岩屋外務大臣会見記録 (7月22日11時35分)

7.22 (火) 15:40
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冒頭発言

(1)参議院議員選挙

【岩屋外務大臣】冒頭、私(岩屋大臣)から三つ御報告がございます。
 まず、今般の参議院選挙です。
 政権与党としては、国民の皆様から、極めて厳しい審判をいただきました。この結果を謙虚に、そして真摯に受け止めなければならないと考えております。
 同時に、内外に難題が山積する中で、政治に停滞は許されません。国家や国民のために何をなすべきか、このことだけを念頭において、外務大臣としての責任を果たしてまいりたいと考えております。

(2)エクアドル共和国外務・移民大臣の訪日

【岩屋外務大臣】二番目に、エクアドル共和国のソメルフェルド外務大臣・移民大臣が、22日から25日まで、外務省賓客として訪日されます。
 エクアドルは、100年以上にわたる外交関係を有し、日本と価値や原則を共有する重要なパートナーです。エクアドルとの関係を一層強化すべく、明日、外相会談及びワーキング・ディナーを行い、二国間関係や地域情勢・国際情勢などについて、意見交換を行う予定です。

(3)日・EU外相会談

【岩屋外務大臣】三番目に、日・EUの外相会談についてです。
 EUのカッラス外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会福委員長が、第30回の日・EU定期首脳協議に出席するコスタ欧州理事会議長及びフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長とともに、訪日をされておられます。
 明日、私(岩屋大臣)は、カッラス上級代表とも会談をいたしまして、日・EU関係やインド太平洋などの地域情勢について意見交換を行う予定です。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

参議院議員選挙(外交と日米関税協議への影響)

【共同通信 阪口記者】参院選について伺います。冒頭、御発言ありましたけれども、衆院に続き、参院でも与党が過半数割れという結果になりました。政権の基盤が脆弱となり、外交の交渉力の低下も懸念されると思います。米国との関税交渉が続いていますけれども、自民党内からも退陣を求める声が上がる石破政権で、交渉を継続することが適当であると考えられるのかどうか、交渉への影響について、どのように考えられるかお尋ねします。
 もう一点、石破首相、総理となる前は、政権与党に、世論的な批判が集まった際には、臆することなく厳しい意見を代弁して、国民の人気を集めていらっしゃった人物だと思います。今回の結果は、国民からの信任が得られないという結果ですけれども、総裁選から石破総理を支えていらっしゃる岩屋さんとして、総理が、今、総理の座、総裁の座にとどまることが適当だと考えるのか、責任をどのようにとるべきだと考えるのか、お尋ねします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】まず、冒頭申し上げたように、今般の選挙結果については、与党に対して、大変厳しい御審判をいただいたということで、これは真摯に受け止め、そして、謙虚に、反省すべきは反省していかなければいけないと思っております。
 一方で、国の内外に文字どおりの難題が山積しております。そして、迅速果断な対応が求められる課題が山積しております。我が国を取り巻く安全保障環境も、大変複雑で厳しいものがあります。様々な外交課題も待ち受けております。こういうときに、外交・安全保障に停滞を招くようなことがあってはならないと考えております。
 外交には、いうまでもなく安定性と継続性が必要です。今般の選挙結果は、与党だけでも、なかなかこの難題を解決することができない。野党がまとまっても、それはなかなか困難である。こういう政治状況が出現しているわけですから、与野党の垣根を越えて、胸襟を開いて話し合って、国家・国民のために、この難題に、共に立ち向かっていく政治が求められていると、私(岩屋大臣)は考えております。
 関税協議については、今、赤澤大臣が、渡米をしておりますけれども、これまでの交渉経過というものを踏まえまして、日米双方にとって利益となる合意を実現をする。このことに、全力を尽くしていかなければならないと考えております。
 先般来日されたベッセント財務長官も、必ず良い合意が実現できると述べられていると承知しておりますし、同時に、「合意は依然として実現可能な範囲である」と発言されていると承知しております。
 まさに国難ともいえる、この事態を乗り越えていくために、引き続き、政府一丸となってこの交渉を支えていきたいと思っております。
 それから、先ほども申し上げましたが、大変厳しい選挙結果を受けて、党内に様々な御意見があることは、ある意味当然だろうと思っております。したがって、国会議員のみならず、総理も述べておられましたが、地方組織の声も丁寧に聞いて、今後の党の在り方について、議論を深めていく必要があると思っております。
 一方で、最も大切なことは、この局面で国政に停滞を招かないということだと思います。国家や国民に対する責任をしっかりと果たしていくことが必要だと考えているところです。そのために、ここは言ってみれば、進むも地獄、退くも地獄ということですけれども、国家・国民のために、前に進んでいかなければならないと考えているところです。

