- 97万人を超えるミャンマー連邦共和国からの避難民が暮らすコックスバザール県のウキヤ郡及びテクナフ郡では、毎月約1万トンの廃棄物のち約半分が避難民キャンプから排出されています。それらは適切に収集・処理されないまま拡散し、周辺の土壌、水、大気を汚染し、生物多様性や生態系、自然環境に悪影響を及ぼしています。また、投棄された固形廃棄物の山は害虫や媒介動物の温床となるため、避難民キャンプと周辺ホストコミュニティに感染症の発生等の衛生環境の悪化をもたらし、住民の間で健康被害が生じています。
- 本協力では、バングラデシュのコックスバザール県において、衛生埋立地、資源回収施設、焼却炉などの廃棄物関連施設を整備する他、廃棄物管理能力の向上のため、固形廃棄物管理に関する意識向上に関する研修、廃棄物再利用の小規模ビジネス起業支援、廃棄物管理施設用の標準業務手順書整備などを行います。この協力により、同地域の生活環境の改善を図り、もってバングラデシュの社会脆弱性の克服に貢献することが期待されます。
3月10日(現地時間同日)、バングラデシュ人民共和国の首都ダッカにおいて、髙橋直樹在バングラデシュ人民共和国日本国臨時代理大使と、ステファン・リラー国際連合開発計画(UNDP)在バングラデシュ事務所代表(Mr. Stefan LILLER, UNDP (the United Nations Development Programme) Resident Representative in the People’s Republic of Bangladesh)との間で、供与額2.20億円の対バングラデシュ無償資金協力「コックスバザール県におけるミャンマーからの避難民及びホストコミュニティのための持続可能な固形廃棄物管理計画(UNDP連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました。
(参考)バングラデシュ人民共和国基礎データ
バングラデシュ人民共和国は、面積約14万7千平方キロメートル(日本の約4割)、人口1億7,467万人(2023年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)2,880米ドル(2023年、世界銀行)。