経済産業省は、セキュリティ人材の裾野を更に拡大していくために必要な施策の在り方について検討を進め、本日、検討の概要を「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会最終取りまとめ」(最終取りまとめ)として公表しました。
最終取りまとめでは、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の活用促進や制度の見直しなどの方向性を示すとともに、登録セキスぺの登録人数を2030年までに5万人(2025年4月時点で約2.4万人)まで増やす目標を掲げています。中小企業等が実施すべきセキュリティ対策に応じた人材確保・育成の方策を示すとともに、国家資格である登録セキスペを取得した外部専門人材の活用を促し、サイバーセキュリティ対策の強化につなげていきます。経済産業省としては、今後、各施策の継続的な改善を実施しながら、更なる人材育成のための方策を検討し、人材の質・量の強化を図っていきます。
1.背景・趣旨
我が国においてサイバーセキュリティ人材が不足しているとの声は多く、国内で約11万人不足しているとの民間調査結果 ※ もあります。サイバーセキュリティ人材の不足に対応するためには、トップ人材や高度専門人材から、地域の中小企業等でセキュリティ対策を推進する人材まで、各層の課題に応じた施策を戦略的に進めることが重要となります。
このため、経済産業省では、令和6年7月より「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会」を開催し、有識者による議論を進めてきました。検討会では、これまで一定の効果を生み出している既存の施策の拡充・改善をベースとして、実際に政策ニーズを有する組織の方へのヒアリング等も通じて検討を行い、令和7年5月に政策対応の方向性を「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会最終取りまとめ」として、取りまとめました。
2.「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会最終取りまとめ」の概要
「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会最終取りまとめ」は、「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会」の検討内容を整理したものであり、以下の方針を示すとともに、登録セキスぺの登録人数を2030年までに5万人(2025年4月時点で約2.4万人)まで増やす目標を掲げています。今後、各施策の継続的な改善を実施しながら、更なる人材育成のための方策を検討し、人材の質・量の強化を図っていきます。
サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた施策の方向性
(1)セキュリティ・キャンプの拡充
- AI等の特定領域と掛け合わせた高度セキュリティ人材の育成を目的とする新たなキャンプを実施する。
- 修了生の継続的な知見研鑽・社会還元・活躍状況共有等を目的としたコミュニティを整備する。
(2)登録セキスぺの活用促進
- 個社の状況に応じた個別相談・支援等が可能な登録セキスペのリスト(アクティブリスト)を整備し、中小企業支援機関等を通じて中小企業との人材マッチングを促進する。
- 所定の実務経験を有する者を対象に、資格更新時の講習のみなし受講制度を導入する。
(3)中堅・中小企業等における人材確保策の提示
- 中堅・中小企業が実施すべきセキュリティ対策に応じた人材確保・育成の実践的方策ガイドをβ版として整理する。
- 人材を育成する際に参照できる教材・資格等も提示する。
目指す効果
- トップ人材の育成スケール拡大(現状の2倍以上)
- セキュリティ人材のキャリアの魅力化
- 登録セキスペ ※ の活躍機会(中小企業のセキュリティ確保等の実務経験機会)増加
- 登録セキスペ資格更新時の負担軽減
- 中堅・中小企業におけるセキュリティ人材探索コストの低減
- 中堅・中小企業内での内部人材育成容易化
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担当
商務情報政策局 サイバーセキュリティ課長 武尾担当者:野本、不破
電話:03-3501-1511(内線 3964)
メール:bzl-cyber-madoguchi★meti.go.jp
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