【茂木外務大臣】今朝早朝、マレーシアから帰国いたしまして、本日午前中には、日米首脳会談に同席をいたしました。和やかな中にも、非常に充実したやり取りでありまして、日米同盟の新たな黄金時代を築いていく上で、両首脳の初の対面の会談として、非常に実りの多い会談になったと、こんなふうに考えております。とっても打ち解けた感じだなと、初めて会うようには見えないなと、こういう感じの良い会談でした。
また、私も同席する形で、拉致被害者御家族との面会も行われました。トランプ大統領、ルビオ国務長官には、拉致被害者御家族の声に真摯に耳を傾けていただき、改めて、拉致問題、即時解決に向けた、全面的な協力の表明が米側からあったところであります。
その後、ルビオ長官との間で、日米外相会談を行いました。ルビオ長官と今後の連携のベースとなる個人的な信頼関係を構築するとともに、日米韓の安全保障、経済分野での協力や、最近の様々な国際情勢、そして、国際社会における課題について、率直かつ中身の濃い意見交換を行うことができました。
また、先ほど、ラトニック商務長官とも会談を行いました。米国の関税措置について、対米調整の全体を私が総括すると、こういった立場から、日米間の合意の立役者でありますラトニック長官と、今後更に連携を強化していくことで一致を見たところであります。
また、経済安全保障を含む幅広い分野について、様々なレベルで協力を深めていくことの確認をいたしました。日米同盟の一層の強化、これは、我が国の外交・安全保障政策の最優先事項であります。今後も、様々な取組を通じて、日米同盟を更なる高みに引き上げていきます。
冒頭発言:
日米首脳会談、日米外相会談、ラトニック商務長官との会談
日中外相電話会談
【茂木外務大臣】次に、中国の王毅(おう・き)外交部長との間で、本日午後、14時からですが、約30分間電話会談を行いました。私と王毅部長との間で、旧知の仲でもありまして、20年来の、なんというか、やり取りもあるという中で、日中間で、「戦略的互恵関係」の包括的推進と、「建設的かつ安定的な関係」の構築を進めるという方針を再確認いたしました。その大きな方向性の下、様々なレベルでの意思疎通を重ねることで一致を見たところであります。
また、私の方からは、中国によるレアアース関連の輸出管理措置についての強い懸念、これを表明いたしました。尖閣諸島、尖閣周辺海域など、東シナ海での中国の活動に対する深刻な懸念を改めて伝え、拘束中の邦人の早期釈放と、在留邦人の安全確保を求めたところであります。また、日本産食品の輸入規制についても働きかけを行いました。
今後も、王毅部長との間でも、意思疎通を重ねて、課題と懸案を減らし、理解と協力を増やしていきたいと、こんなふうに考えております。
APEC閣僚会議出席
【茂木外務大臣】最後に、明日、29日から31日にかけて、韓国の慶州(キョンジュ)を訪問し、APECの閣僚会議に出席いたします。
閣僚会議では、貿易・投資の諸課題に加えまして、AIや人口動態の変化といった新たな課題等についても、議論する予定であります。また、ASEAN関連首脳会議に引き続き、アジア太平洋地域の、より力強い経済発展や繁栄に対する我が国の確固たるコミットメントを示したいと考えております。さらに、この機会に、日米韓外相、日米韓というのは韓国の韓ですね。日米韓外相会合の実施を含め、各国のカウンターパートとも会談を行い、信頼関係の構築に更に進めていきたいこのように考えております。
ちょっと盛りだくさんでありましたが、今日の日程についてお話ししました。以上です。
日米首脳会談(会談の成果等)
【共同通信 鰍澤記者】本日の日米首脳会談について伺います。先ほど行われた日米首脳会談、大臣も御出席されていたと思いますが、この会談に対する評価と成果をお伺いします。あと、日本の歴代首相は、米大統領の来日を機に個人的な関係を深め、日米同盟を深化させてきた経緯がありますが、今回の会談で、両首脳は、個人的な関係が築けたとお考えでしょうか。また、歴代首相や外相は、就任後、訪米するケースが多いですが、高市首相と大臣の訪米の予定を伺います。最後の質問になりますが、トランプ大統領は、拉致被害者と面会しましたが、拉致問題について、日米で、どのように解決していくお考えでしょうか。また、米朝首脳会談実現に対する期待をどのようにお持ちでしょうか。お願いします。
【茂木外務大臣】本日午前、日米首脳会談に同席したわけでありますけれど、和やかな中にも、充実したやり取りだったと思っております。日米同盟の新たな黄金時代を築いていく上で、大変有意義な会談になったと考えております。私が拝見していまして、一連の行事において、両首脳は、初の対面でのやり取りとは思えないほど、率直なやり取りをされていたと思います。今後につながっていく個人的な信頼関係が築けたと、このように確信しているところであります。
また、冒頭に述べたとおり、私もカウンターパートでありますルビオ長官と初めて会談を行いましたけれど、ルビオ長官、御案内のとおり、非常に率直な方でありまして、聡明でもあります。いい会談ができたんじゃないかなと、こんなふうに思っているところであります。また、個人的な信頼関係も築けたと思っておりまして、これからは、「トシ」「マルコ」と呼ぼうと、こんな話もさせていただいたところであります。
また、訪米の予定でありますけれど、高市総理、そして私、現時点で決まっていることはありません。
今後、さまざまなレベルで、日米同盟を更に高みに引き上げていく必要性、これは十分認識をしているところであります。
