第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議

10.27 (月) 19:40
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令和7年10月27日
第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議の様子
第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議に出席する茂木外務大臣
第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議に出席する日中韓代表者の様子

 現地時間10月27日午前11時00分(日本時間午前12時00分)から約1時間35分間、マレーシアの首都クアラルンプールにて第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議が開催され、茂木敏充外務大臣が代理出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 開会発言

 茂木大臣から、冒頭、アンワル首相及びマレーシア政府の温かい歓迎に謝意を述べました。また、タイのシリキット王太后陛下の崩御の報を受け、哀悼の意を表しました。それに続き、概要以下のとおり述べました。

  1. ASEAN+3は、アジア通貨危機を背景に、1997年にクアラルンプールで発足した。それ以来、ASEAN+3は、地域におけるセーフティネット構築を中心とした実務協力を推進し、地域の安定と繁栄の実現に大きく貢献してきた。従来からの金融協力、食料安全保障に加え、近年、地域・国際社会が直面する災害対応、少子高齢化、組織 犯罪といった共通の課題の解決に向けたASEAN+3の協力には大きなポテンシャルがある。
  2. 日本はASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)の取組を主導してきた。また、ASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)の組織強化を含め、食料安保分野での協力についても引き続き議論を主導していく考え。加えて、本年5月、日本が主導し、チェンマイ・イニシアティブの下、「緊急融資ファシリティ」が創設された。また、日本 が主導する災害リスクファイナンスは、被災国の迅速な復旧に貢献するもの。
  3. 日本は、このような取組を通じて、地域の安定と繁栄に貢献し、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を推進する。日本は、FOIPと多くの原則を共有する「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を全面的に支持。ASEAN+3の枠組みにおいても、AOIPの主流化に資する取組を進める。
  4. 日本は現在、日中韓サミットの議長国を務めている。今後開催する日中韓サミットも念頭に、ASEANにも資する未来志向の協力を進めていけるよう、中国、韓国とも引き続き緊密に連携していく考えである。

2 ASEAN+3協力

  1. 茂木大臣から、日本は、本年の議長国のテーマである「包摂性と持続可能性」を強く支持するとともに、「ASEAN共同体ビジョン2045」を全面的に支持しており、このビジョンに沿ってASEAN+3での協力を更に強化していくと述べつつ、特に重視する3分野について、それぞれ概要以下のとおり発言しました。
    • 第一に、金融分野での協力について、世界経済の先行きに不透明感が増す中、地域金融協力の重要性は高まっている。渡部CEOのリーダーシップの下、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)の役割に期待するとともに、日本としても、域内の経済成長・金融の安定化に向けた取組みを推進する。またこの観点から、日本は、議長提案の「地域の経済・金融協力の強化に関するASEAN+3首脳声明」を支持する。
    • 第二に、持続可能な社会に向けた協力について、地域の食料安全保障の観点から、日本は、APTERRの活動強化に積極的に貢献するとともに、AFSISの組織強化を主導する。自然災害が頻発化・激甚化する中、本年の東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)日本作業部会では、防災をテーマに議論し、提言書をまとめた。引き続き、仙台防災枠組みに基づいた防災分野における幅広い協力を進めていく。日中韓3か国において進行が著しい少子高齢化は、ASEAN諸国も直面しつつある課題。日中韓からの知見・経験の共有を含め、協力を深めていく。
    • 第三に、国民の安全のための協力について、組織犯罪は、ASEAN+3各国に多大な経済被害を与え、各国の国民の安全にも関わる深刻な課題。日本は、国連薬物犯罪事務所を始めとする国際機関等を通じて、この地域で法執行能力強化などの協力を実施しており、今後、特殊詐欺対策にも取り組んでいく。ASEAN+3における連携も強化したいと考えている。
  2. 他の参加国から、ASEAN+3の枠組みにおける協力を更に推進していくと の決意が示されるとともに、各国が進めている取組についての紹介や、経済・金融協 力、食料安全保障、保健、デジタル、エネルギー移行等をはじめとする、優先すべき 協力分野について発言がありました。

3 地域・国際情勢

  1. 茂木大臣から、今月22日の弾道ミサイル発射に触れつつ、北朝鮮は、暗号資産窃取も資金源に核・ミサイル能力を着実に向上させ、露朝軍事協力を通じ実戦経験を積んでいることを指摘し、地域の緊張を高める行為を深刻に懸念していると述べました。加えて、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化が重要であると強調し、決議の完全な履行をはじめ、連携して対応していくことを改めて呼びかけました。また、北朝鮮による拉致問題の即時解決は急務であると述べ、各国の理解と協力を要請しました。
  2. これに対し、他の参加国からは、北朝鮮の非核化の重要性等の指摘がありました。

(参考)地域の経済・金融協力の強化に関するASEAN+3首脳声明(英文(PDF)別ウィンドウで開く


令和7年10月27日
第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議の様子
第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議に出席する茂木外務大臣
第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議に出席する日中韓代表者の様子