シリア情勢(イスラエルによるシリア攻撃)

【パン・オリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 シリアについてお伺いします。イスラエルは、アサド前政権が崩壊した数時間後に、シリアへの爆撃を開始し、シリアの軍事インフラへの攻撃を続けています。最近の爆撃では、大統領府や国防省等が標的となっています。
 これらの爆撃や、新たなシリア領土への侵略・占領は、シリアがイスラエルに対して、何ら敵対行動をとっていないにもかかわらず行われているものです。
 そこでお伺いします。日本は、イスラエルを公然と非難せず、代わりに停戦の期待だけを表明していますが、そして、それをイスラエルは無視しているわけですが、それによって、日本は意図せず、イスラエルによるシリア侵略を後押しし、中東、更には世界の平和と安定の基盤を脅かしているのではないでしょうか。

【岩屋外務大臣】先般、19日の外務報道官談話で示したとおり、もちろんこれは、私(岩屋大臣)の判断をもって発表しているわけですが、我が国は、イスラエルによるシリアに対する攻撃で、シリア情勢が極めて悪化していることを深く懸念しております。
 その上で、我が国として、関係者の間で合意された停戦合意の着実な履行を求めるとともに、イスラエルを含む全ての当事者に対して、最大限の自制を強く求めます。また、事態の収束に向けた関係国による努力を評価しているところです。
 同時に、全ての当事者に対して、シリアの領土一体性と国家としての統一性を維持して、シリアの独立と主権を尊重するように求めます。
 我が国は、シリア政府が、包摂的な政治的解決と、国民和解に向けた対話に取り組んできたことを評価しておりまして、引き続き、シリアにおいて、平和的で安定した移行が実現するように、全ての当事者が、建設的な役割を果たすことを強く求めてまいる所存です。

参議院議員選挙(解決すべき国政課題)

【毎日新聞 田所記者】先ほどの共同さんのやり取りに関して、「進むも地獄、退くも地獄」というようなお話がありましたが、それでも進むということで、解決すべき国政課題なんですけれども、総理は、いの一番に関税交渉を挙げていらっしゃったのですが、大臣としても、最大の取り組むべき課題は、関税交渉と御覧になりますでしょうか。

【岩屋外務大臣】もちろん対米関税交渉は、極めて重要な国益を掛けた交渉です。やはりこういう重要な交渉をやっているときに、国内の政治基盤が極めて不安定に映るということは、決して交渉にプラスに作用しないと考えますので、ここはしっかりと、その体制を堅持して、この交渉に当たることが必要だと思っております。
 その他、様々な外交課題が現在進行中です。一々申し上げませんけれども、そういう外交課題の解決、あるいは、対処に当たりましても、国内の政治基盤が極めて不安定に映るということは、これまた、プラスに働かないと考えておりますので、ここは、国民の厳しい審判をしっかり受け止めた上で、野党の皆さんとも胸襟を開いて話し合って、特に、外交・安全保障問題については、基本的に、できるだけ同じ基盤に立つことが求められていると思いますので、そういう働きかけも含めて、しっかりやっていかなければいけないと考えているところです。

日・EU定期首脳会議

【朝日新聞 里見記者】今のお話も踏まえて、早速、日・EU首脳会議、冒頭御発言をされてましたけれども、予定しております。民主主義や「法の支配」といった基本的な価値の共有、これ重要だと思うんですけれども。改めてここで、EUとの連携の強化の意義と今回の参院選を踏まえて、EU側に日本として訴えたいこと、もし何かあるのであれば教えていただきたいのと、具体的に安全保障や経済面での協力の深化は、どの点でやっていきたいのかというのも教えていただければ助かります。