拉致問題でありますが、拉致問題の即時解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えて、米国を含む国際社会と連携が重要であります。本日の拉致被害者御家族の皆さんとの面会におきましても、トランプ大統領、そして、ルビオ長官の方から、この問題解決、即時解決に、全面的に協力すると、いうこういうお話もあったわけでありまして、これも非常に有意義な機会でありまして、拉致問題の即時解決に向けて、日米間でも、また協力をし、国際社会の国際世論も更に喚起をしていきたいと、こんなふうに考えております。
日米首脳会談(防衛力強化)
【読売新聞 栗山記者】私から2点伺わせていただきます。1点目です。同席された日米首脳会談では、日本の防衛費、防衛力強化の取組について、どのようなやり取りが行われましたでしょうか。米政府は、同盟国に防衛支出を増やすように求めてきておりますけれども、今回の会談で、日本の取組への理解を得られたとお考えですか。もう一点です。茂木大臣は、本日、日米外相会談やラトニック商務長官との会談で、どのようなやり取りを行って、どのようなことで一致しましたでしょうか。お二人とは、今後、どのような信頼関係を築きたいとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】日米首脳会談の詳細については、この後、総理の方から発言があると思っております。会談の冒頭、トランプ大統領から、日本が防衛力を大幅に強化していることを承知している、こういう旨の発言がありました。それ以上のことにつきましては、高市総理本人が、この後、会見をされると、そんなふうに承知をいたしております。
日米の外相会談、ルビオ長官とは、日米同盟の抑止力・対処力の強化、経済安全保障面での取組の更なる推進に加えて、地域情勢等について、また地域の課題について、意見交換を行い、個人的な信頼関係を構築することができたと考えているところであります。
ラトニック商務長官との間で、日米間の合意に関して、重要な役割を担う、ラトニック商務長官と、就任後、初めて会見をすることになったと。私が、この合意全体の総括をするという中で、良い機会になったんじゃないかなと、そんなふうに思っておりまして、合意の実施に向けて、これからも連携を強化していきたいと、このように考えています。
日米外相会談、ラトニック商務長官との会談(会談の成果、沖縄問題)
【琉球新報 謝花記者】新内閣においても、沖縄の米軍基地の負担軽減については、掲げられているかと思いますけれども、本日の首脳会談、外相会談の中で、この米軍普天間飛行場の危険性など、沖縄の基地問題についてや、日米地位協定の改定の必要性などについて、大臣の方から課題解決を求めるやり取りなど、沖縄の基地問題が話題に上がるようなことはあったでしょうか。もしなかったとしたら、それはどうして、そういう話題に上がらなかったのかというところも踏まえて、ちょっとお聞きしてもよろしいでしょうか。
【茂木外務大臣】本日の日米の外相会談、非常に限られた時間で、そして、初めてのルビオ長官との会談ということでありまして、日米同盟の強化、これをどう進めていくかと。また、経済・安全保障分野での協力、そして国際情勢、これは今、世界全体で、ウクライナもそうですし、ガザもそうです、そして東南アジアでも様々な動きがある。更には、我が国を取りまきます安全保障環境を大きく変わっている。こういう認識の共有等々を行った。また、方針についてもすり合わせを行う。こういう、大きな議論を行いましたので、別に、沖縄の問題に限らず、細かなやり取りと、これを今日行ったわけではありません。その上で、在日米軍の円滑な駐留のためには、地元の御理解と御協力を得ることが不可欠だと、そんなふうに考えておりまして、今後とも沖縄県を含めます基地負担軽減について、しっかり米側とも協議してまいりたいと考えております。
日中関係
【上海東方テレビ 宋記者】中国関連で1点お伺いします。日米が対中政策で協調することも大切ですが、日本としては中国との戦略的互恵関係も重視されていると思います。このバランスをどのようにとっていかれるお考えでしょうか。
【茂木外務大臣】日米同盟、これは我が国の外交・安全保障政策の基軸でありまして、インド太平洋地域の平和と繁栄の礎になるものであります。
また、米国とは、本日の日米首脳会談や、私とルビオ長官との外相会談を含めて、累次の機会には、中国をめぐる諸課題について、日米間で意見交換を行い、緊密に連携していくこと確認しているところであります。
一方、中国との間では、懸案や課題があることは事実であります。だからこそ、率直に話をしていく必要がありまして、そうした中で、主張すべきことは主張して、責任ある対応を求めていきたいと思います。その上で、協力できる分野では協力していくと、この現実的な外交を行ってまいります。
これまで日中首脳間では、「戦略的互恵関係」の推進、包括的推進ですね。そして、「建設的かつ安定的な関係」の構築という大きな方向性、確認をいたしました。本日も、私と王毅外交部長との間で、これを直接、確認をしたところであります。
こうした大きな方向性の下、意思疎通をより一層強化し、双方の努力によって、課題と懸案を減らして、理解と協力を増やしていくと、こういう方針であります。
その上で、日本としては、引き続き、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、中国に対して、その立場にふさわしい責任を果たしていくよう働きかけを行っていきたいと考えております。
日中外相会談の可能性
【時事通信 千葉記者】冒頭御発言もあった中国の王毅外相との電話会談についてなんですけれども、大臣、明日からAPEC閣僚会議に出席されると思いますけれども、対面での王毅外交部長との会談について言及があったか、調整状況あれば教えてください。
【茂木外務大臣】ありません。



