浜野喜史総務会長(参議院議員/全国比例)は5日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった令和8年度補正予算案に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
令和8年度補正予算案に対する討論
令和8年6月5日
国民民主党・新緑風会 浜野喜史
国民民主党の浜野喜史です。会派を代表し、令和8年度補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。
賛成理由の第一は、補正予算案は、令和8年度予算を、かろうじて積極財政へ転換させるものであることです。令和8年度一般会計予算は、令和7年度に比して、税収5.9兆円の増の一方で、歳出は4.1 兆円の増に留まっております。令和8年度予算は、前年度より1.8兆円多く、国民の側からお金を吸い上げることとなってしまっていました。
それを早期に、かろうじて積極財政に転換したことを評価します。
賛成理由の第二は、補正予算案が国民民主党の提言と概ね一致する内容になっていることです。国民民主党は、中東情勢によるエネルギー価格高騰や物価上昇から国民生活と事業活動を守るため、3兆円規模の補正予算を含む緊急対策を政府に提言しました。補正予算案も総額約3.1兆円であり、特別高圧電力・LP ガス利用者を含んだ、電気・ガス料金の支援などが盛り込まれています。国民生活と日本経済を守るため必要な措置であり、その方向性を評価します。その上で、政府の予備費の執行にあたっては、使用計画、状況を迅速に公表し、国民や国会へ丁寧に説明するよう強く求めます。
以上、賛成の理由を申し述べた上で、今後の経済財政運営について、問題提起を致します。高市総理は国民が抱いている暮らしと未来に関する不安を希望に変えると宣言されました。
日本の最重要課題をずばり言い当て、明解に表した素晴らしいメッセージであると敬意を表します。
そこで問題提起したいのが、政府財政の持続可能性が失われることがあり得るかのような、国民の不安を助長しかねない経済財政方針を出す必要があるのかということです。
政府は、経済成長と政府財政の持続可能性の両立を図るとしております。もっともらしい方針ですが、政府財政の持続可能性が崩れることがあり得るのでしょうか。
片山財務大臣は、日本国債の債務不履行は通常考えにくいと国会で明言されました。変動相場制のもと、円という自国通貨建てで発行されている日本国債の債務不履行は考えられないのではないでしょうか。
また、財政支出が過ぎると、金利高騰、過度なインフレを招くとの指摘があります。これについて、植田日銀総裁は、国会で次の通り説明されました。
「日本銀行の国債買入れの運用については、考え方は従来から変わっておりません。すなわち、通常の市場の動きとは異なるような形で長期金利が急激に上昇するといった例外的な状況においては、市場における安定的な金利形成を促す観点から、機動的にオペ等を実施する考え方でございます。」、「財政政策と物価の関係について一般論で申し上げますと、財政支出は総需要に働きかけることで景気を刺激し、設備投資、消費、雇用を増加させる方向に作用すると考えられます。これに伴って、需給ギャップや労働需給が改善しますと、物価や賃金の上昇につながります。ただし、こうした財政支出が先々の経済の供給力の向上にもつながる場合には、長い目で見れば物価上昇圧力を抑制する方向に作用することもあるというふうに考えられます。」という説明です。
日銀総裁は、仮に金利高騰があったとしても、日銀が適時適切に対応できる。また過度なインフレが起きないよう、財政支出により、供給力を強化していけると説明しているのです。
2019年10月に、高名な学者が新聞に次の内容の論稿を寄せております。
「2014年に論文で、日本国債の量が家計の保有する金融資産を上回ることで、10年以内に財政が破綻する危険性があると論じた。だが、現在でも全く危機の気配すら感じさせず、政府債務は拡大を続けている。市場は国債の将来を全然心配しないかのようだ。
経済学者の多くは、財政赤字を続けて国債を累積することの危険性を指摘してきたが、危機はいまだ訪れず「オオカミが来た」と叫ぶ嘘つき少年になぞらえられたこともある。だがイソップの寓話でも最後は本当にオオカミがやってくる。危機の可能性を消し去るには、政府が具体的な財政健全化の道筋を示す必要がある。」というものです。
イソップの寓話を引いて論ずることの妥当性については横に置くとした上で、高名な学者に対して、大変失礼ですが、国債が安定消化されている実態を理解されていない可能性があるのではないでしょうか。
国債を消化する代表選手である銀行は、市中に出回っている預金、日銀の呼ぶマネーストックで国債を購入している訳ではありません。銀行は、銀行の日銀当座預金を使って国債を購入しております。そして大事なポイントは、銀行の日銀当座預金は日銀が銀行保有の国債などの金融商品を購入することにより、銀行に供給されているものであるということです。銀行の日銀当座預金は、日銀が供給しているということを理解しておくことが重要です。