 現地時間10月27日午前11時00分(日本時間午前12時00分)から約1時間35分間、マレーシアの首都クアラルンプールにて第28回ASEAN+3(日中韓)首脳会議が開催され、茂木敏充外務大臣が代理出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 開会発言

 茂木大臣から、冒頭、アンワル首相及びマレーシア政府の温かい歓迎に謝意を述べました。また、タイのシリキット王太后陛下の崩御の報を受け、哀悼の意を表しました。それに続き、概要以下のとおり述べました。

  1. ASEAN+3は、アジア通貨危機を背景に、1997年にクアラルンプールで発足した。それ以来、ASEAN+3は、地域におけるセーフティネット構築を中心とした実務協力を推進し、地域の安定と繁栄の実現に大きく貢献してきた。従来からの金融協力、食料安全保障に加え、近年、地域・国際社会が直面する災害対応、少子高齢化、組織 犯罪といった共通の課題の解決に向けたASEAN+3の協力には大きなポテンシャルがある。
  2. 日本はASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)の取組を主導してきた。また、ASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)の組織強化を含め、食料安保分野での協力についても引き続き議論を主導していく考え。加えて、本年5月、日本が主導し、チェンマイ・イニシアティブの下、「緊急融資ファシリティ」が創設された。また、日本 が主導する災害リスクファイナンスは、被災国の迅速な復旧に貢献するもの。
  3. 日本は、このような取組を通じて、地域の安定と繁栄に貢献し、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を推進する。日本は、FOIPと多くの原則を共有する「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を全面的に支持。ASEAN+3の枠組みにおいても、AOIPの主流化に資する取組を進める。
  4. 日本は現在、日中韓サミットの議長国を務めている。今後開催する日中韓サミットも念頭に、ASEANにも資する未来志向の協力を進めていけるよう、中国、韓国とも引き続き緊密に連携していく考えである。

2 ASEAN+3協力

  1. 茂木大臣から、日本は、本年の議長国のテーマである「包摂性と持続可能性」を強く支持するとともに、「ASEAN共同体ビジョン2045」を全面的に支持しており、このビジョンに沿ってASEAN+3での協力を更に強化していくと述べつつ、特に重視する3分野について、それぞれ概要以下のとおり発言しました。
    • 第一に、金融分野での協力について、世界経済の先行きに不透明感が増す中、地域金融協力の重要性は高まっている。渡部CEOのリーダーシップの下、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)の役割に期待するとともに、日本としても、域内の経済成長・金融の安定化に向けた取組みを推進する。またこの観点から、日本は、議長提案の「地域の経済・金融協力の強化に関するASEAN+3首脳声明」を支持する。
    • 第二に、持続可能な社会に向けた協力について、地域の食料安全保障の観点から、日本は、APTERRの活動強化に積極的に貢献するとともに、AFSISの組織強化を主導する。自然災害が頻発化・激甚化する中、本年の東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)日本作業部会では、防災をテーマに議論し、提言書をまとめた。引き続き、仙台防災枠組みに基づいた防災分野における幅広い協力を進めていく。日中韓3か国において進行が著しい少子高齢化は、ASEAN諸国も直面しつつある課題。日中韓からの知見・経験の共有を含め、協力を深めていく。
    • 第三に、国民の安全のための協力について、組織犯罪は、ASEAN+3各国に多大な経済被害を与え、各国の国民の安全にも関わる深刻な課題。日本は、国連薬物犯罪事務所を始めとする国際機関等を通じて、この地域で法執行能力強化などの協力を実施しており、今後、特殊詐欺対策にも取り組んでいく。ASEAN+3における連携も強化したいと考えている。
  2. 他の参加国から、ASEAN+3の枠組みにおける協力を更に推進していくと の決意が示されるとともに、各国が進めている取組についての紹介や、経済・金融協 力、食料安全保障、保健、デジタル、エネルギー移行等をはじめとする、優先すべき 協力分野について発言がありました。

3 地域・国際情勢

  1. 茂木大臣から、今月22日の弾道ミサイル発射に触れつつ、北朝鮮は、暗号資産窃取も資金源に核・ミサイル能力を着実に向上させ、露朝軍事協力を通じ実戦経験を積んでいることを指摘し、地域の緊張を高める行為を深刻に懸念していると述べました。加えて、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化が重要であると強調し、決議の完全な履行をはじめ、連携して対応していくことを改めて呼びかけました。また、北朝鮮による拉致問題の即時解決は急務であると述べ、各国の理解と協力を要請しました。
  2. これに対し、他の参加国からは、北朝鮮の非核化の重要性等の指摘がありました。

(参考)地域の経済・金融協力の強化に関するASEAN+3首脳声明(英文(PDF)別ウィンドウで開く


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