【茂木外務大臣】昨晩、イラン、そして、イスラエルの大使、個別であります。それから、周辺国の大使、もしくは臨時代理大使と面会をいたしました。その件については、既に発表させていただいたとおりであります。
同時に、昨日、イスラエルから退避を希望する邦人について、5名の方、退避の支援を行いまして、無事ヨルダンのアンマンに到着したと、この件についても、既に発表させていただいたとおりであります。
私の方からは以上です。
冒頭発言
イラン情勢への日本の対応
質疑応答
イラン情勢(戦争長期化の可能性)
【共同通信 恩田記者】冒頭御紹介のありましたイラン情勢について伺います。トランプ米大統領は、対イランの軍事作戦は、必要であれば4週間から5週間続けると述べて、更に長期化の可能性にも触れています。米軍関係者にも犠牲が出ていますが、日本として、今回の攻撃を支持できるかどうか伺います。また、民間人にも被害が出ている中で、早期の停戦に向け、日本として、どう働きかけをするか伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】イランによります核兵器開発。これは国会でも答弁させていただいておりますが、決して許されないというのが我が国の一貫した立場であります。
また、我が国としては、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきました。その上で、我が国として、これまで関係国等とも連携しつつ、イランの核問題の解決に向けた外交努力を行ってきたところであります。そして、米・イラン間の協議、これは、イランの核問題の解決のために極めて重要であり、我が国としては、これを強く支持してきました。
その上で、今、何よりも重要なことは、事態の早期沈静化であると考えております。このために、私自身も 必要な外交努力行ってきておりまして、事態発生翌日の3月1日の朝には、G7の外相会合、これも実施をいたしました。
また、昨晩の大使等の会談につきましては、既に発表したところであります。これからも、電話会談を含めて、様々な働きかけは行っていきたいと思っておりまして、その都度発表させていただきたいと思っておりますが、今後もあらゆる機会を捉えて、関係国との意思疎通、及び連携を深めていきたいと、こんなふうに考えております。
イラン情勢を受けた邦人保護
【産経新聞 永原記者】私もイラン情勢についてお伺いします。大臣、昨日の衆院予算委員会で、イランの周辺国に7,700人の邦人がいることが明らかにされました。この7,700人がどの国に滞在しているのか、詳しい内訳と、今回、イランの攻撃が非常に広範囲に及んでいますが、どういった形で安全確保を図っていくのか、大臣のお考え、方針をお聞かせください。
【茂木外務大臣】申し上げておりますのは、イランだけではなくて、イラン、イスラエルの周辺国という形でありまして、その数が大体全体で7,700名となると。詳しい内訳、必要ですか。
クウェートに約160名、サウジアラビアに約720名、バーレーンに約190名、カタールに約710名、UAEに約5,500名、オマーンに約60名、ヨルダンに約210名、レバノンに約60名、そして、イラクに約120名、こういう内訳になっております。
外務省としては、イラン、イスラエルの周辺国を含みます地域全体の邦人保護、及び、海路・空路の状況把握を行いまして、関係者への情報提供を行うため、周辺国在住の在外公館から、1日3回の定期連絡、これを行うとともに、重要な情報については、即時に領事メール、これを発出しているところであります。
この領事メールは、たびレジ等に登録された方に配信される他、海外安全ホームページに掲載されまして、渡航中の方のみならず、本邦企業であったり留守の御家族の方々にも、広く御覧いただける形となっております。
また、実際現地で困難な状況がある場合には、最寄りの在外公館の領事が、相談・対応する体制、これを整えているところであります。
なお、昨日、3月2日、イスラエルからの出国に関しましては、既に報告をさせていただいたところであります。
引き続き、現地の状況であったりとか、邦人のニーズを踏まえて、万が一の事態に備えて、退避の準備を含めて、邦人の保護に万全を期していきたい、こんなふうに思っております。
失礼しました。オマーン60名と、私、言ったようでありますが、正しくは90名です。
イラン情勢(イランの核開発等)
【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
私の質問もイラン情勢についてです。
日本は、イスラエル及びアメリカによる攻撃について、イランに責任があるとの立場をとっているように見受けられます。これは、イランの核開発の野心がそのような攻撃を正当化し得るものであったことを示唆しているようにも思われます。