国債の安定消化は、物価安定を使命とする日銀がその目的に則って、銀行の日銀当座預金を適切に供給することによって支えられているわけです。これが理論ではなく、実態なのではないでしょうか。
日銀は銀行の日銀当座預金つまり、日銀の呼ぶマネタリーベースを適切に増減することを通じて、金利をコントロールできます。万が一、国債価格が急落しても、日銀が国債の買いオペレーションなどで適切に対応をするので、国債の安定消化が崩れることがあり得るのでしょうか。
今般の中東情勢の中で思い知らされたことがあります。経済や社会はモノとヒトがなければ成り立たないという当たり前の現実です。
政府は、今回の補正予算のように、急にお金は出せますが、モノとヒトを急に創出することはできません。平時から政府がお金を出して、モノとヒト、つまり供給力を着実に強化していくことが大切であることを痛感するところです。
確保すべきは、将来に備えた財政余力などという具体的に説明できないものではなく、将来に向けたモノとヒト、つまり実体のある万全の供給力ではないでしょうか。
もう一つ問題提起致します。政府は17分野に危機管理投資、成長投資をするとしています。これに反対するものではありませんが、はたして支援や投資すべき対象はこの分野だけなのでしょうか。現状のままでは、役割を果たし続けることは困難との声を発している、医療・介護・教育・農業・林業・鉄道・公共交通など、国民生活・経済の基盤を日常的に支えている分野も、支援や投資対象とすべきではないでしょうか。
政府の日本成長戦略会議有識者メンバーの会田卓司氏は、「サネエノミクス高市成長戦略」という著書で次のとおり述べております。
「国家は永続的な存在なので、国家が続く限り、永遠に国債の借り換えを繰り返していくことは可能です。国家は「通貨発行権」を持っています。日本なら円、米国ならドルです。自国通貨建ての国債なら、返済不能になることはないのです。」という内容です。
こうした考え方に立って、政府は、税収を超えてお金は出せない、出してはならないという天動説から脱却し、政府はヒトとモノを強化するため、お金を出せる、出すべきとの地動説に立つべきなのではないでしょうか。
高市総理に、国民生活、経済の持続可能性を最優先する骨太の方針策定を求めて、賛成討論を終わります。
浜野喜史総務会長(参議院議員/全国比例)は5日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった令和8年度補正予算案に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
令和8年度補正予算案に対する討論
令和8年6月5日
国民民主党・新緑風会 浜野喜史
国民民主党の浜野喜史です。会派を代表し、令和8年度補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。
賛成理由の第一は、補正予算案は、令和8年度予算を、かろうじて積極財政へ転換させるものであることです。令和8年度一般会計予算は、令和7年度に比して、税収5.9兆円の増の一方で、歳出は4.1 兆円の増に留まっております。令和8年度予算は、前年度より1.8兆円多く、国民の側からお金を吸い上げることとなってしまっていました。
それを早期に、かろうじて積極財政に転換したことを評価します。
賛成理由の第二は、補正予算案が国民民主党の提言と概ね一致する内容になっていることです。国民民主党は、中東情勢によるエネルギー価格高騰や物価上昇から国民生活と事業活動を守るため、3兆円規模の補正予算を含む緊急対策を政府に提言しました。補正予算案も総額約3.1兆円であり、特別高圧電力・LP ガス利用者を含んだ、電気・ガス料金の支援などが盛り込まれています。国民生活と日本経済を守るため必要な措置であり、その方向性を評価します。その上で、政府の予備費の執行にあたっては、使用計画、状況を迅速に公表し、国民や国会へ丁寧に説明するよう強く求めます。
以上、賛成の理由を申し述べた上で、今後の経済財政運営について、問題提起を致します。高市総理は国民が抱いている暮らしと未来に関する不安を希望に変えると宣言されました。
日本の最重要課題をずばり言い当て、明解に表した素晴らしいメッセージであると敬意を表します。
そこで問題提起したいのが、政府財政の持続可能性が失われることがあり得るかのような、国民の不安を助長しかねない経済財政方針を出す必要があるのかということです。
政府は、経済成長と政府財政の持続可能性の両立を図るとしております。もっともらしい方針ですが、政府財政の持続可能性が崩れることがあり得るのでしょうか。
片山財務大臣は、日本国債の債務不履行は通常考えにくいと国会で明言されました。変動相場制のもと、円という自国通貨建てで発行されている日本国債の債務不履行は考えられないのではないでしょうか。
