岩屋外務大臣会見記録 (10月4日17時09分)

10.4 (金) 20:40
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冒頭発言:石破総理の所信表明演説

【岩屋外務大臣】冒頭、特段のトピックはないんですけれども、本日、衆参の両院で、石破総理から所信の表明演説がございました。
 かなりの部分が外交に割かれておりまして、これまでの日本外交の成果の上に、更にこれを発展させていく、同盟国・同志国との関係を、より強固にするとともに、中国とは、「建設的かつ安定的な関係」を築いていく、グローバル・サウスとも、しっかり連携していく、という御趣旨の所信の表明がございまして、改めて、その総理の御指示に沿って、しっかり外交を展開していかなければいけないという思いを強くしたところです。
 そのことだけ、冒頭に申し上げて、御質問を受けたいと思います。よろしくお願いします。

抑止力強化に向けた法整備

【日経新聞 馬場記者】抑止力強化についてお伺いします。中谷防衛大臣は、就任会見で、石破総理から、安全保障に関する法整備を含め、抑止力の基盤強化に向けた検討を行う旨の指示があったと御発言をされていました。岩屋大臣に、そのような指示があったのでしょうか。また、そのような法整備を含めて、抑止力の更なる強化について、現在の厳しい国際情勢の中で、どのような必要性があるか、改めて御認識をお伺いいたします。

【岩屋外務大臣】石破総理からは、冒頭申し上げたように、これまでの日本外交の積み重ねを踏まえて、更にこの成果を発展・充実させてもらいたい、という御支持をいただいております。
 抑止力の更なる強化の必要性ということについては、現在、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が、挑戦に、重大な挑戦にさらされている、という状況にあると考えておりますので、特に、我が国は、周辺に強大な軍事力が集中しておりますし、そこに加えて、北朝鮮の核・ミサイルの問題もございます。また、中国の軍事力も、透明性という意味では、不十分な点もあると認識しております。
 そういう戦後最も厳しい安全保障環境の中にあると考えておりますので、このような中で、我が国の領土、領海、領空、地域の平和と安定、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜いていくということが、政府としての重要な責務であると考えています。
 外務省としては、これまでの安全保障上の施策の積み重ねを踏まえて、日米同盟の一層の深化、あるいは強化、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた更なる取組、同志国との一層の連携、周辺国との外交といった戦略的アプローチを着実に実施することによって、我が国を取り巻く安保環境が少しでも改善していくように取り組んでいきたいというふうに考えております。

中東情勢(ハマスによるイスラエル攻撃から1年)

【産経新聞 原川記者】中東情勢に関してお伺いいたします。この10月7日で、ハマスがイスラエルにテロ攻撃を行って、ちょうど1年を迎えるということなんですけれども、この間、日本政府としては、この中東の平和と安定のために、様々外交的な取組をしてきたとは承知しておりますけれども、結果として、停戦にも至っておりませんし、むしろ、その戦禍が広がって、状況・情勢が悪化し、複雑化しているというのが現状だと思います。これを踏まえてお伺いしたいんですけれども、この外交努力にもかかわらず、現状はこうなって悪化したことについて、どう考えているかということと、今後、岩屋外務大臣として、この中東の平和と安定のために、どのように取り組まれるか。特に、日本としてできること、日本だからできることについてのお考えも含めて、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【岩屋外務大臣】御指摘のように、ハマスによるイスラエル攻撃から、来週、ちょうど1年が経過、7日で1年が経過をするわけでございます。
 この機に当たって、改めて犠牲になられた方々に、心から哀悼の意を捧げたいと思います。特に、こういう時には、女性や、お子さん方が、多く犠牲になるわけですね。御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 戦闘が非常に長期化しております。また、ガザ地区においては、危機的な人道状況が続いていると承知しております。今もなお、イスラエル、そして、パレスチナ双方の市民の安全が、脅威にさらされ続けているという状況にございます。
 我が国は、一貫してハマス等によるテロ攻撃を断固として非難してきておりますし、今なお、人質になっている方々の即時解放を求めてまいりました。
 また、日本としては、イスラエルをも含む全ての当事者、関係者に対して、国際人道法を含む国際法を遵守するように、引き続き、求めていきたいと思っておりまして、一刻も早い停戦の実現に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。
 また、米国、エジプト、カタールが、人質解放と停戦をめぐる交渉の実現に尽力しているという、この仲介努力を支持したいと思っております。
 引き続いて、これまでの日本と地域諸国との関係を基盤にして、G7や国連安保理の一員として、各国とも緊密に連携しながら、事態の沈静化、二国家解決の実現、そして、中長期的な地域の平和と安定の確立に向けて、外交努力をしっかり重ねていきたいと思っているところでございます。

