令和6年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました(速報)

6.6 (金) 01:00
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経済産業省は、「令和6年度大学発ベンチャー実態等調査」の結果(速報)を取りまとめました。2024年10月時点での大学発ベンチャー数は5,074社と、2023年度に確認された4,288社から786社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を更新しました。

※本調査は、各大学及び大学発ベンチャーから提出された回答等に基づき、取りまとめられたものです。

1.目的・背景

大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果を基に、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。本調査は、大学発ベンチャーの設立状況を定点観測するとともに、事業環境やニーズ等を調査し、その成長に寄与する要因等を分析することで、今後の政策展開に活用しています。

2.調査の結果概要

大学発ベンチャー数の推移

画像1

2024年度調査において設立された大学発ベンチャー数は5,074社でした。2023年度に確認された4,288社から786社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を更新しました。

※本調査は、2024年10月末日現在で設立されている大学発ベンチャーをカウント対象にした。
本調査では、下記の6つのうち1つ以上に当てはまるベンチャー企業を「大学発ベンチャー」と定義している。
  1. 研究成果ベンチャー:大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー。

  2. 共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー。
    (設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)

  3. 技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー。
    (設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)

  4. 学生ベンチャー:大学と深い関連のある学生ベンチャー。現役の学生が関係する(した)もののみが対象。

  5. 教職員等ベンチャー:大学と深い関連のある教職員等(教職員・研究職員・ポスドク)ベンチャー。

  6. 関連ベンチャー:大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー。

大学別の大学発ベンチャー数

大学別の大学発ベンチャー数では、引き続き東京大学が最も多く、また京都大学の増加が顕著となりました。他方、新たに統合された東京科学大学が件数の上位に加わる結果となりました。また私立大学でもベンチャー創出に力を入れていることがうかがえます。

順位
(前年度)
大学名 2022年度 2023年度 2024年度 2023年度と
前年度との差
1(1) 東京大学 370 420 468 +48
2(3) 京都大学 264 273 422 +149
3(2) 慶應義塾大学 236 291 377 +86
4(5) 大阪大学 191 252 298 +46
5(4) 筑波大学 217 236 264 +28
6(7) 東京理科大学 151 191 226 +35
7(6) 東北大学 179 199 222 +23
8(-) 東京科学大学 - - 187 (+36)
9(8) 早稲田大学 128 145 166 +21
10(10) 立命館大学 110 135 160 +25
※大学発ベンチャー数は当該調査年度時点で把握した数であり、前年度との差分は必ずしも新規設立数ではないことに留意が必要。
※東京科学大学の前年度との差は、統合前の東京工業大学と東京医科歯科大の合計で算出。

今年度の大学発ベンチャー数の伸張傾向

大学別の大学発ベンチャーの伸びとしては、関西大学が最も高い結果を示しました。また、地方では沖縄科学技術大学院大学が続く結果となっています。そのほか、関西地域の大学がベンチャー創出に力を入れていることがうかがえる結果となっています。

順位 大学名 対2023年度比 推移(社)
1 関西大学 522.2% 9→47
2 沖縄科学技術大学院大学 288.9% 9→26
3 神戸大学 205.5% 55→113
4 情報経営イノベーション専門職大学 184.8% 46→85
5 弘前大学 157.1% 7→11
6 京都大学 154.6% 273→422
7 横浜市立大学 150.0% 10→15
8 同志社大学 146.2% 13→19
9 近畿大学 145.7% 81→118
10 大阪工業大学 142.9% 7→10

地方発ベンチャー数の拡大傾向

過去3年間で大学発ベンチャーは、3,782社から5,074社に増加(約33%増)しているところ(前掲)、この新規増加したベンチャー(1292件)のうち、約57%は東京都以外 (昨年度52%)で創業されるなど、地方の創業割合が高くなっています。

画像6

(前掲より編集)

大学発ベンチャーにおける経営人材に関する分析

大学発ベンチャーにおける経営人材(CEO)が経営人材(CEO)となる前の最終経歴は、「大学・公的研究機関の教職員・研究者」が多く、依然としてアカデミア出身者が経営人材(CEO)となるケースが多いことがうかがえます。

