岩屋外務大臣のアラブ・ニュース紙(サウジアラビア)への寄稿「日本・サウジアラビア関係の新時代の幕開け」

4.30 (水) 17:40
0
0
令和7年4月30日

日本国外務大臣の岩屋毅です。私は今回、国際社会を分断から協調へと導くという考えの下、中東地域のみならず、世界の平和、安定、そして繁栄に大きな役割を担うサウジアラビアを訪問することとしました。

サウジアラビアは、ムハンマド皇太子殿下のリーダーシップの下、「サウジ・ビジョン 2030」に基づき、産業の多角化や脱炭素化を目指して経済社会の大規模な改革に取り組み、目覚ましい発展を遂げています。私の外務大臣としての初めての中東訪問として、サウジアラビアを訪問できることは大変意義深いと考えております。

日本とサウジアラビアは、今年外交関係樹立 70 周年を迎える戦略的パートナーです。1955年の外交関係樹立以来、両国関係は様々な分野で発展を遂げてきました。特に、日本の皇室とサウジアラビアの王室との友好関係は、重要な柱となっています。

長年にわたり我が国への安定した原油供給先となってきたサウジアラビアは、日本にとって、エネルギー安全保障上、非常に重要な国であり続けてきました。

日本は、自らの知見や先端技術の提供を通じて、「サウジ・ビジョン 2030」に全面的に協力しています。エネルギーや産業の分野で両国が築いてきた友情と信頼は、水素・アンモニアの利活用を含めた再生可能エネルギー、学術、エンターテイメント等、多岐にわたる分野での協力へと発展しています。

柔道やサッカーといったスポーツの分野でも協力が進んでいるほか、両国の関係は高等教育分野にも及びます。これまで多くのサウジ人留学生が日本で学び、現在これらの元留学生は様々な分野で両国の懸け橋として活躍しています。

4月13日、日本では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした大阪・関西万博が開幕しました。バドル・ビン・アブドゥラー・ビン・ファルハン文化大臣が基調講演を行ってオープンしたサウジアラビア・パビリオンは、外国のパビリオンとしては、今回の万博で最大です。このパビリオンは、「より良い未来のために一緒に」のテーマの下、サウジアラビアの過去、現在、そして未来を紹介するもので、既に大変な好評を博しています。大阪・関西万博の後には、2030 年のリヤド万博にバトンを渡すことになります。

急速に変化する中東情勢の中、サウジアラビアは地域の安定促進に積極的な役割を果たしています。イスラエル・パレスチナ紛争の二国家解決に向けた国際会議の主催を主導したほか、スーダンにおける人道危機・紛争への対応においても仲介役を務めました。国際場裏においても、ウクライナ情勢に関する協議の開催や関係者間の対話の場の提供など、重要な役割を果たしています。

地域の真の平和は、パレスチナ問題の解決なしには訪れません。二国家解決を支持する日本の立場は揺るぎなく、信頼醸成やパレスチナの経済的自立について、今後も支援していく所存です。

日本は、歴史的にも米国や欧州諸国とは異なる独自の立場から、中東地域諸国と切れ目なく良好な関係を築いてきました。また、国際社会の責任ある一員として、これまで、ODAの実施や自衛隊要員の派遣に加えて、対話や人的交流の活性化等を通じて、中東地域の平和と安定に、着実にそして大きく貢献してきました。これらの取組を通じて築いてきたアラブの友人たちとの絆は、日本の外交資産となっています。

その土台の上で、現下の厳しい情勢にあっても、緊張緩和や情勢安定化、さらには長期的な平和の達成のため、外交努力を尽くしていきます。その際、G20の一員であり、アラブ・イスラム世界の平和と安定に主導的役割を担っているサウジアラビアとの連携は不可欠で す。

本年2月の外相級戦略対話の機会に、私はファイサル外務大臣と共に、両国首脳を議長とする戦略的パートナーシップ協議会を設置する覚書に署名しました。これは両国の未来に向けた協力を両首脳の下でより一層強化するための重要な枠組みとなります。

既に非常に高いレベルにある二国間関係の下、日本とサウジアラビアは、一層友情を深め、国際社会の平和と安定そして両国の発展のために緊密な協力を更に推進できると確信しています。サウジアラビアの春の砂漠に咲き誇る紫の花のように新しい時代の幕開けを迎え る本年、これまでの70年の歩みに敬意を表し、次の70年、そしてその先の明るい未来に向かって、共に歩んでまいりましょう。日本の外務大臣として、この関係の更なる強化のために尽力していく決意です。


令和7年4月30日

日本国外務大臣の岩屋毅です。私は今回、国際社会を分断から協調へと導くという考えの下、中東地域のみならず、世界の平和、安定、そして繁栄に大きな役割を担うサウジアラビアを訪問することとしました。

