足立康史議員(参議院議員/全国比例)は23日、参議院本会議で議題となった地方税法等改正案などについて質疑を行った。全文は以下のとおり。
参院本会議 質問全文
令和8年3月23日
地方税法等
国民民主党・新緑風会
足立康史
国民民主党・新緑風会の足立康史です。
私は、会派を代表し、地方税法改正案等について質問します。
まず冒頭、地方政治、地方議会、地方財政、地方税務のあり方を揺るがしかねない、地方議員による違法行為、公党による組織的な違法行為について、取り上げざるを得ません。
いわゆる「国保逃れ」であります。
なぜ議題となっている地方財政計画と国民健康保険が関係あるのかと思われるかもしれませんが、自治体は国保の運営を維持するために一般会計から「繰出金」を支出しており、国保の不正は地方財政に直結する点を、決して忘れてはなりません。
もちろん、国民民主党は、「対決より解決」をモットーにしていますから、単なるスキャンダル追及に時間を費やすつもりは毛頭ありません。後ほど、具体的な「解決策」も提案しますので、関係の皆さまにおかれても、落ち着いて、聞いていただければと存じます。
昨年12月16日、参院総務委員会でわたくしは、いわゆる栄響連盟という一般社団法人を舞台にした「国保逃れ」について取り上げました。政党所属の複数の地方議員や国会議員の元秘書らが関与した事件でありますが、厚労省が調査を約束下さり、先週18日に、理事などの法人役員が社会保険の被保険者に「当たる/当たらない」を判断するための基準を明確化するための「通知」を発出下さいました。役員報酬を上回る会費を法人に納めている場合や、業務がアンケートの回答や勉強会参加にとどまる場合などを「社会保険料削減ビジネス」と表現し、被保険者資格がないにもかかわらず社会保険の適用を受けている違法事案の是正に乗り出しました。
改めて解説するまでもなく、そうした不適切な形で被保険者資格があると偽って社会保険の適用を受けようとする理由は、国民健康保険料等の重い保険料負担を不当に免れるためであります。大阪や兵庫の議員だけでなく、東京では、73人もの当該政党の関係者が入るLINEグループに「国保料を下げる改革」(極秘)と銘打った営業資料を使った勧誘活動がなされていたことも確認されており、この議場にいる、ある国会議員も、「一考に値する」提案だと関心を示していました。
「(現役世代の過重な)社会保険料を下げる改革」は、与野党を越えた大事なテーマでありますが、そうしたスローガンの陰で、公党に所属する議員たちが自分の国保料負担を回避するスキームを悪用していたと知り、私は愕然としました。
まず、厚生労働大臣に質問します。公党を舞台に発生した「国保逃れ」事件。厚労省の迅速な「通知」の発出には敬意を表しますが、私は、今回の厚労省「通知」は、事件の解決に向けた取り組みの「終わり」ではなく「始まり」、つまり「スタート」であると考えますが、いかがですか。今後、違法状態の是正に取り組む中で、告発等も視野に入れた厳正な対応が必要になると考えますが、いかがでしょうか。当面、想定される今後の対応方針についてご説明ください。
更には、国民健康保険料の過半は、国民健康保険税、つまり地方税として徴収されています。そうした観点からいえば、今回の事件は、「脱税」そのものであり、総務省としても、全国の自治体と連携しつつ、厳しい対応を迫られると考えますが、いかがでしょうか。議員や政党組織が関与している事件ですから取り扱いは困難を極めると思いますが、自治体の国保財政にも影響を与えかねない、ひいては国民の年金制度への信頼を揺るがしかねない重大な事件あると考えます。問題の是正、そして解決に向けた総務大臣の決意をうかがいます。
冒頭、「対決より解決」という国民民主党の党是に従い、具体的な「解決策」を提案すると申し上げました。 難しい話ではありません。
給与所得、事業所得など労働の対価として得る所得を合算する、つまりマイナンバーで名寄せをすればいいし、それが保険制度の縦割りを理由に直ちには困難だとしても、所得のうち、より高額の所得に係る保険に加入するよう制度を見直せばよいのです。いかがでしょうか。根本解決に向けて、私も努力をいたしますので、厚労大臣におかれましても、国民に信頼される社会保険制度の立て直しに向けて検討を行う旨、明言をいただけないでしょうか。何卒、お願い申し上げます。
今回は、地方財政計画、地方税、更には地方交付税にも関係する国民健康保険をテーマに取り上げましたが、政治資金規正法であれ、公職選挙法であれ、公党や公人には、単に、罰せられなければいい、検挙されなければいい、ということではなく、どこまでも立法趣旨を擁護する姿勢、そして高い遵法意識が求められます。