画像2
※「大企業」とは、下記の条件を満たす企業を指し、下記に該当しない企業は、「中小企業」とみなす。
  • 製造・建設・運輸・その他の業種:資本金3億円超かつ従業員300人超

  • 卸売業:資本金1億円超かつ従業員100人超

  • サービス業:資本金5,000万円超かつ従業員100人超

  • 小売業:資本金5,000万円超かつ従業員50人超

大学発ベンチャーにおける博士号取得者の活躍状況に関する分析

博士号取得者の在籍割合が高いという点が大学発ベンチャーの特徴であり、技術分野別にも、一般企業の研究職に比べて、その在籍割合が高いことが分かります。

画像3

また、こうした大学発ベンチャーでは、社会人経験のある博士号取得者を求める声も多いことがうかがえます。

画像4

※本項目のn数について、「主力製品・サービスの関連技術分野」で回答のあった企業を集計対象として抽出している。
※本項目のn数について、「現在在籍(2024年10月末現在)」と「定義」にて、ともに回答のあった企業を集計対象として抽出している。
※大学発ベンチャーにおける「総数」は正社員数と非正規社員数の和。
※一般企業の研究職については、「2024年(令和6年)科学技術研究調査結果」(総務省統計局)を基に作成。

大学発ベンチャー創出・増加のための環境整備について

大学発ベンチャー創出・増加のための環境整備を進める上で、特に重要な取組として、「政府などのエコシステム整備・支援(助成金・外部資金拡充など) 」や、「産学連携・共同研究等の推進」が重視されていることが分かります。

画像5

3.その他

詳細をまとめた報告書は、2025年6月上旬をめどに以下の経済産業省ウェブサイトで公表しますので御覧ください。

大学発ベンチャーに関する基礎調査

担当

イノベーション・環境局 大学連携推進室長 川上
担当者:橋詰
電話:03-3501-1511(内線 3371)
メール:bzl-sangakurenkei★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。

経済産業省は、「令和6年度大学発ベンチャー実態等調査」の結果(速報)を取りまとめました。2024年10月時点での大学発ベンチャー数は5,074社と、2023年度に確認された4,288社から786社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を更新しました。

※本調査は、各大学及び大学発ベンチャーから提出された回答等に基づき、取りまとめられたものです。

1.目的・背景

大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果を基に、経済社会にイノベーションをもたらす担い手として期待されています。本調査は、大学発ベンチャーの設立状況を定点観測するとともに、事業環境やニーズ等を調査し、その成長に寄与する要因等を分析することで、今後の政策展開に活用しています。

2.調査の結果概要

大学発ベンチャー数の推移

画像1

2024年度調査において設立された大学発ベンチャー数は5,074社でした。2023年度に確認された4,288社から786社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を更新しました。

※本調査は、2024年10月末日現在で設立されている大学発ベンチャーをカウント対象にした。
本調査では、下記の6つのうち1つ以上に当てはまるベンチャー企業を「大学発ベンチャー」と定義している。
  1. 研究成果ベンチャー:大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー。

  2. 共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー。
    (設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)

  3. 技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー。
    (設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)

  4. 学生ベンチャー:大学と深い関連のある学生ベンチャー。現役の学生が関係する(した)もののみが対象。

  5. 教職員等ベンチャー:大学と深い関連のある教職員等(教職員・研究職員・ポスドク)ベンチャー。

  6. 関連ベンチャー:大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー。

大学別の大学発ベンチャー数

大学別の大学発ベンチャー数では、引き続き東京大学が最も多く、また京都大学の増加が顕著となりました。他方、新たに統合された東京科学大学が件数の上位に加わる結果となりました。また私立大学でもベンチャー創出に力を入れていることがうかがえます。

