岩屋外務大臣会見記録 (9月12日17時08分)

9.12 (金) 20:40
0
0

冒頭発言

日・ベルギー外相会談

【岩屋外務大臣】まず、一つ御報告がございます。
 9月15日から17日まで、ベルギー王国のプレヴォ副首相兼外務大臣が訪日をされ、私(岩屋大臣)は、16日に外相会談及びワーキング・ランチを実施する予定です。
 なお、14日の大阪・関西万博におけるベルギーのナショナルデーには、同じく訪日予定のクラランヴァル副首相兼経済相とマッツ行政現代化相が参加される予定です。
 明年の日・ベルギー友好160周年を見据えつつ、今回の閣僚の訪日や外相会談の機会を捉えまして、価値や原則を共有する戦略的パートナーであるベルギーとの関係を一層強化してまいりたいと考えております。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

米国ジョージア州における邦人拘束事案

【日経新聞 馬場記者】米国内で拘束された邦人について2問伺います。まず、領事体制についてお伺いします。米国国内で拘束された邦人は、韓国のチャーター機で、韓国国内に到着したとみられます。日韓の領事当局間では、どのような体制を敷き、現在日韓関係が改善基調にあることで、どのような連携ができたのでしょうか。また、今回の発端は、米国のビザ規制であり、米国に進出する日本企業でも起こり得る問題です。邦人が捕まる異常事態に、外務省としてどのように米側に働きかけをされたのかお伺いします。

【岩屋外務大臣】米国の移民関税執行局、ICEというのですけれども、ここに拘束されていた邦人3名は、現地時間の11日昼頃、韓国企業が手配したチャーター機で米国を出発し、日本時間の本12日午後、韓国に到着したと承知しております。
 本事案の発生後、現地のアトランタ及びソウルの双方で、韓国側と緊密に連絡を取り合いました。また、取組を進めてまいりました。韓国側の関係者の協力に感謝申し上げたいと思います。
 なお、日韓間では領事分野を含めて、日頃から緊密にやり取りを行っております。その上で、領事分野では、日韓の領事当局間協議を毎年実施しているほかに、昨年には、第三国における自国民保護に関する日韓協力覚書にも署名しております。こういうものに基づいて、今後とも連携を強化していきたいと考えております。
 また、当然のことながら、米国の当局側との間でも、やり取りを行っておりますが、外交上のやり取りでもありますことから、その具体的内容の紹介は控えたいと思います。本事案への対応に当たりまして、邦人保護の観点から、米側とも緊密に意思疎通を行ってきたところです。
 こういう事案が発生しないことを願いますけれども、もし、万が一、何かありました場合には、緊密に当局間で連携をとって対応してまいりたいと考えております。

中東情勢(パレスチナの国家承認検討状況)

【読売新聞 植村記者】パレスチナの国家承認について伺います。昨日、大臣は、人道外交議員連盟からパレスチナの国家承認を求める要望書を受け取りましたが、その際に、大臣が、「いずれは国家承認をするが、あとはいつするかの問題だ」とした上で、「イスラエルが、非常に態度を硬化させているというようなこともある」という、そういった現状にも発言として触れられました。今月後半の国連総会では、パレスチナに関する会合もありますが、最新のイスラエルの動きなどを踏まえた上で、パレスチナの国家承認に関して、現状、政府として、どのように考えるか、御見解をお伺いします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】御指摘のニューヨークにおける国連総会に合わせた会合を含めまして、パレスチナ国家承認の問題をめぐる国際的な議論について、今、重大な関心を持って、その動向を注視しているところです。
 我が国としては、かねてから申し上げておりますように、イスラエル・パレスチナ問題の「二国家解決」を一貫して支持しております。この立場に変わりはありません。その意味で、いずれは国家承認するが、あとはいつするかという問題だと、そもそも、そういう問題だということを申し上げているところです。
 和平の進展、和平というものが何より大事なことだと思いますので、何が最も適切で効果的かということを、真剣に検討していかなければならないと考えております。
 パレスチナの国家承認ということにつきましては、引き続き、その適切な時期や在り方も含めて、今、総合的な検討を行っているところです。現段階では、今申し上げたとおりでございます。

