第26回ASEAN+3(日中韓)外相会議

7.10 (木) 21:40
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令和7年7月10日
交互に手をつなぎ握手する日中韓とASEAN各国の外相たち
演説する岩屋外務大臣。大臣の姿は後方のモニターに映し出されている。

 現地時間7月10日午後5時15分(日本時間午後6時15分)から約100分間、マレーシアの首都クアラルンプールにて第26回ASEAN+3(日中韓)外相会議が開催され、岩屋毅外務大臣が出席したところ、 概要は以下のとおりです。

1 開会挨拶

 岩屋大臣から、概要以下のとおり述べました。
(1)1997年にASEAN+3が発足して以降、ASEAN+3が国際経済に重要性に占める重要性や役割は大きく拡大。この地域が直面する共通の諸課題の解決にASEAN+3の枠組みで共に協力していく意義は極めて大きく、ポテンシャルがある。日本は、ASEAN+3の枠組みにおいて、金融や食料安全保障といった分野で、地域におけるセーフティネット構築を中心とした実務協力が進められ、地域の安定と繁栄の実現に貢献してきたことを高く評価している。
(2)国際社会が大きく揺れ動いている中、国際社会を分断から協調に導くためにも、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」が掲げるルールに基づく枠組み、開放性、透明性、包摂性といった原則の重要性は高まっており、ASEAN+3の枠組みにおいてもAOIPの推進に資する取組を進めていきたい。
(3)日本は現在、日中韓サミットの議長国を務めている。日中韓プロセスとASEAN+3協力は相乗効果があるところ、今後開催する日中韓サミットも念頭に、ASEANにも資する未来志向の協力を進めていけるよう、中国・韓国と引き続き緊密に連携していきたい。

2 ASEAN+3協力

(1)岩屋大臣から、 日本は「 ASEAN共同体ビジョン 2045 」を全面的に支持しており、同ビジョンに沿って ASEAN+3での協力を更に深化させていきたい旨を述べつつ、重視する3分野について、それぞれ概要以下のとおり発言しました。
 第一に、経済・金融面での協力について、世界経済や国際貿易をめぐる緊張が高まっている中、各国と力を合わせ、ルールに基づく、自由で、公正で、開かれた国際経済秩序を発展させていきたい。 その観点 から、RCEP協定の透明性のある履行の確保が重要。
 チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)における「緊急融資ファシリティ」が5月に創設に至り、パンデミックや自然災害等に対する地域の金融セーフティネットが強化されたことを喜ばしく思う。また、渡部康人新事務局長の下、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)の機能が更に 強化されることを期待していると述べ、域内の経済・金融の安定性確保に向けた取組を支えていく。
 第二に、共通の課題への対応について、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)が、3月のミャンマーの地震に迅速に対応したことを高く評価している。日本は、引き続き防災分野における幅広い協力を主導していきたい。また、地域の食料安全保障の観点で、ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)やASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)の取組は重要。更に、少子高齢化について、日中韓からの知見の共有や、ASEAN高齢化センター(ACAI)の取組への支援を含め協力を深化させ、地域全体として持続可能な経済・社会の構築に取り組んでいきたい。
 第三に、一部のASEAN諸国を拠点とする組織的詐欺は、ASEAN+3各国に多大な経済被害を与えると同時に各国の国民の安全や財産にも関わる深刻な問題。日本は、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)を通じた能力構築やバンコクでの実務者間の情報共有を支援してきており、引き続き各国及び国際機関と連携したい。
(2)他の参加国から、ASEAN+3の枠組みにおける協力を更に推進していくとの決意が示されるとともに、各国が進めている取組についての紹介や、経済・金融協力、保健、食料安全保障、デジタル経済等を始めとする、優先すべき協力分野について発言がありました。

3 地域・国際情勢

(1)岩屋大臣から、北朝鮮は、核・ミサイル開発に邁進しており、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化が必要であると強調しました。加えて、露朝軍事協力に対する懸念を表明しつつ、安保理決議の完全な履行を始め、連携して対応したい旨述べました。また、拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を要請しました。
(2)これに対し、他の参加国からは、北朝鮮のミサイル開発の問題や完全な非核化の重要性等について言及がありました。

4 閉会挨拶

 岩屋大臣から、経済、金融、防災、食料安全保障、特殊詐欺対策等を含む幅広い分野において、引き続き未来志向の協力を深化させていきたい旨述べました。また、今後開催する日中韓サミットにおいても、ASEANとの協力の可能性も念頭に置き、日中韓3か国で議論していきたいとしつつ、ASEAN+3の枠組みにおいて、各国と協力を推進していくことを楽しみにしている旨述べました。


