【茂木外務大臣】まず、私の方からイランをめぐる今回の情勢を受けて、湾岸諸国からの出国を希望されている方々の出国支援について、進捗状況を改めて御説明したいと思います。
まず、8日に、オマーンの首都マスカット発のチャーター機が成田空港に到着いたしました。また、本日、10日の朝には、サウジアラビアのリヤドを出発した政府チャーター機が、成田空港に到着しました。
これまで、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、クウェート、バーレーン、カタール、及びサウジアラビアから、388名の方々が帰国をされたことになります。
また、イランから陸路で16名、イスラエルからは5名が、安全な隣国に退避しています。
さらに出国を希望されている方がいらっしゃいますので、引き続き、出国支援、継続してまいります。具体的には、日本時間の10日から11日にかけて、サウジアラビアのリヤドと、UAEのドバイから、それぞれ出発すべく、今、準備を鋭意進めているところであります。
外務省として、出国を希望される方々、全ての方々が安全に出国できるよう、引き続き、全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
出国を希望される方の中でも、例えば、リヤドまで陸路で移動されて、もう少しリヤドにとどまって状況を見たいという方もいらっしゃいますので、日々、日本に帰国をされる方の人数は変わってまいりますけれども、そういった希望等も、適時しっかり捉えて、それに対応できるような準備を進めております。
冒頭発言:イラン情勢(邦人の出国支援)
質疑応答
日米首脳会談への期待と日米外相会談の可能性
【共同通信 恩田記者】近く予定されている高市総理の訪米について伺います。昨日の予算委で、総理は訪米について、茂木大臣も同行すると明らかにされました。今回の訪米で、どのような議論を期待するか、また、同時に日米外相会談も行う予定なのか伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】諸般の情勢が許せばですが、私も、高市総理の訪米に同行する予定であります。
日米首脳会談では、日米両首脳間の信頼関係、10月にも確認しておりますが、これを一層強固なものにするとともに、安全保障、そして、経済安全保障も含む経済など、幅広い分野で、日米関係を強化していくことを、両国のトップ同士で確認する機会にしたいと思っております。
また、イランを始めとする中東情勢であったり、厳しさを増す国際情勢についても、我が国の立場や考えを伝えるとともに、両首脳間で、じっくり議論を深めることになると考えております。
さらには、日本外交の柱でありますFOIPへの、日米両国の強固なコミットメントを、改めて確認したいと、こんなふうに考えております。
日米首脳会談の日程、固まりつつありますけれど、そのマージンで、どういうことができるかというのは、トランプ大統領にルビオ長官が同行するかどうか等々も含めて考えていくと。今決まっていることはありません。
イラン情勢(紛争解決に向けた日本の役割)
【産経新聞 永原記者】大臣は、昨日、イランのアラグチ外相と電話会談に臨み、事態の早期沈静化を求めました。また、これに先立って、イスラエルの外相とも電話会談を行われています。米国、イスラエル、イランの当事国と意思疎通を図れる立場を生かし、どのようにこの紛争の解決に貢献していきたいと考えるか、大臣のお考えを教えてください。
【茂木外務大臣】今、攻撃の応酬が継続して、地域全体の情勢が悪化している中で、何より大切なことは、事態の早期沈静化を図っていくことであると、こんなふうに考えております。そのために、今、御指摘のありました、当事国や関係諸国と、今後の対応ぶりであったりとか、見通し等について意思疎通を行うことは、極めて重要であると、こういう考えから、連日、積極的な外交を展開しているところであります。
まず、事態発生直後の3月1日の朝には、G7外相電話会談を開催いたしまして、米国のルビオ国務長官から、当時の最新の動向であったり、見通しについて説明を受け、私の方からは、我が国の考え方を伝達するとともに、G7の各国間で意見交換を行ったところであります。
また、私、イスラエルのサアル外相、それからイランのアラグチ外相とも、既に何度も会っている経験がありますので、3月6日には、イスラエルのサアル外相と、昨日は、イランのアラグチ外相と、それぞれ電話会談を行いまして、私から、事態の早期沈静化を直接呼びかけたところであります。
湾岸諸国の首相であったりとか、外相とも話をしておりますけれど、そういった国々も早期沈静化が必要だと、こういう考えだということも、イスラエルに対しても、また、イランに対しても、しっかりと伝えたところであります。初めての会談でありませんので、私の言いたいこと、思い、これはよく分かってもらったのではないかなと、こんなふうに思っているところであります。
