経済産業省は、日本企業が、企業価値向上に向けた選択肢の一つとして、海外資本活用をより具体的に検討することが可能となるよう、「企業価値向上に向けた海外資本活用ガイドブック」を作成しました。
本ガイドブックでは、
- 海外資本活用の概要や有効性、留意点・リスクなど、海外資本活用を具体的に検討するに当たって備えておくべき「基礎知識」
- 海外資本活用の有効性を高める上で日本企業の経営者層に期待される「5つの基本的行動」とその具体的な事例
経営課題解決や成長の加速に向けて、海外資本活用を検討する際に、本ガイドブックを幅広くご活用ください。
1.「企業価値向上に向けた海外資本活用ガイドブック」作成の背景・経緯
近年、市場環境の変化のスピードが加速し、自社の経営資源だけで環境変化に迅速に対応することがますます困難になっています。また、少子高齢化・人口減少等に伴い、国内市場の世界市場に占めるシェアが低下する中、海外の成長市場の取り込みが不可欠です。
こうした状況の中、企業価値向上を目指す上では、過度な自前主義にとらわれず、海外のプレイヤーとの協業連携やオープンイノベーションを進め、海外活力の取り込みを図っていくことの重要性が高まっています。
協業連携として、高度な経営ノウハウ、海外ネットワーク等を有する海外資本からの出資の受入れ(海外資本活用)も選択肢の一つであるところ、海外資本に対する日本企業の心理的ハードルの高さ等により、日本企業による海外資本活用は諸外国と比べて低水準となっています。
海外資本による日本企業に対する投資案件の実現等により、日本企業における海外資本活用の認知度は高まってきた一方、海外資本活用の具体的な進め方や留意点等については、日本企業の間でまだ十分に浸透していないとの指摘もあります。また、海外資本の呼び込みに向けた国家間の競争激化や、企業価値向上に向けた資本市場改革により、日本企業による海外資本活用の検討の重要性は一層高まっています。
注)「海外資本活用」とは、海外事業会社や海外PEファンドといった海外資本からの出資の受入れを指しています。
2.ガイドブックの概要
本ガイドブックは、
- 海外資本活用の具体的検討に際し備えておくべき「海外資本活用の基礎知識」を掲載した第1部
- 海外資本活用の有効性を高める上で日本企業の経営者層に期待される「海外資本活用に向けた5つの基本的行動」を掲載した第2部
の2部構成としています。
また、実践的な内容とするため、第2部では、「基本的行動」を実行した日本企業の事例も掲載しています。具体的な掲載事例の企業名については下記、「本ガイドブックの構成」をご参照ください。
本ガイドブックの構成

3.ガイドブックの特徴
- 海外資本活用の概要や有効性、留意点・リスク等、海外資本活用を具体的に検討するに当たって備えておくべき基礎知識を網羅的に掲載しています。
- 海外資本活用の基本的なプロセスを5つに分け、それぞれの段階において期待される「基本的行動」を提示しています。
- 基本的行動を実践した事例を実名で掲載し、経営者層に期待される行動をより具体的に理解できるようにしています。
- 多岐にわたる専門性が必要な海外資本活用を進める際に、各プロセスにおいて適切な助言を行う支援機関の役割・選定時のポイント等を掲載しています。
- 出資者の特性(海外事業会社、海外PEファンド)、出資比率(マジョリティ出資、マイノリティ出資)等を問わず、幅広いケースにおいて参考となる内容としています。
- 主な想定読者は幅広い日本企業(大企業、中堅・中小企業、スタートアップ等)の経営者層ですが、出資者と日本企業のつなぎ役・支援業務を担う金融機関等にも参考となるように作成しています。
4.本ガイドブックに関するセミナーのオンライン開催(2025年7月16日)
経済産業省では、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)とともに、本ガイドブックの概要説明や海外資本活用に関する講演、関連事例として掲載した企業による事例紹介を行うセミナーをオンラインにて開催します。
詳細及び参加希望の方は、以下のRIETI Webサイトをご確認ください。
日時:2025年7月16日(水曜日)12時15分から13時15分まで(予定)
開催方法:オンライン開催(Live 配信・参加無料)
参加申込み・セミナー詳細は
こちら
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担当
経済産業政策局 投資促進課長 浅井
投資交流企画官 天野
担当者:福永、山下、新妻
電話:03-3501-1511(内線 3181)
メール:bzl-invest-japan★meti.go.jp
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