順位
(前年度)
大学名 2022年度 2023年度 2024年度 2023年度と
前年度との差
1(1) 東京大学 370 420 468 +48
2(3) 京都大学 264 273 422 +149
3(2) 慶應義塾大学 236 291 377 +86
4(5) 大阪大学 191 252 298 +46
5(4) 筑波大学 217 236 264 +28
6(7) 東京理科大学 151 191 226 +35
7(6) 東北大学 179 199 222 +23
8(-) 東京科学大学 - - 187 (+36)
9(8) 早稲田大学 128 145 166 +21
10(10) 立命館大学 110 135 160 +25
※大学発ベンチャー数は当該調査年度時点で把握した数であり、前年度との差分は必ずしも新規設立数ではないことに留意が必要。
※東京科学大学の前年度との差は、統合前の東京工業大学と東京医科歯科大の合計で算出。

今年度の大学発ベンチャー数の伸張傾向

大学別の大学発ベンチャーの伸びとしては、関西大学が最も高い結果を示しました。また、地方では沖縄科学技術大学院大学が続く結果となっています。そのほか、関西地域の大学がベンチャー創出に力を入れていることがうかがえる結果となっています。

順位 大学名 対2023年度比 推移(社)
1 関西大学 522.2% 9→47
2 沖縄科学技術大学院大学 288.9% 9→26
3 神戸大学 205.5% 55→113
4 情報経営イノベーション専門職大学 184.8% 46→85
5 弘前大学 157.1% 7→11
6 京都大学 154.6% 273→422
7 横浜市立大学 150.0% 10→15
8 同志社大学 146.2% 13→19
9 近畿大学 145.7% 81→118
10 大阪工業大学 142.9% 7→10

地方発ベンチャー数の拡大傾向

過去3年間で大学発ベンチャーは、3,782社から5,074社に増加(約33%増)しているところ(前掲)、この新規増加したベンチャー(1292件)のうち、約57%は東京都以外 (昨年度52%)で創業されるなど、地方の創業割合が高くなっています。

画像6

(前掲より編集)

大学発ベンチャーにおける経営人材に関する分析

大学発ベンチャーにおける経営人材(CEO)が経営人材(CEO)となる前の最終経歴は、「大学・公的研究機関の教職員・研究者」が多く、依然としてアカデミア出身者が経営人材(CEO)となるケースが多いことがうかがえます。

画像2
※「大企業」とは、下記の条件を満たす企業を指し、下記に該当しない企業は、「中小企業」とみなす。
  • 製造・建設・運輸・その他の業種:資本金3億円超かつ従業員300人超

  • 卸売業:資本金1億円超かつ従業員100人超

  • サービス業:資本金5,000万円超かつ従業員100人超

  • 小売業:資本金5,000万円超かつ従業員50人超

大学発ベンチャーにおける博士号取得者の活躍状況に関する分析

博士号取得者の在籍割合が高いという点が大学発ベンチャーの特徴であり、技術分野別にも、一般企業の研究職に比べて、その在籍割合が高いことが分かります。

画像3

また、こうした大学発ベンチャーでは、社会人経験のある博士号取得者を求める声も多いことがうかがえます。

画像4

※本項目のn数について、「主力製品・サービスの関連技術分野」で回答のあった企業を集計対象として抽出している。
※本項目のn数について、「現在在籍(2024年10月末現在)」と「定義」にて、ともに回答のあった企業を集計対象として抽出している。
※大学発ベンチャーにおける「総数」は正社員数と非正規社員数の和。
※一般企業の研究職については、「2024年(令和6年)科学技術研究調査結果」(総務省統計局)を基に作成。

大学発ベンチャー創出・増加のための環境整備について

大学発ベンチャー創出・増加のための環境整備を進める上で、特に重要な取組として、「政府などのエコシステム整備・支援(助成金・外部資金拡充など) 」や、「産学連携・共同研究等の推進」が重視されていることが分かります。

画像5

3.その他

詳細をまとめた報告書は、2025年6月上旬をめどに以下の経済産業省ウェブサイトで公表しますので御覧ください。

大学発ベンチャーに関する基礎調査

担当

イノベーション・環境局 大学連携推進室長 川上
担当者:橋詰
電話:03-3501-1511(内線 3371)
メール:bzl-sangakurenkei★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。

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