現地時間同日)、韓国・済州において、チョン・インギョ(鄭仁敎)通商交渉本部長(H.E. Mr. CHEONG Inkyo, Minister for Trade of the Republic of Korea)の議長の下、APEC貿易担当大臣会合が開催されました。
(参考2)APEC参加国及び地域(21エコノミー)
オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム(APECには、香港は「ホンコン・チャイナ」、台湾は「チャイニーズ・タイペイ」の名称で参加)