経済産業省では、今後のデジタル人材育成の在り方を議論するべく、「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会」及び「デジタル人材のスキル・学習の在り方ワーキンググループ」を開催し、有識者とともに議論を重ねました。その内容を、「『Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会』報告書:スキルベースの人材育成を目指して」として公表します。
今後、本報告書を起点とし、個別論点のタスクフォースを順次立ち上げた上で、デジタルスキル標準や試験区分の見直しの具体化に向けて検討する予定です。
1.背景
現在の労働市場では、スキルを身につけた人が必ずしも評価されず、また、企業における処遇の予見可能性も低く、結果として個人の学習やスキル習得のモチベーションが高まらない状況があります。一方、AI時代に向けては、変化をいとわず学び続ける必要があることから、スキル習得の努力が報われ、キャリア設計を個人に取り戻すため、スキルベースの人材育成に向けた環境整備が必要です。具体的には、デジタル人材育成を支えるスキル情報基盤を通じて、諸外国と同様にスキルベースの人材育成を実現することが期待されます。
こうした背景から、経済産業省では「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会」(座長:三谷慶一郎 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所 主席研究員 エグゼクティブ・コンサルタント)及び「デジタル人材のスキル・学習の在り方ワーキンググループ」(主査 角田仁 デジタル人材育成学会 会長)を開催し、スキルベースのデジタル人材育成の在り方について議論を重ね、本検討会の報告書として「『Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会』報告書:スキルベースの人材育成を目指して」を取りまとめました。
2.報告書の構成
本報告書では、全体の背景として、企業は人材投資せず、個人も学ぼうとしない日本において、足下でスキルギャップが顕在化しており、生成AIがもたらす技術革新の加速、構造的な人手不足といった課題に向き合いながら、いかにデジタル人材育成を加速させるか、との問題提起を行いました。その上で、第1章「デジタル人材育成をとりまく現状とこれまでの取組」では、デジタル人材育成を取り巻く現状、これまでの人材育成政策、そして課題を示しました。第2章「スキルベースの人材育成に向けた取組の現状と方向性」では、スキル可視化、スキルベース組織、スキル情報の活用、スキルタクソノミーの活用について概観し、スキルベースの人材育成に向けた方向性について論点整理を行いました。
これを受けて、第3章「デジタル人材育成を支えるスキル情報基盤の在り方」では、個人起点の継続的な学びと目的をもったキャリアアップの実現及びスキル情報を広く労働市場で活用するためのスキル情報基盤の在り方について検討しました。第4章「デジタル人材のスキル・学習の在り方」では、デジタル人材のスキル、学習をとりまく変化、情報処理技術者試験の成果と課題を概観した上で、Society 5.0時代に向けたデジタル人材育成の体系として、「ビジネス」、「エンジニアリング」、「デジタルリテラシー」の3領域を設定し、最新のデジタルスキル標準に基づき官民で人材育成体系を形成することを示しました。その上で変革のマインドセットを具現化する6分野の人材スキルの可視化や育成の方法について、デジタルスキル標準の改訂や試験区分の新設も含めて検討を深めることを示しました。
3.今後の予定
今後、本報告書を起点として、各専門スキルやデジタルリテラシー別に各論点をより詳細に議論する場としてタスクフォースを順次立ち上げた上で、議論を重ねていく予定です。
各タスクフォースに関する詳細は、順次ホームページに掲載します。
関連資料
- 「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会」報告書-「スキルベースの人材育成」を目指して-
- 「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会」報告書-「スキルベースの人材育成」を目指して-(概要版)
関連リンク
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