- ウズベキスタンでは、手術需要の増加や事故外傷の患者数の増加等により、必要な成分輸血の需要が今後2倍以上増加することが見込まれていますが、同国では供血・輸血が患者の家族間で行われる割合が6割と非常に高く、一般献血由来の輸血用血液製剤による供血の割合は低い状況です。この状況に対して、同国保健省は、献血由来の血液製剤による供血率100%を目指していますが、そのためには、製造された血液製剤を適切に保管し、輸送する体制を構築する必要があります。
- この協力では、ウズベキスタン共和国血液センターに血液保管・輸送関連機材を整備し、増大する同国の血液需要に対応するとともに、一般献血由来の血液製剤の供血割合の増加を図ることを通じて、同国の国民の安全な血液製剤へのアクセスを向上させることを目指すもので、我が国の高い技術を活かして同国の医療体制を改善することが期待されます。
- 今回の首脳会合及び首脳共同宣言(東京宣言)において、中央アジア5か国との互恵的関係を強化するために立ち上げられた「CA+JAD東京イニシアティブ」では、「医療・保健」が協力の重要な方向性の一つとして挙げられており、この協力はこれを具体化するものです。この協力を通じ、我が国とウズベキスタンの友好関係の更なる強化に貢献することが期待されます。
12月20日に初めて首脳級で開催された「中央アジア+日本」対話(CA+JAD、カジャッド)・首脳会合に先立ち、12月17日(現地時間同日)、ウズベキスタン共和国の首都タシケントにおいて、中村真一郎在ウズベキスタン共和国日本国臨時代理大使と、アシルベック・フダヤーロフ・ウズベキスタン共和国保健大臣(H.E. Mr. Asilbek Khudayarov, Minister of Health of the Republic of Uzbekistan)との間で、ウズベキスタンの保健医療サービスの質及び医療アクセスの改善のために血液保管・輸送関連機材を供与する供与額3.60億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の署名・交換が行われました。
(参考)ウズベキスタン共和国基礎データ
ウズベキスタン共和国は、面積約44.7万平方メートル(日本の約1.2倍の大きさ)、人口約3,710万人(2025年、国連人口基金)、1人当たり国民総所得(GNI)は3,020米ドル(2024年、世界銀行)。