先月2月に執行された大阪府知事選挙についても、吉村洋文知事が辞職表明をしてから中 6 日、辞職届から中5 日、週末を除けば中 3日で告示日を迎える、無茶苦茶な選挙期日が設定されました。もちろん、選挙期日を決定するのは選管ですが、選管委員長は大阪維新の会所属の元大阪府議であり、公正な手続きを経て選挙期日が決定されたのか、疑義が呈されています。私も選挙人の一人そして、既に先月24日に異議の申し出を行い、本日午前には、口頭意見陳述を行ってまいりました。
総務大臣。公職選挙法上、選挙を「何日以内に行う」という上限規定はおかれていても、「少なくとも何日以上あけなければならない」との下限的な日数規定が存在していないことは、もちろん承知しています。しかし、例えば、欠員事由発生の翌日に告示となるような選挙期日の設定が、現実的に可能なのか、そうした選管の判断に対抗する(手続き法以外の)法的根拠はないのか、更には、そうした法体系となっている現行法に課題はないのか、解散表明から戦後最短で総選挙が執行され、更に短い中三日で知事選挙が行われた今だからこそ、改めて総務大臣の見解をうかがいたいと思います。
次に、黄川田大臣にもお越しいただいています。いわゆる副首都法案を今国会で「成立させる」と明記した「連立合意書」を受けて、高市総理から大臣への「指示書」には、「首都機能のバックアップ体制構築」の検討とあります。
首都機能のあり方を議論するのは結構なことですが、地方公共団体の歳入と歳出にわたる基本構造を変えることとなる統治機構改革は、当に「国家百年の計」であります。ところが、昨年末までに論点整理するといっていた与党の協議は年明けに持ち越され、未だに法案の骨子さえ公表されていません。
大丈夫でしょうか。
また、数で押し切ろうというのでしょうか。
黄川田大臣、本件(副首都法案)については議員立法になると仄聞していますが、政府の果たす役割は何なのでしょうか。指示書にある大臣のミッションと具体的任務について、ご説明ください。
そもそも、日本は大国であり、その首都機能は、ひとり東京都だけが担っているのではありません。関東では、1都3県5政令市からなる、いわゆる「9都県市」が、災害対応、防災対応における最重要の枠組みとなっています。同様に、関西においても、長らく、関西広域連合が首都機能のバックアップを担うために準備を進めてきました。そうした経緯を踏まえると、首都機能のバックアップを担うのは、府県ではなく、関西広域連合のような圏域ブロックとするのが筋であると考えますが、黄川田大臣の見解をうかがいます。
ところが、大阪都構想三度目の住民投票に突き進む吉村洋文大阪府知事は、これまで一度も、関西広域連合の場で、いわゆる副首都構想について説明をしていないというではありませんか。大丈夫ですか。黄川田大臣には、そうした、ちぐはぐな経緯について、担当大臣としての所感を求めたいと思います。
そもそも、そうした災害対応、首都機能のバックアップという副首都構想の政策目的と、もう一つの、経済成長の核となる大都市をつくるという政策目的とは、まったく異なるレイヤーの政策です。いま申し上げたように、前者については圏域ブロックが対応すべきですが、後者の多極分散型経済圏をリードするのは、道府県ではなく、かつての六大都市、五大都市をはじめとする「都市」が主体となるべきことは、明らかです。
そうした観点から、私たち国民民主党は、既に昨年12月3日に「特別市制度整備推進法案」の政策骨子を公表し、与党にも手交しています。政府においても、高市総理の諮問を受けて、本年1月19日に発足した第34次地方制度調査会が、専門小委員会において、特別市の法制化に向けた議論を本格化させています。
ついては、拙速に、首都機能に関する新法の制定を急ぐのではなく、まずは、経済成長の核となる大都市制度について、1)現行の指定都市制度、2)大阪で二度にわたり否決された特別区制度、そして3)国民民主党が提案する特別市制度を、法制度として整え、そうした三つの選択肢から、全国の都市が、自らの地域に最適な大都市制度を選び取っていく、そうした進め方こそが、民主主義国家として当たり前であると考えますが、いかがでしょうか。大都市制度を所管する総務大臣の見解をうかがいます。
これまで、統治機構改革といえば、日本維新の会の専売特許のような様相を呈してきましたが、 透明で公正そして活力ある経済社会の基盤となる統治機構をつくるのは、「正直な政治」でなければなりません。私たちは、「手取りを増やす」ための次なる政策として「社会保険料還付付き住民税控除」を打ち出していますが、令和の時代に相応しい地方制度の「新しい答え」をつくるのも、わが国民民主党であると宣言し、質問をおわります。 なお、答弁が不十分な場合は再質問させていただくこともあわせて申し上げます。
ありがとうございました。
