【北村外務報道官】冒頭、私(北村外務報道官)から1点、「被爆80年 証言を世界へ」の事業の実施の御紹介についてです。
我が国は、唯一の戦争被爆国として、被爆の実相を国際社会及び将来の世代に継承していくことが人類に対する責務であると考えています。
とりわけ、広島・長崎への原爆投下から80年にあたる本年は、被爆の実相の理解促進のための取組を一層強化する考えです。この取組の一環として、今般、被爆者2名と継承活動に関与します若者3名を、「被爆80年 証言を世界へ」と題しまして、来る6月12日から19日の日程で、英国・仏・ポーランドに派遣をします。現地で5名には、非核特使及びユース非核特使として被爆体験講話等を行っていただく予定にしています。
今回の事業を通じて、被爆者や若い世代の方々と協働し、被爆の実相の正確な理解を世代と国境を越えて一層促進していくとともに、「核兵器のない世界」に向けた現実的で実践的な取組を強化・維持していきます。
冒頭発言
「被爆80年 証言を世界へ」事業
被爆の惨禍を世界に伝えていく意義
【中国新聞 宮野記者】今の事業についてお伺いします。先日の国際賢人会議の提言でも、「今、国際情勢、核戦争の瀬戸際にある」というような状況の中ですが、その中で、こうして被爆の惨禍を世界に伝えていく意義をどのように考えていらっしゃるかお伺いします。
【北村外務報道官】これは、今、申し上げましたけれども、我が国は、唯一の戦争被爆国です。被爆の実相を国際社会と、更には将来世代に継承していくことが人類に対する責務であると考えている、これがポイントになります。その上で、来年、NPT運用検討会議が行われますので、それに向けて我が国として取組を進めていく一環として、今回、この事業自体は去年の9月、国連総会ハイレベル・ウィークの際に、FMCTフレンズ・ハイレベル(立ち上げ)会合のときに、当時の岸田総理から、この80年の機会に取組を進めていく3本柱の一つとして発表したものですが、それを具体化して進めていくということです。
「被爆80年 証言を世界へ」事業の今後の展開
【中国新聞 宮野記者】もう一点、お願いします。今回、被爆80年の事業ということですが、今回の派遣、単発だけの事業と捉えているのか、それとも、今後、いくつかの派遣があったり、それともそれに加えて他の取組もあったり、全体像はいかがでしょうか。
【北村外務報道官】今般のこの事業は、繰り返しになりますけれども、去年の9月に、当時の岸田総理から発表しました、被爆80年被爆の実相への理解促進事業と題した事業の一環となっています。その3本柱の一つということです。ただ、これ1回だけというわけではありませんで、先ほど申しました非核特使あるいはユース非核特使自体は、これまでも諸外国に派遣してきていますので、そういった日本の被爆体験・実相を伝えていく取組というのは、この80年に限らず、今後とも継続していく考えです。