中東情勢(日本の外交方針)

【朝日新聞 里見記者】今の中東情勢の関連でお尋ねなんですけれども、同じように、ちょっと総括的な質問にはなってしまうんですが、この1年間、日本は、アラブとイスラエルの間で、独自のバランスをとる、というようなことを目指してきましたけれども、一方で、欧米に同調するという側面もあって、「ダブル・スタンダード」だったという指摘もあります。まず、この点、どう捉えていらっしゃるかというのが一つと、関連で、一連の国連決議で、一方でG7から独立した対応もとってきましたけれども、共同歩調を取らなかったという判断の背景というか、その経緯というのを教えていただけたらと思います。

【岩屋外務大臣】ガザ情勢については、先ほども申し上げたように、我が国として、全ての当事者が、国際人道法を含む国際法を遵守すべきだという一貫した立場をとってきております。イスラエルに対するものも含め、様々なレベルで、精力的に働きかけを行ってきておりますので、ダブル・スタンダードという指摘は当たらないものと考えております。
 また、御指摘があった安保理を含む国連での議論について、我が国は、当事者間の交渉を通じた「二国家解決」を支持しているわけでございます。今の状況改善のために、何が現実的なアプローチかという観点から、外交努力を積極的かつ粘り強く、展開していきたいと思っておりまして、一貫した立場に基づいて、対応してきていると御理解をいただきたいと思います。
 今後とも、中東地域において、我が国、日本外交が築いてきた独自の立場を最も効果的に活用して、和平プロセスの進展に貢献していきたいというふうに考えています。

中東情勢(イラン在留邦人保護)

【共同通信 西山記者】同じく中東情勢について伺います。イランは、1日、イスラエルに弾道ミサイルを発射しました。レバノンで、親イラン民兵組織ヒズボッラーの指導者ナスラッラー師が殺害されたことへの報復としています。今後、イラン国内からの邦人退避は必要と考えていますか。防衛相に輸送の依頼をすることを含め、外務省の現状認識を伺います。

【岩屋外務大臣】現在、イランには、「危険レベル3・渡航中止勧告」、または、「危険レベル4・退避勧告」が発出されておりまして、在留邦人に対しては、定期商用便が運行されている間の、早期出国を呼びかけているところでございます。
 また、10月1日の、今、御指摘あったイランによるイスラエルに対する大規模攻撃の直後には、在イラン大使館及び外務省から、現地の在留邦人に対して、安全に一層注意するように注意喚起を行ったところでございます。
 現時点で、例えば、自衛隊機派遣などということは何も決まっていませんけれども、邦人退避ということに関して、いかなる事態にも対応できるように、万全を期していきたいと考えております。

ポール・ワトソン容疑者の身柄拘束

【AFP通信 長谷川記者】捕鯨問題に関しての質問です。反捕鯨団体シー・シェパードの創始者のポール・ワトソン容疑者が、デンマーク領グリーンランドで7月に勾留されて、勾留期限が、10月23日なっております。日本政府は、引き渡しを求めていますけれども、ワトソン氏に関しては、反捕鯨国を中心に、ヨーロッパ、欧米の方で、彼を擁護するような立場、結構強く見られます。そういった面から考えて、この引き渡しを求めるということに関して、日本にとって、外交的なダメージですとか、何か評判という面で、マイナスっていう懸念はないのでしょうか。また、そもそも、なぜ引き渡しを求めて、日本で司法手続きをしたいんでしょうか。あと、関連して、デンマーク政府と、今、具体的に、どのようなやり取りをしておられるのか、お話しできる範囲でお願いします。