足立康史議員(参議院議員/全国比例)は23日、参議院本会議で議題となった地方税法等改正案などについて質疑を行った。全文は以下のとおり。
参院本会議 質問全文
令和8年3月23日
地方税法等
国民民主党・新緑風会
足立康史
国民民主党・新緑風会の足立康史です。
私は、会派を代表し、地方税法改正案等について質問します。
まず冒頭、地方政治、地方議会、地方財政、地方税務のあり方を揺るがしかねない、地方議員による違法行為、公党による組織的な違法行為について、取り上げざるを得ません。
いわゆる「国保逃れ」であります。
なぜ議題となっている地方財政計画と国民健康保険が関係あるのかと思われるかもしれませんが、自治体は国保の運営を維持するために一般会計から「繰出金」を支出しており、国保の不正は地方財政に直結する点を、決して忘れてはなりません。
もちろん、国民民主党は、「対決より解決」をモットーにしていますから、単なるスキャンダル追及に時間を費やすつもりは毛頭ありません。後ほど、具体的な「解決策」も提案しますので、関係の皆さまにおかれても、落ち着いて、聞いていただければと存じます。
昨年12月16日、参院総務委員会でわたくしは、いわゆる栄響連盟という一般社団法人を舞台にした「国保逃れ」について取り上げました。政党所属の複数の地方議員や国会議員の元秘書らが関与した事件でありますが、厚労省が調査を約束下さり、先週18日に、理事などの法人役員が社会保険の被保険者に「当たる/当たらない」を判断するための基準を明確化するための「通知」を発出下さいました。役員報酬を上回る会費を法人に納めている場合や、業務がアンケートの回答や勉強会参加にとどまる場合などを「社会保険料削減ビジネス」と表現し、被保険者資格がないにもかかわらず社会保険の適用を受けている違法事案の是正に乗り出しました。
改めて解説するまでもなく、そうした不適切な形で被保険者資格があると偽って社会保険の適用を受けようとする理由は、国民健康保険料等の重い保険料負担を不当に免れるためであります。大阪や兵庫の議員だけでなく、東京では、73人もの当該政党の関係者が入るLINEグループに「国保料を下げる改革」(極秘)と銘打った営業資料を使った勧誘活動がなされていたことも確認されており、この議場にいる、ある国会議員も、「一考に値する」提案だと関心を示していました。
「(現役世代の過重な)社会保険料を下げる改革」は、与野党を越えた大事なテーマでありますが、そうしたスローガンの陰で、公党に所属する議員たちが自分の国保料負担を回避するスキームを悪用していたと知り、私は愕然としました。
まず、厚生労働大臣に質問します。公党を舞台に発生した「国保逃れ」事件。厚労省の迅速な「通知」の発出には敬意を表しますが、私は、今回の厚労省「通知」は、事件の解決に向けた取り組みの「終わり」ではなく「始まり」、つまり「スタート」であると考えますが、いかがですか。今後、違法状態の是正に取り組む中で、告発等も視野に入れた厳正な対応が必要になると考えますが、いかがでしょうか。当面、想定される今後の対応方針についてご説明ください。
更には、国民健康保険料の過半は、国民健康保険税、つまり地方税として徴収されています。そうした観点からいえば、今回の事件は、「脱税」そのものであり、総務省としても、全国の自治体と連携しつつ、厳しい対応を迫られると考えますが、いかがでしょうか。議員や政党組織が関与している事件ですから取り扱いは困難を極めると思いますが、自治体の国保財政にも影響を与えかねない、ひいては国民の年金制度への信頼を揺るがしかねない重大な事件あると考えます。問題の是正、そして解決に向けた総務大臣の決意をうかがいます。
冒頭、「対決より解決」という国民民主党の党是に従い、具体的な「解決策」を提案すると申し上げました。 難しい話ではありません。
給与所得、事業所得など労働の対価として得る所得を合算する、つまりマイナンバーで名寄せをすればいいし、それが保険制度の縦割りを理由に直ちには困難だとしても、所得のうち、より高額の所得に係る保険に加入するよう制度を見直せばよいのです。いかがでしょうか。根本解決に向けて、私も努力をいたしますので、厚労大臣におかれましても、国民に信頼される社会保険制度の立て直しに向けて検討を行う旨、明言をいただけないでしょうか。何卒、お願い申し上げます。
今回は、地方財政計画、地方税、更には地方交付税にも関係する国民健康保険をテーマに取り上げましたが、政治資金規正法であれ、公職選挙法であれ、公党や公人には、単に、罰せられなければいい、検挙されなければいい、ということではなく、どこまでも立法趣旨を擁護する姿勢、そして高い遵法意識が求められます。