【岩屋外務大臣】昨今のような国際情勢の中ですから、御指摘があったように、価値や原則を共有するEUとの緊密な協力・連携というのは、今まで以上に重要になってきていると考えております。その意味で、今般、非常に時宜を得た日・EUの首脳会議になっていくものと考えております。
 EUとの間では、グローバル・ガバナンスや多国間主義、法の支配に基づく、国際秩序への強いコミットメントを維持することが重要だと考えておりまして、そういう発信をしていきたい、またされるものと考えております。
 また、安全保障面でいいますと、昨年11月に公表いたしました日・EU安全保障・防衛パートナーシップに基づきまして、安全保障分野における協力及び対話を一層強化していくことを確認をしたいと考えております。
 今、欧州とインド太平洋の安全保障というのは、密接不可分、ある意味つながっていると思います。また欧州側にも、そういう意識が共有されていると考えております。したがって、インド太平洋の安全保障にも、引き続き、EU側のコミットメントを維持していただきたいと考えておりますし、様々な、そのための安全保障分野における協力についても、話し合いが行われると考えております。
 それから、経済面では、この自由貿易体制が揺らぎつつある中で、安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序、貿易体制の維持と強化に向けたEUとの協力は不可欠であり、重要だと考えておりますので、経済安全保障という領域も含めて、議論を深めていく機会にしていかなければいけないと考えております。

国連専門家パネル・メンバーへの朝長万佐男氏の任命

【中国新聞 宮野記者】国連の核戦争が起きた場合の影響について調べる国連の専門家パネルについてお伺いします。政府として朝長万左男(ともなが・まさお)さんを委員に推薦された狙いをお伺いします。また「核兵器のない世界」に向けて、パネルでは、どのような議論を期待されるか、また、政府として、今後どのように支援されていくか、お考えをお伺いします。

【岩屋外務大臣】国連の、今御指摘があった「核戦争の影響に関する独立科学パネル」のメンバー、朝長万左男・日本赤十字長崎原爆病院名誉院長の任命を歓迎しております。
 朝長先生は、長年医師として被爆者医療に従事をされ、御自身も被爆者でもいらっしゃいます。そういった意味で、本パネルのメンバーとして適任であると考えて、日本政府として推薦をさせていただいたところです。
 本パネルは、核戦争の物理的・社会的影響や、それらが公衆衛生、社会経済システム、農業及び生態系に与える影響などを調査して、2027年の第82回国連総会に最終報告書を提出する予定と承知しています。
 このように、核兵器使用の影響を科学的見地から調査して、正確な理解を促進することは、「核兵器のない世界」に向けた、あらゆる取組の原点とも言うべき取組だと思っておりまして、充実した成果に期待をしたいと思っております。

参議院議員選挙(石破総理大臣の続投)

【読売新聞 栗山記者】大臣、先ほど、政権基盤について言及がありましたけれども、政権基盤が不安定な内閣において、関税交渉や外交において、石破内閣が十分な交渉相手と見なされるのかどうか。また、足元を見られることがないかというのが気になるところですので、そこについて言及をお願いいたします。

【岩屋外務大臣】まさに、おっしゃったように、大変難しい重要な交渉が、現在進行中ですので、足元を見られないようにしなければいけないと思っておりまして、その意味で、党内に様々な御意見があることは当然だとは思いますけれども、その意味では、今こそ、一致結束が必要なのではないかと思いますし、また与党の結束だけでは、今後の国会運営は、立ち行かないという状況ですので、野党の皆さんとも、謙虚に丁寧に話し合いを行って、より幅広い合意を作って、これらの様々な難題の解決に当たっていかなければいけないと思っているところです。
 関税交渉をどういう形で決着するか、まだ予断は許しませんけれども、決着内容によって、また国会の御理解をいただかなければいけない局面も出てくると思いますし、そのためにも、やはり幅広い合意、国会における幅広い合意を形成するための様々な努力を誠心誠意行っていかなければいけないと考えております。

【共同通信 阪口記者】関連して伺います。先ほど大臣、国政の停滞を招くことがあってはならないということを御発言ありました。いろいろな指摘の中で、総理が残られることこそが国政の停滞を招くんではないかという御指摘もありますけれども、その点については、どのようにお考えでしょうか。

【岩屋外務大臣】今、衆参ともに、与党は残念ながら、過半数を割っている状況なわけです。しからば、仮に自民党新総裁ができたときに、首班指名で、総理になれる確証もないという状況の中で、それをどうするかという難題に向き合っているわけです。したがって、石破政権の延命云々という次元の問題ではなくて、難局にある日本の政治をどういうふうに、ここで再構築するかという課題に、我々は直面していると思っております。
 当面は、この体制を維持して、できるだけ野党の皆さんとも話し合って、幅広い合意を形成して、日本を前に進めていくという作業を、しっかりやっていくということが、国家・国民のために求められていると考えているところです。