日本は、イランが核兵器を追求しているとするその主張を、どのような根拠に基づいて行っているのでしょうか。
また、イスラエルの核兵器についての日本の立場についても御説明いただけますか。イスラエルの核兵器は、中東諸国全体にとっての資産であると考えられているものですが、日本はこれをどのように見ているのでしょうか。
さらに、すべての当事者と良好な関係を維持している日本として、全体としての緊張緩和に向けた何らかの措置を検討しているのでしょうか。
以上、お伺いいたします。
【茂木外務大臣】 これまで日本は、イランの核問題、対話を通じた解決のために、外交努力を続けてきたところでありまして、イランに対しても、米国との協議であったりとか、国際原子力機関(IAEA)との完全な協力を求めてきました。核濃縮がイランにおいて進んでいた、このことについては御存じだと思います。そういう状況の中で、イランは、IAEAとの完全な協力に応じない姿勢を示してきておりまして、イランによります核開発に関する一層の透明性の向上が必要である旨は、日本としても、これまでも、一貫して主張をしてきたところであります。
また、イスラエル、自国の核兵器保有を確認も否定もしないとの方針をとっていると、このように承知をいたしております。いずれにしても、我が国は、国際的な核不拡散体制の維持・強化を重視する立場から、イスラエルを含みます関係国に対して、こうした我が国の考え方、引き続き、しっかりと伝えていきたいと考えているところであります。
イラン情勢(イラン攻撃に対する政府の立場)
【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】 イスラエル情勢について伺います。イランには、米本土を直接攻撃する能力がなく、差し迫った危険性もないにもかかわらず、将来の危険性を理由に、体制転覆を目的とした先制攻撃を行うのは、国際法が禁じている予防攻撃であり、決して正当化できないことは明らかだと思われます。現在は、戦争抑止のための国際法や国際秩序が瓦解するかどうかの歴史的分岐点だと考えます。また、石油危機の再来は、狂乱物価の再来をもたらすと思われます。日本の国益の観点から、また、法的正当性の観点から、この度のイランへの攻撃を、茂木大臣は、どのように御覧になっているでしょうか。
【茂木外務大臣】今、既に、先ほどの質問でお答えさせていただいたことで、今の質問には全てお答えしていると思います。
フランスの核戦力増強
【中国新聞 下高記者】フランスのマクロン大統領が、核弾頭数を増加させると表明しました。大臣の受け止めをお願いします。また、日本政府が重視してきたNPT体制では、核軍縮交渉義務を定めていますが、この体制にどのような影響があると考えますか。また、日本政府が目指す核兵器のない世界に向けた、与える影響も併せて御見解をお願いします。
【茂木外務大臣】現地時間の2日、マクロン大統領が、核抑止に関する演説を実施しまして、フランスの保有する核弾頭数の増加を指示した旨述べたことについては承知をいたしております。
第三国の政策についてコメントをすることは差し控えたいと思いますが、今回公表された方針の背景であったりとか、問題意識について、フランスと緊密に意思疎通を行っていくとともに、事実関係の確認も含めて、関心を持って注視をしていきたいと、こんなふうに思っております。
いずれにしましても、我が国としては、唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けて、NPT体制の下、現実的かつ実践的な取組、これを引き続き、推進していきたいと、こんなふうに考えております。
カーニー・カナダ首相の訪日
【朝日新聞 宮脇記者】 今週末に、カナダのカーニー首相が訪日し、総理と首脳会談を実施する予定です。カナダとは、エネルギーや食料安全保障、重要鉱物での連携強化といったテーマがあるかと思いますが、茂木大臣が考える今回の会談の意義と、日本としての狙いをお伺いいたします。
【茂木外務大臣】カーニー首相の訪日の際の首脳会談、細かい内容については、その場でいろいろなやり取りがあると思うのですが、基本的に、二国間関係の一層の強化であったりとか、地域情勢・国際情勢など、幅広い議題について率直に議論することになると、こんなふうに考えております。
日本にとってカナダは、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて連携をしていく重要なパートナーでありまして、また、エネルギー安全保障、食料安全保障、重要鉱物を含めた経済安全保障の観点からも、重要なパートナーであると、こんなふうに考えておりまして、その点も含めた議論というのは行われると考えているところであります。
今般のカーニー首相の訪日を通じて、両国の関係、一層強化されることを期待をいたしております。