【岩屋外務大臣】今、御指摘があったポール・ワトソン容疑者は、もちろん、御承知のことと思いますが、2010年2月に発生した反捕鯨団体シー・シェパードの活動家による我が国の調査捕鯨船乗組員に対する傷害、器物損壊等の事件の共犯として、逮捕状の発付を受けた上、インターポールによって国際手配されていたところでございます。
 これを受けまして、7月21日、デンマーク自治領グリーンランドの警察が、インターポールの国際手配に基づいて、ポール・ワトソン容疑者の身柄を拘束をしたということでございます。したがって、我が国としては、デンマーク政府に対して、同容疑者の身柄の引き渡しを、今、要請しているところでございます。
 これは、捕鯨問題ということよりも、海上における法執行の問題だと考えておりまして、そこで、このような事件が起こり、逮捕状が発付されている以上は、デンマーク当局に対して、必要な働きかけを適切にしていきたいと思っておりますが、デンマーク当局との外交上のやり取りの詳細については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

中東情勢(レバノン在留邦人退避)

【AP通信 小野記者】すみません、話を中東に戻させていただきます。レバノンの邦人退避、今、現在行われているところだと存じますが、どのような規模で、どのような時間軸でお考えなのか。そして、在留を希望なさる邦人に対して、どのようなサポートを考えていらっしゃるのか、教えてください。

【岩屋外務大臣】現在、レバノン全土に「危険レベル4・退避勧告」が発出されておりまして、繰り返し、在留邦人に対しては、早期の出国を呼びかけているところでございます。
 その上で、10月3日に、情勢の急激の悪化を受けて、日本政府によるチャーター船で、支援要員の大使館員1名を含む邦人2名、つまり大使館員が付いて、お一方を、ベイルートからキプロスに、退避していただいたということをやりました。
 また、自衛隊機については、先月27日に、外務大臣から、前外務大臣ということになりますが、防衛大臣に対しまして、邦人輸送に向けた準備の開始を依頼して、日本時間の4日早朝に、ヨルダンに到着をしたところでございます。
 私(岩屋大臣)は、昨夜、ヨルダンのサファディ外務大臣と電話会談をいたしまして、是非、日本の自衛隊機の運用について、御支援をいただきたいということで、サファディ大臣からは、「万全の措置を執る」というお話をしていただいたところでございます。
 今後の自衛隊機による、邦人等の輸送の見通しについては、自衛隊機の運用に関わることでもありますし、また、邦人の安全確保に影響を及ぼす恐れもありますので、お答えすることは差し控えたいと思いますが、引き続き、邦人退避については、あらゆる事態に対応できるように、万全の準備していきたい、措置を執っていきたいと思っております。

北朝鮮による拉致問題

【朝日新聞 里見記者】度々すみません。全然話題が変わって、北朝鮮の拉致問題で、1点お尋ねできたらと思うんですが、今朝方の一部報道で、石破首相が、拉致被害者家族会側に、東京と平壌に連絡事務所開設を検討する、という考え方を伝えたという報道があったわけですけれども、これについて、外務省として把握している事実関係と、外務大臣としてのお考えをお尋ねできたらと思います。

【岩屋外務大臣】報道の詳細は、私(岩屋大臣)は、承知しておりませんが、石破総理が、家族会の方々に、お電話をされたということは承知しております。その際の具体的な発言については、対外的には言及しないということになっていると承知しています。
 いずれにしても、被害者御家族の皆さんも、大変高齢になっておられますし、時間的な制約のある問題ですから、ひとときもゆるがせにできない問題だと考えております。
 政府としては、外務省としても、引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で取り組んでいきたいと思っております。