サウジアラビアは、ムハンマド皇太子殿下のリーダーシップの下、「サウジ・ビジョン 2030」に基づき、産業の多角化や脱炭素化を目指して経済社会の大規模な改革に取り組み、目覚ましい発展を遂げています。私の外務大臣としての初めての中東訪問として、サウジアラビアを訪問できることは大変意義深いと考えております。

日本とサウジアラビアは、今年外交関係樹立 70 周年を迎える戦略的パートナーです。1955年の外交関係樹立以来、両国関係は様々な分野で発展を遂げてきました。特に、日本の皇室とサウジアラビアの王室との友好関係は、重要な柱となっています。

長年にわたり我が国への安定した原油供給先となってきたサウジアラビアは、日本にとって、エネルギー安全保障上、非常に重要な国であり続けてきました。

日本は、自らの知見や先端技術の提供を通じて、「サウジ・ビジョン 2030」に全面的に協力しています。エネルギーや産業の分野で両国が築いてきた友情と信頼は、水素・アンモニアの利活用を含めた再生可能エネルギー、学術、エンターテイメント等、多岐にわたる分野での協力へと発展しています。

柔道やサッカーといったスポーツの分野でも協力が進んでいるほか、両国の関係は高等教育分野にも及びます。これまで多くのサウジ人留学生が日本で学び、現在これらの元留学生は様々な分野で両国の懸け橋として活躍しています。

4月13日、日本では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした大阪・関西万博が開幕しました。バドル・ビン・アブドゥラー・ビン・ファルハン文化大臣が基調講演を行ってオープンしたサウジアラビア・パビリオンは、外国のパビリオンとしては、今回の万博で最大です。このパビリオンは、「より良い未来のために一緒に」のテーマの下、サウジアラビアの過去、現在、そして未来を紹介するもので、既に大変な好評を博しています。大阪・関西万博の後には、2030 年のリヤド万博にバトンを渡すことになります。

急速に変化する中東情勢の中、サウジアラビアは地域の安定促進に積極的な役割を果たしています。イスラエル・パレスチナ紛争の二国家解決に向けた国際会議の主催を主導したほか、スーダンにおける人道危機・紛争への対応においても仲介役を務めました。国際場裏においても、ウクライナ情勢に関する協議の開催や関係者間の対話の場の提供など、重要な役割を果たしています。

地域の真の平和は、パレスチナ問題の解決なしには訪れません。二国家解決を支持する日本の立場は揺るぎなく、信頼醸成やパレスチナの経済的自立について、今後も支援していく所存です。

日本は、歴史的にも米国や欧州諸国とは異なる独自の立場から、中東地域諸国と切れ目なく良好な関係を築いてきました。また、国際社会の責任ある一員として、これまで、ODAの実施や自衛隊要員の派遣に加えて、対話や人的交流の活性化等を通じて、中東地域の平和と安定に、着実にそして大きく貢献してきました。これらの取組を通じて築いてきたアラブの友人たちとの絆は、日本の外交資産となっています。

その土台の上で、現下の厳しい情勢にあっても、緊張緩和や情勢安定化、さらには長期的な平和の達成のため、外交努力を尽くしていきます。その際、G20の一員であり、アラブ・イスラム世界の平和と安定に主導的役割を担っているサウジアラビアとの連携は不可欠で す。

本年2月の外相級戦略対話の機会に、私はファイサル外務大臣と共に、両国首脳を議長とする戦略的パートナーシップ協議会を設置する覚書に署名しました。これは両国の未来に向けた協力を両首脳の下でより一層強化するための重要な枠組みとなります。

既に非常に高いレベルにある二国間関係の下、日本とサウジアラビアは、一層友情を深め、国際社会の平和と安定そして両国の発展のために緊密な協力を更に推進できると確信しています。サウジアラビアの春の砂漠に咲き誇る紫の花のように新しい時代の幕開けを迎え る本年、これまでの70年の歩みに敬意を表し、次の70年、そしてその先の明るい未来に向かって、共に歩んでまいりましょう。日本の外務大臣として、この関係の更なる強化のために尽力していく決意です。


コメント

ログインしてコメントを書く。

ランキング


News Thumbnail
1

石破総理大臣による海上自衛隊艦艇の激励


News Thumbnail
2

石破佳子総理夫人動静(4月30日(水曜日))


News Thumbnail
3

【福岡】「産業を育て、働く場を増やし、手取りを増やす政治を実現する」川元けんいち福岡県参議院総支部長が玉木代表と街頭演説


News Thumbnail
4

バベ赤十字・赤新月常置委員会委員長の訪日


News Thumbnail
5

中村外務省地球規模課題審議官とハオリャン国連事務次長兼国連開発計画(UNDP)副総裁との意見交換


Copyright © Fast Fact since 2023.