中東情勢(イスラエルによるカタールへの攻撃)

【NHK 川村記者】カタールへの攻撃についてお聞きします。イスラエルは、イスラム組織ハマスの幹部を標的に、カタールに攻撃を行い、その後、ネタニヤフ首相は、再攻撃の可能性を排除しない姿勢ですが、大臣の受け止めをお願いします。

【岩屋外務大臣】本件については、10日に、私(岩屋大臣)が外務大臣談話を発出しておりますが、その談話の中で述べたとおりです。ガザにおける停戦案の実現と、人質の解放が喫緊の課題であって、カタールを含む関係国による真剣な外交努力が行われている状況において、イスラエルによる攻撃が行われたことは、外交努力を妨げ、カタールの主権と安全、ひいては地域の安定を脅かすものであって、我が国として、強く非難いたします。
 我が国は、カタールへの連帯を表明するとともに、イスラエルに対して、直ちに交渉に立ち戻り、停戦の実現と人質の解放に向けて、誠実に取り組むように改めて強く求めてまいります。
中東地域の平和と安定は、我が国にとっても極めて重要な課題ですので、我が国としては、全ての関係者に対して、テロ行為を含む地域の安定を損なういかなる行為も控えるように、そして事態の沈静化に取り組むように、引き続き、強く求めてまいります。
 また、政府としては、海外に渡航・滞在する邦人の保護に万全を期すとともに、事態の更なる悪化を防ぐべく、必要なあらゆる外交努力を行っていきたいと考えております。

中東情勢(パレスチナの国家承認検討状況)

【共同通信 鮎川記者】先ほどのやり取りで、少し追加で確認したいんですが、パレスチナの国家承認の問題について。22日に、フランスとサウジアラビアが共催する形とされていますが、関連の会合があると。日本政府は、そこの会合に合わせて、先ほど大臣がおっしゃったような立場を表明されるということなのか、あるいは、そこに向けての検討を現在も続けていることなのか。その点を少し確認させていただければと思います。

【岩屋外務大臣】先ほど申し上げたとおり、そこに向けての検討を、今、重ねているとご理解をいただきたいと思います。

「佐渡島の金山」の追悼式典

【共同通信 鮎川記者】続けてすみません。13日に、「佐渡島(さど)の金山」世界文化遺産で行われる労働者の追悼式について2点伺います。1点、は日本政府はこの世界遺産登録の際に特に朝鮮半島出身者を誠実に記憶に留めつつとしながら、毎年全ての労働者のための追悼式を行うということを国際的なコミットメントとして表明しています。日韓の良好な関係や和解の観点から、韓国が出席する形での開催というものを目指していたというふうに承知しているんですが、昨年に続いて、今年も韓国は欠席ということになったと。これに関する大臣の率直な受け止めを伺いたいというのが1点と、2点目は、昨年は、生稲晃子政務官が政府代表で出席されて挨拶をされたと。今年は、政府のその代表としての参加をどういった対応されるのかというのが1点。また、昨年と出席される政治レベルとかのものが違う場合には、何かそこに理由があるのかということを伺いたいと思います。

【岩屋外務大臣】まず、御指摘の追悼式については参加者は外務省の担当局長、岡野国際文化交流審議官が、政府代表として出席する予定です。これは、外務省として、総合的に判断を行ったものです。
 それから、昨年以来、できれば韓国側も参加の下で、式典が行われることが望ましいという考え方の下で、調整を続けてまいりました。今年についても、そのような考え方で緊密に丁寧に調整してまいりましたけれども、そういう形にならなかったことは残念に思っておりますけれども、ここは、日韓双方ともに、緊密に、そして丁寧に対話をを行ってきた結果ですので、残念ではありましたが、引き続き、韓国側とは日韓関係を安定的に進めていくために意思疎通を、これからも丁寧に行っていきたいと考えているところです。