冒頭発言:石破総理の所信表明演説

【岩屋外務大臣】冒頭、特段のトピックはないんですけれども、本日、衆参の両院で、石破総理から所信の表明演説がございました。
 かなりの部分が外交に割かれておりまして、これまでの日本外交の成果の上に、更にこれを発展させていく、同盟国・同志国との関係を、より強固にするとともに、中国とは、「建設的かつ安定的な関係」を築いていく、グローバル・サウスとも、しっかり連携していく、という御趣旨の所信の表明がございまして、改めて、その総理の御指示に沿って、しっかり外交を展開していかなければいけないという思いを強くしたところです。
 そのことだけ、冒頭に申し上げて、御質問を受けたいと思います。よろしくお願いします。

抑止力強化に向けた法整備

【日経新聞 馬場記者】抑止力強化についてお伺いします。中谷防衛大臣は、就任会見で、石破総理から、安全保障に関する法整備を含め、抑止力の基盤強化に向けた検討を行う旨の指示があったと御発言をされていました。岩屋大臣に、そのような指示があったのでしょうか。また、そのような法整備を含めて、抑止力の更なる強化について、現在の厳しい国際情勢の中で、どのような必要性があるか、改めて御認識をお伺いいたします。

【岩屋外務大臣】石破総理からは、冒頭申し上げたように、これまでの日本外交の積み重ねを踏まえて、更にこの成果を発展・充実させてもらいたい、という御支持をいただいております。
 抑止力の更なる強化の必要性ということについては、現在、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が、挑戦に、重大な挑戦にさらされている、という状況にあると考えておりますので、特に、我が国は、周辺に強大な軍事力が集中しておりますし、そこに加えて、北朝鮮の核・ミサイルの問題もございます。また、中国の軍事力も、透明性という意味では、不十分な点もあると認識しております。
 そういう戦後最も厳しい安全保障環境の中にあると考えておりますので、このような中で、我が国の領土、領海、領空、地域の平和と安定、そして、国民の生命と財産を断固として守り抜いていくということが、政府としての重要な責務であると考えています。
 外務省としては、これまでの安全保障上の施策の積み重ねを踏まえて、日米同盟の一層の深化、あるいは強化、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた更なる取組、同志国との一層の連携、周辺国との外交といった戦略的アプローチを着実に実施することによって、我が国を取り巻く安保環境が少しでも改善していくように取り組んでいきたいというふうに考えております。

中東情勢(ハマスによるイスラエル攻撃から1年)

【産経新聞 原川記者】中東情勢に関してお伺いいたします。この10月7日で、ハマスがイスラエルにテロ攻撃を行って、ちょうど1年を迎えるということなんですけれども、この間、日本政府としては、この中東の平和と安定のために、様々外交的な取組をしてきたとは承知しておりますけれども、結果として、停戦にも至っておりませんし、むしろ、その戦禍が広がって、状況・情勢が悪化し、複雑化しているというのが現状だと思います。これを踏まえてお伺いしたいんですけれども、この外交努力にもかかわらず、現状はこうなって悪化したことについて、どう考えているかということと、今後、岩屋外務大臣として、この中東の平和と安定のために、どのように取り組まれるか。特に、日本としてできること、日本だからできることについてのお考えも含めて、お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【岩屋外務大臣】御指摘のように、ハマスによるイスラエル攻撃から、来週、ちょうど1年が経過、7日で1年が経過をするわけでございます。
 この機に当たって、改めて犠牲になられた方々に、心から哀悼の意を捧げたいと思います。特に、こういう時には、女性や、お子さん方が、多く犠牲になるわけですね。御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 戦闘が非常に長期化しております。また、ガザ地区においては、危機的な人道状況が続いていると承知しております。今もなお、イスラエル、そして、パレスチナ双方の市民の安全が、脅威にさらされ続けているという状況にございます。
 我が国は、一貫してハマス等によるテロ攻撃を断固として非難してきておりますし、今なお、人質になっている方々の即時解放を求めてまいりました。
 また、日本としては、イスラエルをも含む全ての当事者、関係者に対して、国際人道法を含む国際法を遵守するように、引き続き、求めていきたいと思っておりまして、一刻も早い停戦の実現に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。
 また、米国、エジプト、カタールが、人質解放と停戦をめぐる交渉の実現に尽力しているという、この仲介努力を支持したいと思っております。
 引き続いて、これまでの日本と地域諸国との関係を基盤にして、G7や国連安保理の一員として、各国とも緊密に連携しながら、事態の沈静化、二国家解決の実現、そして、中長期的な地域の平和と安定の確立に向けて、外交努力をしっかり重ねていきたいと思っているところでございます。