令和7年7月10日
交互に手をつなぎ握手する日中韓とASEAN各国の外相たち
演説する岩屋外務大臣。大臣の姿は後方のモニターに映し出されている。

 現地時間7月10日午後5時15分(日本時間午後6時15分)から約100分間、マレーシアの首都クアラルンプールにて第26回ASEAN+3(日中韓)外相会議が開催され、岩屋毅外務大臣が出席したところ、 概要は以下のとおりです。

1 開会挨拶

 岩屋大臣から、概要以下のとおり述べました。
(1)1997年にASEAN+3が発足して以降、ASEAN+3が国際経済に重要性に占める重要性や役割は大きく拡大。この地域が直面する共通の諸課題の解決にASEAN+3の枠組みで共に協力していく意義は極めて大きく、ポテンシャルがある。日本は、ASEAN+3の枠組みにおいて、金融や食料安全保障といった分野で、地域におけるセーフティネット構築を中心とした実務協力が進められ、地域の安定と繁栄の実現に貢献してきたことを高く評価している。
(2)国際社会が大きく揺れ動いている中、国際社会を分断から協調に導くためにも、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」が掲げるルールに基づく枠組み、開放性、透明性、包摂性といった原則の重要性は高まっており、ASEAN+3の枠組みにおいてもAOIPの推進に資する取組を進めていきたい。
(3)日本は現在、日中韓サミットの議長国を務めている。日中韓プロセスとASEAN+3協力は相乗効果があるところ、今後開催する日中韓サミットも念頭に、ASEANにも資する未来志向の協力を進めていけるよう、中国・韓国と引き続き緊密に連携していきたい。

2 ASEAN+3協力

(1)岩屋大臣から、 日本は「 ASEAN共同体ビジョン 2045 」を全面的に支持しており、同ビジョンに沿って ASEAN+3での協力を更に深化させていきたい旨を述べつつ、重視する3分野について、それぞれ概要以下のとおり発言しました。
 第一に、経済・金融面での協力について、世界経済や国際貿易をめぐる緊張が高まっている中、各国と力を合わせ、ルールに基づく、自由で、公正で、開かれた国際経済秩序を発展させていきたい。 その観点 から、RCEP協定の透明性のある履行の確保が重要。
 チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)における「緊急融資ファシリティ」が5月に創設に至り、パンデミックや自然災害等に対する地域の金融セーフティネットが強化されたことを喜ばしく思う。また、渡部康人新事務局長の下、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)の機能が更に 強化されることを期待していると述べ、域内の経済・金融の安定性確保に向けた取組を支えていく。
 第二に、共通の課題への対応について、ASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)が、3月のミャンマーの地震に迅速に対応したことを高く評価している。日本は、引き続き防災分野における幅広い協力を主導していきたい。また、地域の食料安全保障の観点で、ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)やASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)の取組は重要。更に、少子高齢化について、日中韓からの知見の共有や、ASEAN高齢化センター(ACAI)の取組への支援を含め協力を深化させ、地域全体として持続可能な経済・社会の構築に取り組んでいきたい。
 第三に、一部のASEAN諸国を拠点とする組織的詐欺は、ASEAN+3各国に多大な経済被害を与えると同時に各国の国民の安全や財産にも関わる深刻な問題。日本は、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)を通じた能力構築やバンコクでの実務者間の情報共有を支援してきており、引き続き各国及び国際機関と連携したい。
(2)他の参加国から、ASEAN+3の枠組みにおける協力を更に推進していくとの決意が示されるとともに、各国が進めている取組についての紹介や、経済・金融協力、保健、食料安全保障、デジタル経済等を始めとする、優先すべき協力分野について発言がありました。

3 地域・国際情勢

(1)岩屋大臣から、北朝鮮は、核・ミサイル開発に邁進しており、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化が必要であると強調しました。加えて、露朝軍事協力に対する懸念を表明しつつ、安保理決議の完全な履行を始め、連携して対応したい旨述べました。また、拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を要請しました。
(2)これに対し、他の参加国からは、北朝鮮のミサイル開発の問題や完全な非核化の重要性等について言及がありました。

4 閉会挨拶

 岩屋大臣から、経済、金融、防災、食料安全保障、特殊詐欺対策等を含む幅広い分野において、引き続き未来志向の協力を深化させていきたい旨述べました。また、今後開催する日中韓サミットにおいても、ASEANとの協力の可能性も念頭に置き、日中韓3か国で議論していきたいとしつつ、ASEAN+3の枠組みにおいて、各国と協力を推進していくことを楽しみにしている旨述べました。


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