日印関係、日米豪印

【ASIAN News International 板垣記者】日印首脳会談が、成功裏に終わりまして、3年間駐日大使を務められましたシビ・ジョージさん、本国にお帰りになりまして、外務省のDeputy Ministerというお立場で、これからお仕事なさるということで、帰る2日前にインタビューさせてもらいました。いろいろなことを語っていらっしゃったのですが、最後に、すごく力を込めておっしゃってたのが、QUADについてなんです。QUADにおける協力関係は、日本とインドのみならず、インド・パシフィックのいろいろな国の平和であり、安定であり、安全であり、それから繁栄にとって、非常に重要な枠組みなので、これは、これからも一層力強く進めていきたいというようなことをおっしゃっておりました。そういうメッセージに対して、大臣の受け止め方、並びにQUAD等に対する、その周辺に対する今後の展望をお聞かせいただければと思います。

【岩屋外務大臣】ジョージ大使、私(岩屋大臣)にも御挨拶にお越しいただきましたけれども、この間の日印関係発展への御尽力に、改めて心から敬意を表したい思います。大使の御尽力もあって、先般、モディ首相の訪日は、成功裏に終えることができたと思っております。首脳間で、「日印首脳共同声明」を発表して、今後10年の日印協力の具体的な道筋を示すことができたと考えております。
 インドは、FOIPの実現に向けた重要なパートナーですので、引き続き、幅広い分野で協力関係を深めていきたいと思っております。
 そして、お尋ねのQUADですけれども、御承知のように、本年1月及び7月に、米国主催で、QUAD外相会合を2回開催しています。そして、同盟国・同志国間の連携の重要性を確認し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けたコミットメントを再確認いたしました。今後、一層、協力を強化していくことを確認しておりますので、本年後半に、インドが主催する首脳会合、及び2026年来年、豪州が主催する外相会合に向けて、連携を強化することで日米豪印で一致をしております。今後とも、日印の連携を機密にして、QUADの一層の充実、強化にも努めてまいりたいと思っております。

米国ジョージア州における邦人拘束事案

【日経新聞 馬場記者】先ほどに引き続き、米国国内での邦人拘束の対応についてお伺いします。対米投資への影響について伺います。李在明(イ・ジェミョン)大統領は、今回の拘束事案について、対米直接投資に影響が出る可能性も指摘されています。日韓が、対米投資を加速しようとしている中で、就労問題がリスクとなった形ですけれども、ビザ規制について、米側に何を呼びかけて、日本企業の米国国内での円滑なビジネス活動のために、政府がどのようなサポートをされていくのかお伺いします。

【岩屋外務大臣】米国の査証をめぐる一連の動向については、米国には、言うまでもなく、多くの邦人が滞在しておりますので、我が国政府としても、高い関心を持って、これまで注視してきております。また、必要な情報収集、また、意思疎通を行っております。今後とも適切に対応してまいりたいと思っております。
 海外で活動する日本企業を支援することは、政府の重要な任務ですので、今般の事案を含めて、現地情勢の把握に努めるとともに、日本企業に対する関連情報の提供を含めて、引き続き、日本企業を支援していきたいと思っています。
 外務省としては、米国にある18の在外公館に、「日本企業支援窓口」を設置しておりまして、現地に駐在する日本企業支援担当官が、個別企業からの相談・支援依頼などに積極的に対応してきているところです。
 また、JETROにおきましては、日本企業の米国内におけるビジネスを支援するために、米国各地で専門家等を活用した相談サービスの提供や、セミナーの開催などの情報発信に関する取組を行っております。こうした様々な取組を通じて、米国内における日本企業の支援に、引き続き、取り組んでまいります。