中東情勢(日本の外交方針)

【朝日新聞 里見記者】今の中東情勢の関連でお尋ねなんですけれども、同じように、ちょっと総括的な質問にはなってしまうんですが、この1年間、日本は、アラブとイスラエルの間で、独自のバランスをとる、というようなことを目指してきましたけれども、一方で、欧米に同調するという側面もあって、「ダブル・スタンダード」だったという指摘もあります。まず、この点、どう捉えていらっしゃるかというのが一つと、関連で、一連の国連決議で、一方でG7から独立した対応もとってきましたけれども、共同歩調を取らなかったという判断の背景というか、その経緯というのを教えていただけたらと思います。

【岩屋外務大臣】ガザ情勢については、先ほども申し上げたように、我が国として、全ての当事者が、国際人道法を含む国際法を遵守すべきだという一貫した立場をとってきております。イスラエルに対するものも含め、様々なレベルで、精力的に働きかけを行ってきておりますので、ダブル・スタンダードという指摘は当たらないものと考えております。
 また、御指摘があった安保理を含む国連での議論について、我が国は、当事者間の交渉を通じた「二国家解決」を支持しているわけでございます。今の状況改善のために、何が現実的なアプローチかという観点から、外交努力を積極的かつ粘り強く、展開していきたいと思っておりまして、一貫した立場に基づいて、対応してきていると御理解をいただきたいと思います。
 今後とも、中東地域において、我が国、日本外交が築いてきた独自の立場を最も効果的に活用して、和平プロセスの進展に貢献していきたいというふうに考えています。

中東情勢(イラン在留邦人保護)

【共同通信 西山記者】同じく中東情勢について伺います。イランは、1日、イスラエルに弾道ミサイルを発射しました。レバノンで、親イラン民兵組織ヒズボッラーの指導者ナスラッラー師が殺害されたことへの報復としています。今後、イラン国内からの邦人退避は必要と考えていますか。防衛相に輸送の依頼をすることを含め、外務省の現状認識を伺います。

【岩屋外務大臣】現在、イランには、「危険レベル3・渡航中止勧告」、または、「危険レベル4・退避勧告」が発出されておりまして、在留邦人に対しては、定期商用便が運行されている間の、早期出国を呼びかけているところでございます。
 また、10月1日の、今、御指摘あったイランによるイスラエルに対する大規模攻撃の直後には、在イラン大使館及び外務省から、現地の在留邦人に対して、安全に一層注意するように注意喚起を行ったところでございます。
 現時点で、例えば、自衛隊機派遣などということは何も決まっていませんけれども、邦人退避ということに関して、いかなる事態にも対応できるように、万全を期していきたいと考えております。

ポール・ワトソン容疑者の身柄拘束

【AFP通信 長谷川記者】捕鯨問題に関しての質問です。反捕鯨団体シー・シェパードの創始者のポール・ワトソン容疑者が、デンマーク領グリーンランドで7月に勾留されて、勾留期限が、10月23日なっております。日本政府は、引き渡しを求めていますけれども、ワトソン氏に関しては、反捕鯨国を中心に、ヨーロッパ、欧米の方で、彼を擁護するような立場、結構強く見られます。そういった面から考えて、この引き渡しを求めるということに関して、日本にとって、外交的なダメージですとか、何か評判という面で、マイナスっていう懸念はないのでしょうか。また、そもそも、なぜ引き渡しを求めて、日本で司法手続きをしたいんでしょうか。あと、関連して、デンマーク政府と、今、具体的に、どのようなやり取りをしておられるのか、お話しできる範囲でお願いします。

