第32回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合

7.11 (金) 20:40
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令和7年7月11日
会議場の様子
日本代表団の席に座る岩屋外務大臣

 現地時間7月11日午後2時40分(日本時間午後3時40分)から約3時間、マレーシアの首都クアラルンプールにて、第32回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され、岩屋毅外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。

  1. 岩屋大臣から、概要以下のとおり発言しました。
    1. 総論
       欧州、中東、インド太平洋地域の安全保障環境は密接に連関し、国際情勢は厳しさ、不確実性を増している。こうした中、ARFの掲げる信頼醸成や予防外交の重要性はこれまで以上に高まっている。日本は、引き続きARFにおける対話と協力に積極的に関与していく。
       国際社会を分断と対立ではなく協調に導くため、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の掲げる、ルールに基づく枠組み、開放性、透明性、包摂性といった原則の重要性も高まっている。日本は、いち早くAOIPの支持を表明。今や多数の国がAOIPを支持するに至っており、AOIPの主流化に資する取組を更に進めたい。  
    2. 東シナ海・南シナ海・台湾
       東シナ海を含め力による一方的な現状変更の試みは、世界のどこであれ決して認められない。南シナ海では、軍事化や危険で威圧的な活動を含め、地域の緊張を高める行為が継続・強化されており、深刻に懸念。国際法、特に国連海洋法条約に基づき平和的解決がなされることが重要。台湾海峡の平和と安定は地域・国際社会全体にとって重要。
    3. 北朝鮮・不拡散・軍縮
       北朝鮮の核・ミサイル開発、その資金源の一つである暗号資産窃取を含む悪意あるサイバー活動や露朝軍事協力の進展を深刻に懸念。国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化が必要であり、安保理決議の完全な履行を始め連携して対応したい。拉致問題の即時解決に向け、引き続き各国の理解と協力をお願いする。
       また、「核兵器のない世界」に向けた国際的な取組を主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命。引き続き、現実的かつ実践的な取組を進めていく。
    4. ミャンマー
       3月のミャンマーにおける地震に際して、ASEAN防災人道支援センターの迅速な対応を高く評価。
       一方で、悪化の一途を辿っているミャンマー情勢を深刻に懸念。停戦の確実な履行や全ての関係者による対話の進展を強く求める。日本は、今後もミャンマー国民に直接裨益する人道支援を実施していく。同時に、「5つのコンセンサス」の実現のためASEANの努力を最大限後押しする。
    5. ARFの将来の方向性
       ARFにおいて、30年以上にわたり様々な協力が進められてきたことを歓迎。同時に、こうした取組にも関わらず地域の安全保障環境が厳しさを増している現状を直視する必要がある。信頼醸成や予防外交にとって何が効果的かという基本に立ち返り、戦略的かつ現実的な方策を考えていく必要がある。引き続きARFメンバーと議論していきたい。
  2. 他のARFメンバーの発言
    1. 多くのARF参加メンバーから、ARFの信頼醸成等に果たしてきた役割を評価する発言があり、ARFにおける協力を更に推進していきたいとの意向が示されました。
    2. 多くの参加メンバーから、東シナ海、南シナ海情勢への懸念、航行・上空飛行の自由の重要性、国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性について発言がありました。
    3. 北朝鮮に関し、多くの参加メンバーから、完全な非核化の重要性や、核・ミサイル開発の進展への懸念に関する発言がありました。また、複数のメンバーから、拉致問題の即時解決の必要性に関する発言がありました。
    4. ミャンマー情勢に関し、多くの参加メンバーから、深刻な懸念が表明され、「5つのコンセンサス」履行の重要性が強調されました。

令和7年7月11日
会議場の様子
日本代表団の席に座る岩屋外務大臣

 現地時間7月11日午後2時40分(日本時間午後3時40分)から約3時間、マレーシアの首都クアラルンプールにて、第32回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され、岩屋毅外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。

  1. 岩屋大臣から、概要以下のとおり発言しました。
    1. 総論
       欧州、中東、インド太平洋地域の安全保障環境は密接に連関し、国際情勢は厳しさ、不確実性を増している。こうした中、ARFの掲げる信頼醸成や予防外交の重要性はこれまで以上に高まっている。日本は、引き続きARFにおける対話と協力に積極的に関与していく。
       国際社会を分断と対立ではなく協調に導くため、「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の掲げる、ルールに基づく枠組み、開放性、透明性、包摂性といった原則の重要性も高まっている。日本は、いち早くAOIPの支持を表明。今や多数の国がAOIPを支持するに至っており、AOIPの主流化に資する取組を更に進めたい。  
    2. 東シナ海・南シナ海・台湾
       東シナ海を含め力による一方的な現状変更の試みは、世界のどこであれ決して認められない。南シナ海では、軍事化や危険で威圧的な活動を含め、地域の緊張を高める行為が継続・強化されており、深刻に懸念。国際法、特に国連海洋法条約に基づき平和的解決がなされることが重要。台湾海峡の平和と安定は地域・国際社会全体にとって重要。
    3. 北朝鮮・不拡散・軍縮
       北朝鮮の核・ミサイル開発、その資金源の一つである暗号資産窃取を含む悪意あるサイバー活動や露朝軍事協力の進展を深刻に懸念。国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化が必要であり、安保理決議の完全な履行を始め連携して対応したい。拉致問題の即時解決に向け、引き続き各国の理解と協力をお願いする。
       また、「核兵器のない世界」に向けた国際的な取組を主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命。引き続き、現実的かつ実践的な取組を進めていく。
    4. ミャンマー
       3月のミャンマーにおける地震に際して、ASEAN防災人道支援センターの迅速な対応を高く評価。
       一方で、悪化の一途を辿っているミャンマー情勢を深刻に懸念。停戦の確実な履行や全ての関係者による対話の進展を強く求める。日本は、今後もミャンマー国民に直接裨益する人道支援を実施していく。同時に、「5つのコンセンサス」の実現のためASEANの努力を最大限後押しする。
    5. ARFの将来の方向性
       ARFにおいて、30年以上にわたり様々な協力が進められてきたことを歓迎。同時に、こうした取組にも関わらず地域の安全保障環境が厳しさを増している現状を直視する必要がある。信頼醸成や予防外交にとって何が効果的かという基本に立ち返り、戦略的かつ現実的な方策を考えていく必要がある。引き続きARFメンバーと議論していきたい。
  2. 他のARFメンバーの発言
    1. 多くのARF参加メンバーから、ARFの信頼醸成等に果たしてきた役割を評価する発言があり、ARFにおける協力を更に推進していきたいとの意向が示されました。
    2. 多くの参加メンバーから、東シナ海、南シナ海情勢への懸念、航行・上空飛行の自由の重要性、国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性について発言がありました。
    3. 北朝鮮に関し、多くの参加メンバーから、完全な非核化の重要性や、核・ミサイル開発の進展への懸念に関する発言がありました。また、複数のメンバーから、拉致問題の即時解決の必要性に関する発言がありました。
    4. ミャンマー情勢に関し、多くの参加メンバーから、深刻な懸念が表明され、「5つのコンセンサス」履行の重要性が強調されました。

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