自民党総裁選

【読売新聞 植村記者】自民党総裁選に関して伺います。総裁選の日程が決まりましたが、今回の総裁選に向けて、大臣はどういった点での論戦が深まってほしいと考えていますでしょうか。また、石破政権との、行政の政策の継続性について、大臣はど、のような点で必要だと考えますか。そういった点も踏まえて、次はどういった総裁の方が自民党総裁になるのが望ましいと考えていますでしょうか。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】これは大臣の立場を離れてお答えをさせていただきたいと思いますが、やはり、石破政権の課題を、ある意味継続中の課題でありますとか、残された課題をしっかりと継続できる、そういう体制であってもらいたいと思います。
 様々な課題がありますけど、例えば、抜本的な政治改革、これが解決していないというのが最大の自民党の敗因だったと思いますので、そこにしっかり対応できるということが第一に必要だと思っております。
 それから、今日は国会でやり取りがありましたが、日米関税合意のフォローというのも、これから極めて重要な課題の一つだと思いますし、石破政権で実績を上げてきた賃上げ、物価上昇を上回る賃金上昇の政策も、しっかり継続されなければいけないと思っておりますし、防災庁の設置でありますとか、地方創生でありますとか、何も石破政権の掲げてきた進めてきた政策が否定された選挙ではなかったと。ひとえに、自民党の体質が、厳しく審判されたということだったと思いますので、自民党の体質を改めるための抜本的な政治改革、そして石破政権の課題の継続、更にこれを発展させていく。そういうことができる体制が望ましいと、私(岩屋大臣)は考えております。

中国・蘇州における邦人被害の可能性

【フジテレビ 村上記者】中国の蘇州で、邦人が被害に遭う事案が起きたというSNS上で情報が回っているんですけれども、外務省として把握されている事実関係などありましたら、教えていただけますでしょうか。

【岩屋外務大臣】御指摘のようなSNS上の発信については承知しておりますが、現在、在上海日本国総領事館において、中国側現地当局への照会等を通じて、事実関係を確認中です。邦人保護を必要とする事案の発生があれば、適切に対応してまいります。正確な事実関係が確認され次第、改めて適切な形で情報発信を行いたいと考えているところです。

冒頭発言

日・ベルギー外相会談

【岩屋外務大臣】まず、一つ御報告がございます。
 9月15日から17日まで、ベルギー王国のプレヴォ副首相兼外務大臣が訪日をされ、私(岩屋大臣)は、16日に外相会談及びワーキング・ランチを実施する予定です。
 なお、14日の大阪・関西万博におけるベルギーのナショナルデーには、同じく訪日予定のクラランヴァル副首相兼経済相とマッツ行政現代化相が参加される予定です。
 明年の日・ベルギー友好160周年を見据えつつ、今回の閣僚の訪日や外相会談の機会を捉えまして、価値や原則を共有する戦略的パートナーであるベルギーとの関係を一層強化してまいりたいと考えております。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

米国ジョージア州における邦人拘束事案

【日経新聞 馬場記者】米国内で拘束された邦人について2問伺います。まず、領事体制についてお伺いします。米国国内で拘束された邦人は、韓国のチャーター機で、韓国国内に到着したとみられます。日韓の領事当局間では、どのような体制を敷き、現在日韓関係が改善基調にあることで、どのような連携ができたのでしょうか。また、今回の発端は、米国のビザ規制であり、米国に進出する日本企業でも起こり得る問題です。邦人が捕まる異常事態に、外務省としてどのように米側に働きかけをされたのかお伺いします。

【岩屋外務大臣】米国の移民関税執行局、ICEというのですけれども、ここに拘束されていた邦人3名は、現地時間の11日昼頃、韓国企業が手配したチャーター機で米国を出発し、日本時間の本12日午後、韓国に到着したと承知しております。
 本事案の発生後、現地のアトランタ及びソウルの双方で、韓国側と緊密に連絡を取り合いました。また、取組を進めてまいりました。韓国側の関係者の協力に感謝申し上げたいと思います。
 なお、日韓間では領事分野を含めて、日頃から緊密にやり取りを行っております。その上で、領事分野では、日韓の領事当局間協議を毎年実施しているほかに、昨年には、第三国における自国民保護に関する日韓協力覚書にも署名しております。こういうものに基づいて、今後とも連携を強化していきたいと考えております。
 また、当然のことながら、米国の当局側との間でも、やり取りを行っておりますが、外交上のやり取りでもありますことから、その具体的内容の紹介は控えたいと思います。本事案への対応に当たりまして、邦人保護の観点から、米側とも緊密に意思疎通を行ってきたところです。
 こういう事案が発生しないことを願いますけれども、もし、万が一、何かありました場合には、緊密に当局間で連携をとって対応してまいりたいと考えております。