【岩屋外務大臣】今、御指摘があったポール・ワトソン容疑者は、もちろん、御承知のことと思いますが、2010年2月に発生した反捕鯨団体シー・シェパードの活動家による我が国の調査捕鯨船乗組員に対する傷害、器物損壊等の事件の共犯として、逮捕状の発付を受けた上、インターポールによって国際手配されていたところでございます。
 これを受けまして、7月21日、デンマーク自治領グリーンランドの警察が、インターポールの国際手配に基づいて、ポール・ワトソン容疑者の身柄を拘束をしたということでございます。したがって、我が国としては、デンマーク政府に対して、同容疑者の身柄の引き渡しを、今、要請しているところでございます。
 これは、捕鯨問題ということよりも、海上における法執行の問題だと考えておりまして、そこで、このような事件が起こり、逮捕状が発付されている以上は、デンマーク当局に対して、必要な働きかけを適切にしていきたいと思っておりますが、デンマーク当局との外交上のやり取りの詳細については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

中東情勢(レバノン在留邦人退避)

【AP通信 小野記者】すみません、話を中東に戻させていただきます。レバノンの邦人退避、今、現在行われているところだと存じますが、どのような規模で、どのような時間軸でお考えなのか。そして、在留を希望なさる邦人に対して、どのようなサポートを考えていらっしゃるのか、教えてください。

【岩屋外務大臣】現在、レバノン全土に「危険レベル4・退避勧告」が発出されておりまして、繰り返し、在留邦人に対しては、早期の出国を呼びかけているところでございます。
 その上で、10月3日に、情勢の急激の悪化を受けて、日本政府によるチャーター船で、支援要員の大使館員1名を含む邦人2名、つまり大使館員が付いて、お一方を、ベイルートからキプロスに、退避していただいたということをやりました。
 また、自衛隊機については、先月27日に、外務大臣から、前外務大臣ということになりますが、防衛大臣に対しまして、邦人輸送に向けた準備の開始を依頼して、日本時間の4日早朝に、ヨルダンに到着をしたところでございます。
 私(岩屋大臣)は、昨夜、ヨルダンのサファディ外務大臣と電話会談をいたしまして、是非、日本の自衛隊機の運用について、御支援をいただきたいということで、サファディ大臣からは、「万全の措置を執る」というお話をしていただいたところでございます。
 今後の自衛隊機による、邦人等の輸送の見通しについては、自衛隊機の運用に関わることでもありますし、また、邦人の安全確保に影響を及ぼす恐れもありますので、お答えすることは差し控えたいと思いますが、引き続き、邦人退避については、あらゆる事態に対応できるように、万全の準備していきたい、措置を執っていきたいと思っております。

北朝鮮による拉致問題

【朝日新聞 里見記者】度々すみません。全然話題が変わって、北朝鮮の拉致問題で、1点お尋ねできたらと思うんですが、今朝方の一部報道で、石破首相が、拉致被害者家族会側に、東京と平壌に連絡事務所開設を検討する、という考え方を伝えたという報道があったわけですけれども、これについて、外務省として把握している事実関係と、外務大臣としてのお考えをお尋ねできたらと思います。

【岩屋外務大臣】報道の詳細は、私(岩屋大臣)は、承知しておりませんが、石破総理が、家族会の方々に、お電話をされたということは承知しております。その際の具体的な発言については、対外的には言及しないということになっていると承知しています。
 いずれにしても、被害者御家族の皆さんも、大変高齢になっておられますし、時間的な制約のある問題ですから、ひとときもゆるがせにできない問題だと考えております。
 政府としては、外務省としても、引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で取り組んでいきたいと思っております。

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