冒頭発言

(1)参議院議員選挙

【岩屋外務大臣】冒頭、私(岩屋大臣)から三つ御報告がございます。
 まず、今般の参議院選挙です。
 政権与党としては、国民の皆様から、極めて厳しい審判をいただきました。この結果を謙虚に、そして真摯に受け止めなければならないと考えております。
 同時に、内外に難題が山積する中で、政治に停滞は許されません。国家や国民のために何をなすべきか、このことだけを念頭において、外務大臣としての責任を果たしてまいりたいと考えております。

(2)エクアドル共和国外務・移民大臣の訪日

【岩屋外務大臣】二番目に、エクアドル共和国のソメルフェルド外務大臣・移民大臣が、22日から25日まで、外務省賓客として訪日されます。
 エクアドルは、100年以上にわたる外交関係を有し、日本と価値や原則を共有する重要なパートナーです。エクアドルとの関係を一層強化すべく、明日、外相会談及びワーキング・ディナーを行い、二国間関係や地域情勢・国際情勢などについて、意見交換を行う予定です。

(3)日・EU外相会談

【岩屋外務大臣】三番目に、日・EUの外相会談についてです。
 EUのカッラス外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会福委員長が、第30回の日・EU定期首脳協議に出席するコスタ欧州理事会議長及びフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長とともに、訪日をされておられます。
 明日、私(岩屋大臣)は、カッラス上級代表とも会談をいたしまして、日・EU関係やインド太平洋などの地域情勢について意見交換を行う予定です。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

参議院議員選挙(外交と日米関税協議への影響)

【共同通信 阪口記者】参院選について伺います。冒頭、御発言ありましたけれども、衆院に続き、参院でも与党が過半数割れという結果になりました。政権の基盤が脆弱となり、外交の交渉力の低下も懸念されると思います。米国との関税交渉が続いていますけれども、自民党内からも退陣を求める声が上がる石破政権で、交渉を継続することが適当であると考えられるのかどうか、交渉への影響について、どのように考えられるかお尋ねします。
 もう一点、石破首相、総理となる前は、政権与党に、世論的な批判が集まった際には、臆することなく厳しい意見を代弁して、国民の人気を集めていらっしゃった人物だと思います。今回の結果は、国民からの信任が得られないという結果ですけれども、総裁選から石破総理を支えていらっしゃる岩屋さんとして、総理が、今、総理の座、総裁の座にとどまることが適当だと考えるのか、責任をどのようにとるべきだと考えるのか、お尋ねします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】まず、冒頭申し上げたように、今般の選挙結果については、与党に対して、大変厳しい御審判をいただいたということで、これは真摯に受け止め、そして、謙虚に、反省すべきは反省していかなければいけないと思っております。
 一方で、国の内外に文字どおりの難題が山積しております。そして、迅速果断な対応が求められる課題が山積しております。我が国を取り巻く安全保障環境も、大変複雑で厳しいものがあります。様々な外交課題も待ち受けております。こういうときに、外交・安全保障に停滞を招くようなことがあってはならないと考えております。
 外交には、いうまでもなく安定性と継続性が必要です。今般の選挙結果は、与党だけでも、なかなかこの難題を解決することができない。野党がまとまっても、それはなかなか困難である。こういう政治状況が出現しているわけですから、与野党の垣根を越えて、胸襟を開いて話し合って、国家・国民のために、この難題に、共に立ち向かっていく政治が求められていると、私(岩屋大臣)は考えております。
 関税協議については、今、赤澤大臣が、渡米をしておりますけれども、これまでの交渉経過というものを踏まえまして、日米双方にとって利益となる合意を実現をする。このことに、全力を尽くしていかなければならないと考えております。
 先般来日されたベッセント財務長官も、必ず良い合意が実現できると述べられていると承知しておりますし、同時に、「合意は依然として実現可能な範囲である」と発言されていると承知しております。
 まさに国難ともいえる、この事態を乗り越えていくために、引き続き、政府一丸となってこの交渉を支えていきたいと思っております。
 それから、先ほども申し上げましたが、大変厳しい選挙結果を受けて、党内に様々な御意見があることは、ある意味当然だろうと思っております。したがって、国会議員のみならず、総理も述べておられましたが、地方組織の声も丁寧に聞いて、今後の党の在り方について、議論を深めていく必要があると思っております。
 一方で、最も大切なことは、この局面で国政に停滞を招かないということだと思います。国家や国民に対する責任をしっかりと果たしていくことが必要だと考えているところです。そのために、ここは言ってみれば、進むも地獄、退くも地獄ということですけれども、国家・国民のために、前に進んでいかなければならないと考えているところです。