中東情勢(パレスチナの国家承認検討状況)

【読売新聞 植村記者】パレスチナの国家承認について伺います。昨日、大臣は、人道外交議員連盟からパレスチナの国家承認を求める要望書を受け取りましたが、その際に、大臣が、「いずれは国家承認をするが、あとはいつするかの問題だ」とした上で、「イスラエルが、非常に態度を硬化させているというようなこともある」という、そういった現状にも発言として触れられました。今月後半の国連総会では、パレスチナに関する会合もありますが、最新のイスラエルの動きなどを踏まえた上で、パレスチナの国家承認に関して、現状、政府として、どのように考えるか、御見解をお伺いします。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】御指摘のニューヨークにおける国連総会に合わせた会合を含めまして、パレスチナ国家承認の問題をめぐる国際的な議論について、今、重大な関心を持って、その動向を注視しているところです。
 我が国としては、かねてから申し上げておりますように、イスラエル・パレスチナ問題の「二国家解決」を一貫して支持しております。この立場に変わりはありません。その意味で、いずれは国家承認するが、あとはいつするかという問題だと、そもそも、そういう問題だということを申し上げているところです。
 和平の進展、和平というものが何より大事なことだと思いますので、何が最も適切で効果的かということを、真剣に検討していかなければならないと考えております。
 パレスチナの国家承認ということにつきましては、引き続き、その適切な時期や在り方も含めて、今、総合的な検討を行っているところです。現段階では、今申し上げたとおりでございます。

中東情勢(イスラエルによるカタールへの攻撃)

【NHK 川村記者】カタールへの攻撃についてお聞きします。イスラエルは、イスラム組織ハマスの幹部を標的に、カタールに攻撃を行い、その後、ネタニヤフ首相は、再攻撃の可能性を排除しない姿勢ですが、大臣の受け止めをお願いします。

【岩屋外務大臣】本件については、10日に、私(岩屋大臣)が外務大臣談話を発出しておりますが、その談話の中で述べたとおりです。ガザにおける停戦案の実現と、人質の解放が喫緊の課題であって、カタールを含む関係国による真剣な外交努力が行われている状況において、イスラエルによる攻撃が行われたことは、外交努力を妨げ、カタールの主権と安全、ひいては地域の安定を脅かすものであって、我が国として、強く非難いたします。
 我が国は、カタールへの連帯を表明するとともに、イスラエルに対して、直ちに交渉に立ち戻り、停戦の実現と人質の解放に向けて、誠実に取り組むように改めて強く求めてまいります。
中東地域の平和と安定は、我が国にとっても極めて重要な課題ですので、我が国としては、全ての関係者に対して、テロ行為を含む地域の安定を損なういかなる行為も控えるように、そして事態の沈静化に取り組むように、引き続き、強く求めてまいります。
 また、政府としては、海外に渡航・滞在する邦人の保護に万全を期すとともに、事態の更なる悪化を防ぐべく、必要なあらゆる外交努力を行っていきたいと考えております。

中東情勢(パレスチナの国家承認検討状況)

【共同通信 鮎川記者】先ほどのやり取りで、少し追加で確認したいんですが、パレスチナの国家承認の問題について。22日に、フランスとサウジアラビアが共催する形とされていますが、関連の会合があると。日本政府は、そこの会合に合わせて、先ほど大臣がおっしゃったような立場を表明されるということなのか、あるいは、そこに向けての検討を現在も続けていることなのか。その点を少し確認させていただければと思います。

