- 冒頭
上川大臣から、日本とカンボジアは、長年の協力を経て、両国が連携できる分野は着実に拡大しており、今後の両国間協力では、人材育成と日本の技術活用に重点を置き、カンボジアの持続性強化と更なる社会的価値の共創に向けて、協力していきたい旨述べました。
これに対し、フン・マネット首相から、上川大臣の訪問を歓迎する旨述べるとともに、長年にわたる日本政府・日本国民からの支援に感謝する、「包括的戦略的パートナーシップ」の下で、両国間の協力をさらに発展させていきたい旨述べました。
また、上川大臣から、先日、クメール・ルージュ裁判高審に野口元郎予備判事が就任したことを歓迎したのに対し、フン・マネット首相から、同判事の活躍を期待する旨述べました。 - 二国間関係
- 上川大臣から、カンボジアが重視する持続可能性やデジタル経済社会の発展のため、日本が強みとする水及びデジタル分野で協力を進展させたい、デジタル分野では、オファー型協力を推進するとともに、5Gを含む基幹通信インフラ整備で、我が国の知見も生かして協力していきたい、サイバーセキュリティ強化の協力も継続したい旨述べました。
これに対し、フン・マネット首相は、水分野の日本からの支援はカンボジア国民の健康にとって重要である、また、カンボジア政府はデジタル経済社会の発展を重視しており、日本との協力を推進したい旨述べました。 - 上川大臣から、シハヌークビル港を地域の中核港及び物流拠点として発展させるべく、協力を進めて行きたい、日本企業の投資誘致でも協力していきたく、投資環境改善のため、日本政府としてプノンペンの送配電網拡張整備に80億円の円借款を供与する方針を決定した旨述べました。
これに対し、フン・マネット首相は、カンボジア政府としてもシハヌークビル港を地域の中核港及び物流拠点として発展させることを重視している、引き続き協力していきたい旨述べました。 - 上川大臣から、安全保障分野においては、海上自衛隊のリアム基地寄港を含め協力していきたい旨述べました。
これに対し、フン・マネット首相は、日カンボジア間の安全保障分野における協力の進展を歓迎しており、上川大臣の発言に同意する、海上分野も重視している、この分野でも日本と協力・連携を強化していきたい旨述べました。 - 上川大臣から、両国の長年の地雷協力実績を基盤として、第三国支援が進展していることに歓迎の意を表するとともに、今後、第三国支援や地雷除去関連技術の開発での協力のほか、国際社会における啓発でも協力したい旨述べました。
これに対し、フン・マネット首相は、日本によるこれまでのカンボジアの地雷対策支援に謝意を表明するとともに、上川大臣のイニシアティブに賛同する、ウクライナを含む第三国の地雷対策支援で日本と連携していきたい旨述べました。 - 両者はカンボジアの民主的発展についても議論しました。
- 上川大臣から、カンボジアが重視する持続可能性やデジタル経済社会の発展のため、日本が強みとする水及びデジタル分野で協力を進展させたい、デジタル分野では、オファー型協力を推進するとともに、5Gを含む基幹通信インフラ整備で、我が国の知見も生かして協力していきたい、サイバーセキュリティ強化の協力も継続したい旨述べました。
- 地域・国際情勢
上川大臣とフン・マネット首相は、東・南シナ海情勢、イスラエル・パレスチナ情勢といった地域・国際社会の諸課題についても意見交換を行い、北朝鮮、ロシアのウクライナ侵略、ミャンマー情勢を始めとする国際情勢に関しても連携していくことで一致しました。
令和6年7月6日
現地時間7月6日午前9時（日本時間同日午前11時）から約90分間、カンボジア王国を訪問中の上川陽子外務大臣は、フン・マネット・カンボジア王国首相（Samdech Moha Borvor Thipadei HUN Manet, Prime Minister of the Kingdomof Cambodia）を表敬したところ、概要は以下のとおりです。