シリア情勢(イスラエルによるシリア攻撃)

【パン・オリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 シリアについてお伺いします。イスラエルは、アサド前政権が崩壊した数時間後に、シリアへの爆撃を開始し、シリアの軍事インフラへの攻撃を続けています。最近の爆撃では、大統領府や国防省等が標的となっています。
 これらの爆撃や、新たなシリア領土への侵略・占領は、シリアがイスラエルに対して、何ら敵対行動をとっていないにもかかわらず行われているものです。
 そこでお伺いします。日本は、イスラエルを公然と非難せず、代わりに停戦の期待だけを表明していますが、そして、それをイスラエルは無視しているわけですが、それによって、日本は意図せず、イスラエルによるシリア侵略を後押しし、中東、更には世界の平和と安定の基盤を脅かしているのではないでしょうか。

【岩屋外務大臣】先般、19日の外務報道官談話で示したとおり、もちろんこれは、私(岩屋大臣)の判断をもって発表しているわけですが、我が国は、イスラエルによるシリアに対する攻撃で、シリア情勢が極めて悪化していることを深く懸念しております。
 その上で、我が国として、関係者の間で合意された停戦合意の着実な履行を求めるとともに、イスラエルを含む全ての当事者に対して、最大限の自制を強く求めます。また、事態の収束に向けた関係国による努力を評価しているところです。
 同時に、全ての当事者に対して、シリアの領土一体性と国家としての統一性を維持して、シリアの独立と主権を尊重するように求めます。
 我が国は、シリア政府が、包摂的な政治的解決と、国民和解に向けた対話に取り組んできたことを評価しておりまして、引き続き、シリアにおいて、平和的で安定した移行が実現するように、全ての当事者が、建設的な役割を果たすことを強く求めてまいる所存です。

参議院議員選挙(解決すべき国政課題)

【毎日新聞 田所記者】先ほどの共同さんのやり取りに関して、「進むも地獄、退くも地獄」というようなお話がありましたが、それでも進むということで、解決すべき国政課題なんですけれども、総理は、いの一番に関税交渉を挙げていらっしゃったのですが、大臣としても、最大の取り組むべき課題は、関税交渉と御覧になりますでしょうか。

【岩屋外務大臣】もちろん対米関税交渉は、極めて重要な国益を掛けた交渉です。やはりこういう重要な交渉をやっているときに、国内の政治基盤が極めて不安定に映るということは、決して交渉にプラスに作用しないと考えますので、ここはしっかりと、その体制を堅持して、この交渉に当たることが必要だと思っております。
 その他、様々な外交課題が現在進行中です。一々申し上げませんけれども、そういう外交課題の解決、あるいは、対処に当たりましても、国内の政治基盤が極めて不安定に映るということは、これまた、プラスに働かないと考えておりますので、ここは、国民の厳しい審判をしっかり受け止めた上で、野党の皆さんとも胸襟を開いて話し合って、特に、外交・安全保障問題については、基本的に、できるだけ同じ基盤に立つことが求められていると思いますので、そういう働きかけも含めて、しっかりやっていかなければいけないと考えているところです。

日・EU定期首脳会議

【朝日新聞 里見記者】今のお話も踏まえて、早速、日・EU首脳会議、冒頭御発言をされてましたけれども、予定しております。民主主義や「法の支配」といった基本的な価値の共有、これ重要だと思うんですけれども。改めてここで、EUとの連携の強化の意義と今回の参院選を踏まえて、EU側に日本として訴えたいこと、もし何かあるのであれば教えていただきたいのと、具体的に安全保障や経済面での協力の深化は、どの点でやっていきたいのかというのも教えていただければ助かります。