【岩屋外務大臣】先ほど申し上げたとおり、そこに向けての検討を、今、重ねているとご理解をいただきたいと思います。

「佐渡島の金山」の追悼式典

【共同通信 鮎川記者】続けてすみません。13日に、「佐渡島(さど)の金山」世界文化遺産で行われる労働者の追悼式について2点伺います。1点、は日本政府はこの世界遺産登録の際に特に朝鮮半島出身者を誠実に記憶に留めつつとしながら、毎年全ての労働者のための追悼式を行うということを国際的なコミットメントとして表明しています。日韓の良好な関係や和解の観点から、韓国が出席する形での開催というものを目指していたというふうに承知しているんですが、昨年に続いて、今年も韓国は欠席ということになったと。これに関する大臣の率直な受け止めを伺いたいというのが1点と、2点目は、昨年は、生稲晃子政務官が政府代表で出席されて挨拶をされたと。今年は、政府のその代表としての参加をどういった対応されるのかというのが1点。また、昨年と出席される政治レベルとかのものが違う場合には、何かそこに理由があるのかということを伺いたいと思います。

【岩屋外務大臣】まず、御指摘の追悼式については参加者は外務省の担当局長、岡野国際文化交流審議官が、政府代表として出席する予定です。これは、外務省として、総合的に判断を行ったものです。
 それから、昨年以来、できれば韓国側も参加の下で、式典が行われることが望ましいという考え方の下で、調整を続けてまいりました。今年についても、そのような考え方で緊密に丁寧に調整してまいりましたけれども、そういう形にならなかったことは残念に思っておりますけれども、ここは、日韓双方ともに、緊密に、そして丁寧に対話をを行ってきた結果ですので、残念ではありましたが、引き続き、韓国側とは日韓関係を安定的に進めていくために意思疎通を、これからも丁寧に行っていきたいと考えているところです。

日印関係、日米豪印

【ASIAN News International 板垣記者】日印首脳会談が、成功裏に終わりまして、3年間駐日大使を務められましたシビ・ジョージさん、本国にお帰りになりまして、外務省のDeputy Ministerというお立場で、これからお仕事なさるということで、帰る2日前にインタビューさせてもらいました。いろいろなことを語っていらっしゃったのですが、最後に、すごく力を込めておっしゃってたのが、QUADについてなんです。QUADにおける協力関係は、日本とインドのみならず、インド・パシフィックのいろいろな国の平和であり、安定であり、安全であり、それから繁栄にとって、非常に重要な枠組みなので、これは、これからも一層力強く進めていきたいというようなことをおっしゃっておりました。そういうメッセージに対して、大臣の受け止め方、並びにQUAD等に対する、その周辺に対する今後の展望をお聞かせいただければと思います。

【岩屋外務大臣】ジョージ大使、私(岩屋大臣)にも御挨拶にお越しいただきましたけれども、この間の日印関係発展への御尽力に、改めて心から敬意を表したい思います。大使の御尽力もあって、先般、モディ首相の訪日は、成功裏に終えることができたと思っております。首脳間で、「日印首脳共同声明」を発表して、今後10年の日印協力の具体的な道筋を示すことができたと考えております。
 インドは、FOIPの実現に向けた重要なパートナーですので、引き続き、幅広い分野で協力関係を深めていきたいと思っております。
 そして、お尋ねのQUADですけれども、御承知のように、本年1月及び7月に、米国主催で、QUAD外相会合を2回開催しています。そして、同盟国・同志国間の連携の重要性を確認し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けたコミットメントを再確認いたしました。今後、一層、協力を強化していくことを確認しておりますので、本年後半に、インドが主催する首脳会合、及び2026年来年、豪州が主催する外相会合に向けて、連携を強化することで日米豪印で一致をしております。今後とも、日印の連携を機密にして、QUADの一層の充実、強化にも努めてまいりたいと思っております。

米国ジョージア州における邦人拘束事案

【日経新聞 馬場記者】先ほどに引き続き、米国国内での邦人拘束の対応についてお伺いします。対米投資への影響について伺います。李在明(イ・ジェミョン)大統領は、今回の拘束事案について、対米直接投資に影響が出る可能性も指摘されています。日韓が、対米投資を加速しようとしている中で、就労問題がリスクとなった形ですけれども、ビザ規制について、米側に何を呼びかけて、日本企業の米国国内での円滑なビジネス活動のために、政府がどのようなサポートをされていくのかお伺いします。