今、申し上げたように、湾岸諸国の首相や外相とも意思疎通を続けているところでありまして、これからも、国際社会としっかりと連携をしながら、事態の早期沈静化に向けて、引き続き、あらゆる外交努力を行っていきたいと、そんなふうに思っています。
イラン情勢(事態沈静化に向けた外交努力、イランの新指導者の選出)
【パン・オリエント・ニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
私のこれまでの質問のフォローアップです。
現在、日本にとってエネルギー安全保障上の危機が差し迫っている状況にあると思います。このような状況の中で、日本は単にイランを非難したり、関係国と協議したりするだけでなく、緊張がエスカレートしている現状に対して、より主体的で具体的なイニシアティブを取る考えはありますか。
日本は、この地域の各国と良好な関係を維持しています。そのため、日本は現地で実質的な行動を取るうえで有利な立場にあるとも言えると思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
また、イランでは新しい指導者が選出されましたが、この点に関する日本政府の受け止め、また、日本の立場について教えてください。
さらに、この件については、米国はまだ明確な対応を示していないようにも見えます。イランの今後の政治情勢について不確実性がある中で、日本政府としてどのように対応していくお考えでしょうか。
【茂木外務大臣】まず、先ほど来の質問とも重なる部分もあるわけでありますが、今一番大切なこと、これは事態の早期沈静化を図っていくことであると考えております。
それによりまして、ホルムズ海峡を始め、海上交通、輸送の安全も確保されると、それが、中東地域に、石油で言いますと9割以上、そして、LNGで言いますと、1割ちょっとですけれども依存している、こういったエネルギー安全保障の観点からも、極めて重要だと、こんなふうに考えているところであります。
また、御指摘のイランの新たな指導者の選出については、他国の内政に関することでありますので、コメントは控えたいと思いますが、いずれにしても、今後のイランの国内の動向、これも注視していきます。
イラン情勢(日本の外交政策)
【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】先ほどの質問と、多々重なる部分があると思うんですけれども、イラン情勢について伺います。日本は、これまで2度の石油危機を経験していますが、ホルムズ海峡が封鎖されたことはありませんでした。しかし、今回の戦争では、ホルムズ海峡は事実上封鎖されており、日本は過去の石油危機以上の予測不能な危機のただ中にあると言えます。加えて、日本経済は、円、国債、株のトリプル安で、原油高騰と円安の組合せになれば、猛烈なインフレを巻き起こす恐れもあります。前回の会見で、石油危機回避のための外交上の選択肢について例を挙げて御質問差し上げ、大臣からは「私の考えは異なる」との答弁をいただきました。この危機を乗り切るための外交政策について、改めて大臣の考えをお聞かせいただけますでしょうか。おそらく市場もそれを期待していると思います。
【茂木外務大臣】誰に。最後の部分がちょっと分からないです。
【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】市場が、茂木大臣の。
【茂木外務大臣】市場ね。前回の質問、補足をさせてもらいますと、対露政策を変えるというお話がありました。今、ウクライナも大変厳しい状況にある中で、日本として、国際社会ともG7とも協力をしながら、ウクライナ支援、そして、対露制裁を続けていく。この考えに変わりはありませんので、そういった意味で意見が違う、こういう話を申し上げました。
ホルムズ海峡の情勢については、今まで質問は出たところでありますが、重大な関心を持って、フォローしておりまして、一連の会談につきましても、今もお話しましたし、既に貼り出し等々も行っておりますけれど、ホルムズ海峡及び周辺海域の航行の安全、これに向けて、必要な働きかけ、また連携、こういったことを図っているところであります。
また、国内経済の影響、これも様々な見通しがあるところでありますし、今後、原油価格がどうなっていくか。こういうことについても、マーケットの状況等々も、よく見ていかなければならないと思っていますが、関係省庁とも連携をしながら、我が国経済への影響、これを最小限にできるように、適切に対応していきたいと思っております。