【岩屋外務大臣】昨今のような国際情勢の中ですから、御指摘があったように、価値や原則を共有するEUとの緊密な協力・連携というのは、今まで以上に重要になってきていると考えております。その意味で、今般、非常に時宜を得た日・EUの首脳会議になっていくものと考えております。
 EUとの間では、グローバル・ガバナンスや多国間主義、法の支配に基づく、国際秩序への強いコミットメントを維持することが重要だと考えておりまして、そういう発信をしていきたい、またされるものと考えております。
 また、安全保障面でいいますと、昨年11月に公表いたしました日・EU安全保障・防衛パートナーシップに基づきまして、安全保障分野における協力及び対話を一層強化していくことを確認をしたいと考えております。
 今、欧州とインド太平洋の安全保障というのは、密接不可分、ある意味つながっていると思います。また欧州側にも、そういう意識が共有されていると考えております。したがって、インド太平洋の安全保障にも、引き続き、EU側のコミットメントを維持していただきたいと考えておりますし、様々な、そのための安全保障分野における協力についても、話し合いが行われると考えております。
 それから、経済面では、この自由貿易体制が揺らぎつつある中で、安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序、貿易体制の維持と強化に向けたEUとの協力は不可欠であり、重要だと考えておりますので、経済安全保障という領域も含めて、議論を深めていく機会にしていかなければいけないと考えております。

国連専門家パネル・メンバーへの朝長万佐男氏の任命

【中国新聞 宮野記者】国連の核戦争が起きた場合の影響について調べる国連の専門家パネルについてお伺いします。政府として朝長万左男(ともなが・まさお)さんを委員に推薦された狙いをお伺いします。また「核兵器のない世界」に向けて、パネルでは、どのような議論を期待されるか、また、政府として、今後どのように支援されていくか、お考えをお伺いします。

【岩屋外務大臣】国連の、今御指摘があった「核戦争の影響に関する独立科学パネル」のメンバー、朝長万左男・日本赤十字長崎原爆病院名誉院長の任命を歓迎しております。
 朝長先生は、長年医師として被爆者医療に従事をされ、御自身も被爆者でもいらっしゃいます。そういった意味で、本パネルのメンバーとして適任であると考えて、日本政府として推薦をさせていただいたところです。
 本パネルは、核戦争の物理的・社会的影響や、それらが公衆衛生、社会経済システム、農業及び生態系に与える影響などを調査して、2027年の第82回国連総会に最終報告書を提出する予定と承知しています。
 このように、核兵器使用の影響を科学的見地から調査して、正確な理解を促進することは、「核兵器のない世界」に向けた、あらゆる取組の原点とも言うべき取組だと思っておりまして、充実した成果に期待をしたいと思っております。

参議院議員選挙(石破総理大臣の続投)

【読売新聞 栗山記者】大臣、先ほど、政権基盤について言及がありましたけれども、政権基盤が不安定な内閣において、関税交渉や外交において、石破内閣が十分な交渉相手と見なされるのかどうか。また、足元を見られることがないかというのが気になるところですので、そこについて言及をお願いいたします。

【岩屋外務大臣】まさに、おっしゃったように、大変難しい重要な交渉が、現在進行中ですので、足元を見られないようにしなければいけないと思っておりまして、その意味で、党内に様々な御意見があることは当然だとは思いますけれども、その意味では、今こそ、一致結束が必要なのではないかと思いますし、また与党の結束だけでは、今後の国会運営は、立ち行かないという状況ですので、野党の皆さんとも、謙虚に丁寧に話し合いを行って、より幅広い合意を作って、これらの様々な難題の解決に当たっていかなければいけないと思っているところです。
 関税交渉をどういう形で決着するか、まだ予断は許しませんけれども、決着内容によって、また国会の御理解をいただかなければいけない局面も出てくると思いますし、そのためにも、やはり幅広い合意、国会における幅広い合意を形成するための様々な努力を誠心誠意行っていかなければいけないと考えております。

【共同通信 阪口記者】関連して伺います。先ほど大臣、国政の停滞を招くことがあってはならないということを御発言ありました。いろいろな指摘の中で、総理が残られることこそが国政の停滞を招くんではないかという御指摘もありますけれども、その点については、どのようにお考えでしょうか。

【岩屋外務大臣】今、衆参ともに、与党は残念ながら、過半数を割っている状況なわけです。しからば、仮に自民党新総裁ができたときに、首班指名で、総理になれる確証もないという状況の中で、それをどうするかという難題に向き合っているわけです。したがって、石破政権の延命云々という次元の問題ではなくて、難局にある日本の政治をどういうふうに、ここで再構築するかという課題に、我々は直面していると思っております。
 当面は、この体制を維持して、できるだけ野党の皆さんとも話し合って、幅広い合意を形成して、日本を前に進めていくという作業を、しっかりやっていくということが、国家・国民のために求められていると考えているところです。

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