先月2月に執行された大阪府知事選挙についても、吉村洋文知事が辞職表明をしてから中 6 日、辞職届から中5 日、週末を除けば中 3日で告示日を迎える、無茶苦茶な選挙期日が設定されました。もちろん、選挙期日を決定するのは選管ですが、選管委員長は大阪維新の会所属の元大阪府議であり、公正な手続きを経て選挙期日が決定されたのか、疑義が呈されています。私も選挙人の一人そして、既に先月24日に異議の申し出を行い、本日午前には、口頭意見陳述を行ってまいりました。
総務大臣。公職選挙法上、選挙を「何日以内に行う」という上限規定はおかれていても、「少なくとも何日以上あけなければならない」との下限的な日数規定が存在していないことは、もちろん承知しています。しかし、例えば、欠員事由発生の翌日に告示となるような選挙期日の設定が、現実的に可能なのか、そうした選管の判断に対抗する(手続き法以外の)法的根拠はないのか、更には、そうした法体系となっている現行法に課題はないのか、解散表明から戦後最短で総選挙が執行され、更に短い中三日で知事選挙が行われた今だからこそ、改めて総務大臣の見解をうかがいたいと思います。
次に、黄川田大臣にもお越しいただいています。いわゆる副首都法案を今国会で「成立させる」と明記した「連立合意書」を受けて、高市総理から大臣への「指示書」には、「首都機能のバックアップ体制構築」の検討とあります。
首都機能のあり方を議論するのは結構なことですが、地方公共団体の歳入と歳出にわたる基本構造を変えることとなる統治機構改革は、当に「国家百年の計」であります。ところが、昨年末までに論点整理するといっていた与党の協議は年明けに持ち越され、未だに法案の骨子さえ公表されていません。
大丈夫でしょうか。
また、数で押し切ろうというのでしょうか。
黄川田大臣、本件(副首都法案)については議員立法になると仄聞していますが、政府の果たす役割は何なのでしょうか。指示書にある大臣のミッションと具体的任務について、ご説明ください。
そもそも、日本は大国であり、その首都機能は、ひとり東京都だけが担っているのではありません。関東では、1都3県5政令市からなる、いわゆる「9都県市」が、災害対応、防災対応における最重要の枠組みとなっています。同様に、関西においても、長らく、関西広域連合が首都機能のバックアップを担うために準備を進めてきました。そうした経緯を踏まえると、首都機能のバックアップを担うのは、府県ではなく、関西広域連合のような圏域ブロックとするのが筋であると考えますが、黄川田大臣の見解をうかがいます。
ところが、大阪都構想三度目の住民投票に突き進む吉村洋文大阪府知事は、これまで一度も、関西広域連合の場で、いわゆる副首都構想について説明をしていないというではありませんか。大丈夫ですか。黄川田大臣には、そうした、ちぐはぐな経緯について、担当大臣としての所感を求めたいと思います。
そもそも、そうした災害対応、首都機能のバックアップという副首都構想の政策目的と、もう一つの、経済成長の核となる大都市をつくるという政策目的とは、まったく異なるレイヤーの政策です。いま申し上げたように、前者については圏域ブロックが対応すべきですが、後者の多極分散型経済圏をリードするのは、道府県ではなく、かつての六大都市、五大都市をはじめとする「都市」が主体となるべきことは、明らかです。
そうした観点から、私たち国民民主党は、既に昨年12月3日に「特別市制度整備推進法案」の政策骨子を公表し、与党にも手交しています。政府においても、高市総理の諮問を受けて、本年1月19日に発足した第34次地方制度調査会が、専門小委員会において、特別市の法制化に向けた議論を本格化させています。
ついては、拙速に、首都機能に関する新法の制定を急ぐのではなく、まずは、経済成長の核となる大都市制度について、1)現行の指定都市制度、2)大阪で二度にわたり否決された特別区制度、そして3)国民民主党が提案する特別市制度を、法制度として整え、そうした三つの選択肢から、全国の都市が、自らの地域に最適な大都市制度を選び取っていく、そうした進め方こそが、民主主義国家として当たり前であると考えますが、いかがでしょうか。大都市制度を所管する総務大臣の見解をうかがいます。
これまで、統治機構改革といえば、日本維新の会の専売特許のような様相を呈してきましたが、 透明で公正そして活力ある経済社会の基盤となる統治機構をつくるのは、「正直な政治」でなければなりません。私たちは、「手取りを増やす」ための次なる政策として「社会保険料還付付き住民税控除」を打ち出していますが、令和の時代に相応しい地方制度の「新しい答え」をつくるのも、わが国民民主党であると宣言し、質問をおわります。 なお、答弁が不十分な場合は再質問させていただくこともあわせて申し上げます。
ありがとうございました。