【岩屋外務大臣】米国の査証をめぐる一連の動向については、米国には、言うまでもなく、多くの邦人が滞在しておりますので、我が国政府としても、高い関心を持って、これまで注視してきております。また、必要な情報収集、また、意思疎通を行っております。今後とも適切に対応してまいりたいと思っております。
 海外で活動する日本企業を支援することは、政府の重要な任務ですので、今般の事案を含めて、現地情勢の把握に努めるとともに、日本企業に対する関連情報の提供を含めて、引き続き、日本企業を支援していきたいと思っています。
 外務省としては、米国にある18の在外公館に、「日本企業支援窓口」を設置しておりまして、現地に駐在する日本企業支援担当官が、個別企業からの相談・支援依頼などに積極的に対応してきているところです。
 また、JETROにおきましては、日本企業の米国内におけるビジネスを支援するために、米国各地で専門家等を活用した相談サービスの提供や、セミナーの開催などの情報発信に関する取組を行っております。こうした様々な取組を通じて、米国内における日本企業の支援に、引き続き、取り組んでまいります。

自民党総裁選

【読売新聞 植村記者】自民党総裁選に関して伺います。総裁選の日程が決まりましたが、今回の総裁選に向けて、大臣はどういった点での論戦が深まってほしいと考えていますでしょうか。また、石破政権との、行政の政策の継続性について、大臣はど、のような点で必要だと考えますか。そういった点も踏まえて、次はどういった総裁の方が自民党総裁になるのが望ましいと考えていますでしょうか。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】これは大臣の立場を離れてお答えをさせていただきたいと思いますが、やはり、石破政権の課題を、ある意味継続中の課題でありますとか、残された課題をしっかりと継続できる、そういう体制であってもらいたいと思います。
 様々な課題がありますけど、例えば、抜本的な政治改革、これが解決していないというのが最大の自民党の敗因だったと思いますので、そこにしっかり対応できるということが第一に必要だと思っております。
 それから、今日は国会でやり取りがありましたが、日米関税合意のフォローというのも、これから極めて重要な課題の一つだと思いますし、石破政権で実績を上げてきた賃上げ、物価上昇を上回る賃金上昇の政策も、しっかり継続されなければいけないと思っておりますし、防災庁の設置でありますとか、地方創生でありますとか、何も石破政権の掲げてきた進めてきた政策が否定された選挙ではなかったと。ひとえに、自民党の体質が、厳しく審判されたということだったと思いますので、自民党の体質を改めるための抜本的な政治改革、そして石破政権の課題の継続、更にこれを発展させていく。そういうことができる体制が望ましいと、私(岩屋大臣)は考えております。

中国・蘇州における邦人被害の可能性

【フジテレビ 村上記者】中国の蘇州で、邦人が被害に遭う事案が起きたというSNS上で情報が回っているんですけれども、外務省として把握されている事実関係などありましたら、教えていただけますでしょうか。

【岩屋外務大臣】御指摘のようなSNS上の発信については承知しておりますが、現在、在上海日本国総領事館において、中国側現地当局への照会等を通じて、事実関係を確認中です。邦人保護を必要とする事案の発生があれば、適切に対応してまいります。正確な事実関係が確認され次第、改めて適切な形で情報発信を行いたいと考えているところです。

コメント

ログインしてコメントを書く。

ランキング


News Thumbnail
1

岩屋外務大臣会見記録 (9月12日17時08分)


News Thumbnail
2

竹内経済産業大臣政務官がカナダのモー サスカチュワン州首相による表敬を受けました


News Thumbnail
3

国際緊急援助隊参加者に対する外務大臣感謝状の授与式


News Thumbnail
4

クーパー英国外務・英連邦・開発相に対する岩屋外務大臣からの祝意の伝達


News Thumbnail
5

国民民主党 幹事長定例会見(2025年9月12日)


Copyright © Fast Fact since 2023.