また、財政支出が過ぎると、金利高騰、過度なインフレを招くとの指摘があります。これについて、植田日銀総裁は、国会で次の通り説明されました。
「日本銀行の国債買入れの運用については、考え方は従来から変わっておりません。すなわち、通常の市場の動きとは異なるような形で長期金利が急激に上昇するといった例外的な状況においては、市場における安定的な金利形成を促す観点から、機動的にオペ等を実施する考え方でございます。」、「財政政策と物価の関係について一般論で申し上げますと、財政支出は総需要に働きかけることで景気を刺激し、設備投資、消費、雇用を増加させる方向に作用すると考えられます。これに伴って、需給ギャップや労働需給が改善しますと、物価や賃金の上昇につながります。ただし、こうした財政支出が先々の経済の供給力の向上にもつながる場合には、長い目で見れば物価上昇圧力を抑制する方向に作用することもあるというふうに考えられます。」という説明です。
日銀総裁は、仮に金利高騰があったとしても、日銀が適時適切に対応できる。また過度なインフレが起きないよう、財政支出により、供給力を強化していけると説明しているのです。
2019年10月に、高名な学者が新聞に次の内容の論稿を寄せております。
「2014年に論文で、日本国債の量が家計の保有する金融資産を上回ることで、10年以内に財政が破綻する危険性があると論じた。だが、現在でも全く危機の気配すら感じさせず、政府債務は拡大を続けている。市場は国債の将来を全然心配しないかのようだ。
経済学者の多くは、財政赤字を続けて国債を累積することの危険性を指摘してきたが、危機はいまだ訪れず「オオカミが来た」と叫ぶ嘘つき少年になぞらえられたこともある。だがイソップの寓話でも最後は本当にオオカミがやってくる。危機の可能性を消し去るには、政府が具体的な財政健全化の道筋を示す必要がある。」というものです。
イソップの寓話を引いて論ずることの妥当性については横に置くとした上で、高名な学者に対して、大変失礼ですが、国債が安定消化されている実態を理解されていない可能性があるのではないでしょうか。
国債を消化する代表選手である銀行は、市中に出回っている預金、日銀の呼ぶマネーストックで国債を購入している訳ではありません。銀行は、銀行の日銀当座預金を使って国債を購入しております。そして大事なポイントは、銀行の日銀当座預金は日銀が銀行保有の国債などの金融商品を購入することにより、銀行に供給されているものであるということです。銀行の日銀当座預金は、日銀が供給しているということを理解しておくことが重要です。
国債の安定消化は、物価安定を使命とする日銀がその目的に則って、銀行の日銀当座預金を適切に供給することによって支えられているわけです。これが理論ではなく、実態なのではないでしょうか。
日銀は銀行の日銀当座預金つまり、日銀の呼ぶマネタリーベースを適切に増減することを通じて、金利をコントロールできます。万が一、国債価格が急落しても、日銀が国債の買いオペレーションなどで適切に対応をするので、国債の安定消化が崩れることがあり得るのでしょうか。
今般の中東情勢の中で思い知らされたことがあります。経済や社会はモノとヒトがなければ成り立たないという当たり前の現実です。
政府は、今回の補正予算のように、急にお金は出せますが、モノとヒトを急に創出することはできません。平時から政府がお金を出して、モノとヒト、つまり供給力を着実に強化していくことが大切であることを痛感するところです。
確保すべきは、将来に備えた財政余力などという具体的に説明できないものではなく、将来に向けたモノとヒト、つまり実体のある万全の供給力ではないでしょうか。
もう一つ問題提起致します。政府は17分野に危機管理投資、成長投資をするとしています。これに反対するものではありませんが、はたして支援や投資すべき対象はこの分野だけなのでしょうか。現状のままでは、役割を果たし続けることは困難との声を発している、医療・介護・教育・農業・林業・鉄道・公共交通など、国民生活・経済の基盤を日常的に支えている分野も、支援や投資対象とすべきではないでしょうか。
政府の日本成長戦略会議有識者メンバーの会田卓司氏は、「サネエノミクス高市成長戦略」という著書で次のとおり述べております。
「国家は永続的な存在なので、国家が続く限り、永遠に国債の借り換えを繰り返していくことは可能です。国家は「通貨発行権」を持っています。日本なら円、米国ならドルです。自国通貨建ての国債なら、返済不能になることはないのです。」という内容です。
こうした考え方に立って、政府は、税収を超えてお金は出せない、出してはならないという天動説から脱却し、政府はヒトとモノを強化するため、お金を出せる、出すべきとの地動説に立つべきなのではないでしょうか。
高市総理に、国民生活、経済の持続可能性を最優先する骨太の方針策定を求めて、賛成討論を終わります。